2007 山日記



■2007山行記録■

金剛堂山(1638m)  
  2007.12.22(土)曇り 
 この頃、早起きの苦行に打ち勝つだけの山に向かう情熱が薄れ、のんべんだらりとした時間の遣い方もそれはそれで良いかと自答して、心から山に登りたくなる気持ちを大切にしたいと思っていた。
 Tが今年まだ雪を見ていないから金剛堂山に登ろうと言う。「さぞ綺麗だろうな」と想像すると行きたくなリ、登ることにした。
 家を6:30に出発、庄川から利賀に向う途中では山々や路肩には雪が積もり、新楢尾トンネルを抜けると田圃は雪で埋まっていた。予想以上の積雪に驚き、栃谷登山口まで除雪してあるかと不安を感じたが、駐車スペースは無いものの登山口まで乗り入れることが出来た。登山口には車が一台駐車され、スキーの板跡が百瀬川にかかる仮橋に続いていた。
 路肩に駐車してスノーシュウーを履き準備を整え、8:10スキー板跡のトレースを頂きながら歩き始めた。
 ストックの刺し跡から山スキー者は単独ではなさそうで3人位に思えた。どんな人達だろうと想像しながらジグザグにゆっくり高度を上げていく。どんよりとした空から粉雪が舞い落ち、身体に止まる。濡れることより風情が楽しかった。痩せた木々が倒れて行く手を阻み、通れる場所を選びながら50分間掛かってようやく栃谷から1Kmの標柱についた。
 先を行くTにどんどん遅れる。今シーズン始めて履いた冬靴に足が馴染まず、踵が痛む、どうやら靴擦れが始まったようだ。不安を抱きつつ休まず登り続けた。スキー場が見える尾根に着きここで一休みした。相変わらずTは先を行き元気だ。今日は二人で登れる所までと思って来たが、ラッキーにもスキーのラッセルがある。あとは体力と根性だけ、慌てずマイペースを心掛け、先を急いだ。雪も止みブナの巨木にも応援され、10:10八折岳に着いた。水墨画のように遠く金剛堂山が鎮座して禅寺の障壁画のような落ち着きのある趣だった。
    
  

 休憩を取り大きく降下する。登りにかかり先を行くTを懸命に追い掛ける。P1441で山スキーメンバーが帰って来られた。トレースのお礼を言うと「強風だから雨具を着るように」とTの伝言を伝えて下さり、皆様を見送った。高岡の方々で4人のパーティーだった。
 この辺りから強風が吹荒れ厳冬の様相となった。気持ちも萎えたが、12時までは行動しようと決め尚も登り続けた。私達の後から単独男性が登ってきて、三人三様、各自がペイスを守り辛抱強く登り続けると雪原に出て、11:55ついに頂上に立った。
   
 頂上は地吹雪に巻かれ居たたまれない環境だった。石祠に風が当りその風で削られた狭い空間に入りやっとの思いでTがツエルトを出してくれた。そのツエルトが強風でバタバタなびきその中にはいるのも一苦労だった。ようやく被り、中に入っても周りから粉雪が吹き込み背中は寒く居心地は最悪だった。パンを食べ「よくここまで来れたね」と大きな満足を小さな空間で喜びあった。
 狭いツエルトでは雨具を脱ぐことすら出来きず、保温服を着ることも不可で身体が冷えてきた。耐え難くツエルトから出て下山することにした。灰色だった頂上も幾分かは穏やかになり白木峰が青く見え美しい。もっと穏やかだったらよかったのにと心残りはあったが、自然相手では仕方がないこと、12:10下山開始とした。
   
 少し下るともう風は無かった。あの強風はなんだったんだろう。余裕も生まれ意気揚々と気まぐれに雪を蹴散らし降った。
 まだリュックの中は重いまま、折角熱いお湯を持ってきたのだからと八折岳でカップうどんを食べ熱いコーヒを飲み、帰還することにした。登路は一筋のトレースのみだったが、下山時はスキーの滑降跡や八折岳までツボ足登山者(複数)のものか足型が踏み抜かれ、荒れた雪道に変貌していて、スノーシュでは降り難く、楽しいものではなかったがこの時期にしては大満足の雪山山行だった。
 14:25登山口に着いた。靴を脱ぎ痛む踵をみると大きな水ぶくれが出来、「よく頑張ったな」と久々の山登りに耐えた足にねぎらいの気持ちを感じずにはいられなかった。

 後日知ったのだが、この日私達にとって大切な山仲間のU氏が逝去された。氏は高岡ハイキングクラブの牽引的存在でかつ重鎮だった。多くの山に同行させて頂き、思い出も一杯ある。氏とこんなに突然の別れがくるとは心が痛み、永遠の別れに悔しく寂しく悲しく辛くやるせない。貴方のやさしい思い遣り、ご指導、笑顔忘れません。ほんとうにありがとうございました。こころからご冥福をお祈りいたします。  
武甲山(1304m)  両神山(1723m)
  2007.11.12(月)晴れ 
 息子夫婦に子供が産まれ、横浜に出向く事になった。折角遠出するのだから、用事を済ませたあとは何処かの山に登りたいと、両神山、武甲山、浅間山を選択した。
 11日夜、横浜を出て八王子ICに向うが、土砂降りの雨で車の運転にも神経を使う始末、明日は本当に晴れるのだろうかと不安を感じた。八王子JCから首都圏中央連絡道に入り走行すると、あきる野市あたりから雨はやんでくれ、やっと心にも余裕が持てた。
入間ICを降り、ナビに導かれ国道299に入り、道の駅があればそこで車中泊すると決め、ひたすら秩父に向かい走り続けたがこんな時に限って見当たらない。コンビ二で聞くとあと20km位走ると在ると言う、勇気100倍狭い夜道もなんのその、23時少し前に道の駅“あしがくぼ果樹公園”に着くことができた。
■武甲山
 12日、“あしがくぼ果樹公園”の環境は最適でゆっくり休めたが、今日は少し無理をして武甲山、両神山、の二座に登る。眠い身体に鞭打って、朝食を済ませ、武甲山登山口に向った。  菱光石灰工業の工場が建ち並び目を奪われ驚いていると、次第に道幅が狭くなり一ノ鳥居が目に入いった。標識には武甲山の矢印があり、右折して未舗装を直進すると橋があり、手前が駐車場になっていた。
 準備を整え、「これより登山道」と書かれた案内板を横目に6:40橋を渡った。ひと気は無いが3軒ほど家が在り、古ぼけた石柱には三丁目と彫られていた。こんな不便な地が住宅用に売地になっているのがおもしろい。左に沢を見ながら行くと林道終点と合流し、足場の良いセメントが敷かれた登山道に変わり、7:00最終登山口に着いた。
 此処からが登山道らしくなり、不動滝を眺めながら登ると植林された単調な杉林のジグザグ道が切られていた。杉林は良く手入れされ下草など刈られ幹は細いもの、空に向ってまっすぐに延びて美しかった。丁目石がそこかしこに建つ表参道、昔からどれだけの人々が信仰の山として登ったのだろうかと静寂の森に問いかけてみた。
   
  植林の杉林を行く          頂上にある御嶽神社

 7:40大杉の広場に出ると、樹齢400年くらいの大杉がシンボル的に残されたのだろう、強さと愛しさを感じ、静かに手を触れ大杉のパワーをもらった。
 まだまだ続くジグザグ道を根気よく登ると植林の杉林は自然の広葉樹の林になった。すぐに十字路の出合に着き、大きな鳥居があり御岳神社が見えた。石段を登ると五十二丁目の石柱になっていた。柏手を打ち参拝を済ませ、境内の後ろに周り石段を登ると金柵にぶつかり、左の岩を登ると8:25展望台に着いた。
   
  武甲山頂上

 金柵の中は高くなっていて、その頂上に武甲山の山名石が建っていた。眼下には秩父市が俯瞰出来、この山が人々の幸せを見守り、自らの身を削って人々の生活を支えたのかと思えば、童話の「王子とつばめ」を思い出し悲しくなった。遠望すると赤城山や武尊岳山魂が見え穏やかな風景だった。だた気になったのが明日登ろうとしている浅間山だ。山は真っ白に輝き、かなり下から積雪があるように思えた。アイゼンはもっていないし、明日のことを考えると一抹の不安がよぎった。左側にこれから登る両神山が見え、手招きをしている。頂上からの展望を見納め、8:35下山することにした。
 平日だから私達だけかと思っていたが、下山途中に10人くらいの登山者にお会いした。植林された視界のない山道を下り、9:35駐車場に戻った。
   
  頂上からの秩父市          武甲山全景

■両神山
 横瀬から国道299を走り秩父市内を入ると、平日も手伝ってトラックや営業車も多く、やたらに信号もあり思うように車が走れない。この時期、日没も早いのでやきもきした。それでも県道279に入ると順調に走行でき、日向大谷には10:55には着くことが出来た。
 第一駐車場には車が4台と上の有料駐車場にも3台くらい車がいた。急いで準備を整え11:00両神山荘近道の階段を登り始めた。
 両神山荘の前を通り指標にしたがっていくと小さな鳥居が立ちその横にはお堂が建っていた。安全登山を祈願してお堂の前を通過し先を急いだ。水平歩道のような登山道が続き、30分間で会所に着き、清滝小屋ルートを取り左に下った。
 すぐに渡渉して渓谷美を堪能しながら2回ほど渡り返す。所々に古びた石仏や○○童子と彫られた石柱が建ち、この山も信仰の山で、古から人々の心の支えになってきたのだろうと歴史も感じられた。
   
  薄川の渓谷美でいやされる          いたるところに石仏が安置してあった  

 沢を離れ登山道は急登となる。ここで軽くお腹を満たし先に備えた。八海山を過ぎたあたりで下山者に会い始めて人に出会った。挨拶を交わし、なおも登ると弘法の井戸に着き、まろやかな水で喉を潤した。
   
  清流を縫う          弘法の井戸 

 もうそろそろ清滝小屋のはずと見上げると予想以上の立派な建物が目に飛び込んできた。まるでペーションのような造りに驚き、足早に12:50清滝小屋に着いた。もう営業は終っていて静寂の中の佇まいはそっけなく温かさは感じなかった。ベンチに座り甘いパンを食べ身体を暖め憩いだ。
   
  清滝小屋          ライオンの横顔みたいな横岩 

 しかしまだ標高差もたっぷりあるのでゆっくりも出来なく、建物の間を通り石仏に見送られ登りだした。鈴が坂を登り産体尾根に着くと両神山の剣ヶ峰が望め、かなりまだ距離が有るように思えた。
 鎖場を登り、横岩を通過すると多くの登山者が下山されて来た。また単独の中高年男性が登っている。皆さん結構遅い時間から登っているようで、私達だけがかけ離れて遅い時間からの出発ではないと思うと力も湧いた。
   
  両神神社奥の院          頂上直下の鎖場  

 両神神社奥の院に着くと、頂上まで600mと標識があり、「たしかここから一旦下るはず」と思うと余裕も無く、急いで剣が峰に向った。尾根道とトラバース道に分かれ、今はトラバース道が主流道になっている。単独の男性は尾根道を行かれ、私達は指示通りトラバース道に下った。見上げれば岩峰がまだまだ高い、懸命に登り尾根道と合流した。ここで男性を追い越し頂上直下の鎖を登ると14:05剣が峰頂上に着いた。
    
 剣ヶ峰頂上  

 ほどなく男性も着かれ三人の頂上となった。360度の展望だが頂上は狭い、一番高い岩に登り写真を撮ってもらい、頂上に立てた喜びを噛締めた。岩陰に座り風除けにして身体を休め上着を着込んだ。方位板を見ると富士山と書いてありその方向を確認したが、残念ながら山姿を見ることは出来なかった。だた先ほど登った武甲山が無残にも身体を削がれテラスのようになっている姿からすぐに確認出来た。頂上は非常に寒く、風がなお一層体感温度を下げた。一通り景色を眺め14:15下山開始することにして三人で頂上を後にした。
 男性は埼玉の方でもう何回も両神山に登っておられ、今回は八丁峠から登ろうとしたが林道が通行止で、しかたなく日向大谷から10:30から登ったのだと教えて下さった。また旧道や多彩な登山口の情報など教えて頂いたが、勉強不足な私達にはよく理解出来なかった。
 清滝小屋で休憩を取り、弘法の井戸でもう一度美味しい水を飲み、降っているとTが足を攣り動けなくなった。少し休み手当をして、Tのペースで先頭を歩いてもらうと、通常に戻り、ほっとした。
 会所に着き、この分では明るい内に着けると確信し、軽いアップダウンをこなし、16:25駐車場にもどった。
 両神山は渓谷美も良いし、原生林の中を歩く楽しさもある。全てが広葉樹に感じる明るさで、登り甲斐のあるいい山だった。近距離にあれば八丁峠からのスリルも楽しみたいところだが、富山からは不便な地域だった。
   
  小鹿野あたりからの両神山(走行中に撮影)

 今日は予定通り二座の頂上に立てた。標高差では1850m登ったことになる。おおきな満足を身体に感じ、下山後は両神村、道の駅薬師の湯で疲れを取りゆっくり温まった。
 待ち合わせ場所の休憩所でTを待っていると、痛々しそうに足を引きずって帰ってきた。「どうしたの?」と聞くと「攣った足が痛い」と言う、この調子では浅間山は登れない。積雪や気象条件を考えると急にいやになり、あっさりと諦めることにした。
 駐車場に戻るとまだ18時だと言うのに道の駅は照明も消され、夜のとばりに包まれ真っ暗闇、「両神村は6時から真夜中だね」と少々呆れてしまった。小鹿野町まで夕食を食べに行き、朝食の買出しを済ませ、また道の駅薬師の湯まで戻り、今夜はここで車中泊とした。
  ■2007.11.13(火)
   今日の予定は国道299を走り(上野村から十石峠まではかなり狭い悪路らしいと昨夕ラーメン屋の主人に聞いた)、紅葉狩りをしながらのドライブ、そしてかねてより行きたかった鹿教温泉に入湯すること。時間もたっぷりあり、子供達の通学を見送ってからゆっくり出発した。
 国道299に出ると重厚な両神山が見える。志賀坂峠に向かう途中、はぁと驚く岩壁の峰の二子山が見える。トンネルを貫け群馬に入ると山にはカラマツが黄色く染まる。日航機墜落の地、御巣高山のある上野村、車窓には見飽きぬ風景が次々に流れていった。いよいよ車一台がやっとと言う極狭道路に差し掛かった。緊張が二人の言葉を無くした。これで対向車がくれば何処に逃げる?ひたすら対向車が来ないことを祈った。幸い、一台の対向車にも遭遇しなかった。峠に着くと上野村に抜ける道路が案内されていて、そちらを利用しているようだ。道幅が広くなった道路を少し走行すると十石峠だった。
 展望台に上り、両神山をはじめ山々の風景を眺めたが、ブルブルと身体が震え余りの寒さに長居は出来なかった。やっぱり浅間山に行かなくてほんとうに良かったと心から思った。 長野県側の道路は整備され、佐久、立科、と直走り、11時鹿教温泉に着いた。共同浴場文殊の湯(300−)の単純泉に浸かり、身体の芯から温まりリラックスした。次回は別所温泉に行こうと温泉巡りの楽しさを膨らませ、松本に向った。
   
  十石峠             鹿教温泉

 波田ではりんご農園に立ち寄り大きな新鮮なリンゴを買い、鳥に突付かれ商品にならないリンゴを一杯もらった。松本は青空なのに上高地に近づくにつれ路肩に雪がある。安房トンネルに入ると「出口アメ」と表示されていた。「うそ!」半信半疑トンネルを出ると、どんより灰色の雲が低く立ち込め、あたりは一面雪が積もっていた。トンネル一つでこうも違うものかと驚かされた。それでも私達が青空を連れてきたのか、道の駅奥飛騨温泉ではお天気が快復し青空に真っ白な焼岳が美しく輝き、爽やかさが戻った。
 浅間山には登れなかったが、それにも増して素晴らしい風景、楽しい人との出会い、小さな冒険と充実した思い出深い日になった。
 
野谷荘司山(1798m)  三方岩岳(1735m)
  2007.10.28(日)快晴 
 K氏リーダーの会山行に飛び入り参加させて頂いた。コースは大窪からの鶴平新道を登り、野谷荘司、三方岩岳を巡り、白山スーパー林道馬飼料金所に降る周回ルートだ。
 自宅を5:30に出て、高岡インターの駐車場をちらりと見ると集合場所にも関らず、車が2台いるだけで閑散としている。「参加者が集まらず中止になったのか?」なんとも寂しく「今日は二人だけみたいだね」と高速道を走り白川郷へと向った。長いトンネルを抜け五箇山に入ると濃霧で灰色の世界、益々心は落ち込んで暗くなった。
 白川ICを下り、道の駅に着くと霧は消えたが依然景色は霧中、白山スーパー林道に向かい、トヨタ学校を左折すると、下山口に回送する為かK氏の他3台の車とすれ違った。やっぱり山行は決行されたのだと山友に会える喜びでうれしくなった。
 帰りの車回収を考慮して手前の駐車場に車を止めると、陽が射し、山々の紅葉が輝いて美しい。樹木の奥から小さくにぎやかな声が重なり聞こえ、多数の参加者であることが判った。  準備を整え、登山口に行くとAraさんとAoさんが向かい入れて下さり、懐かしい山友に逢えた喜びで胸は膨らんだ。「参加者が多くなり集合場所が変更になった」と教えてもらい、「どうりで」と納得した。
 6:40登山具口にある鶴平さんのお墓に参り、メンバーの列中に入れてもらい一緒に登り始める。きのこや山話のやり取りを聞きながら、快調に登り進め1時間弱で初めての休憩を取った。ここで皆さんと別れ一足先に先行させてもらうことにした。
   
  会山行の山仲間と            紅葉の真っ盛り

 鶴平新道は歩き易く、紅葉の木々が目を楽しませてくれる。04.9/4に妙法山に登った時に「かっこ良い」と感激して見上げた赤頭山は2回目では感激も薄れ、ただのピークにしか見えないのが悲しい。
 8:40見晴らしの利く赤頭山に着き休憩をとる。山を覆う一面の紅葉を眺望するとお山の大将になったようで爽快そのものだった。稜線に向け登山道が一直線に延びている。「さあ、あと一登り」と歩を進め、振り向くと白嶺の北アルプスが一列に雲上に浮かび、神々しい屏風絵のようでうっとり眺めた。
 9:05三方岩分岐に着き左折し野谷荘司に向う。登山道に単独の男性が登っているのが見え、先行者がいることに驚き、後を追った。
    
  野谷荘司山頂上            野谷荘司山に向う山仲間

 9:15野谷荘司頂上に着いた。男性は岐阜の方で鶴平新道を登り、妙法山をピストンするのだそうだ。三人で山座同定をしながら山々を眺め寛いだ。9:30挨拶を交わし、背を向け反対方向に進路をとり頂上を後にした。
 これから行くルートは初めて歩くので楽しみだ。三方岩岳を馬飼に下るに至ってはガイドに「荒れていて通行不能」と書かれ甚だ不安も感じるが興味も大きかった。下り途中会員グループに会い、K氏に的確なアドバイスを貰い、分岐へと戻った。
 三方岩岳への稜線を辿るとスーパー林道からの初登山者に会い「もう野谷荘司に行って来られたのですか?」といぶかしがられ、その後も登山者に会いうたびに同じ質問を受けた。馬飼荘司山を過ぎるとひっきりなしに登山者とすれ違うようになり、三方岩岳から野谷荘司へのピストンが定番のようになっているらしく、こんな人気コースとは知らず、中高年女性2組が奈良から来たと言われたのには驚いた。
 目前には特異な三方岩岳が山上の要塞のようにそそり立っている。まだ山歩きなどしていないころ、子供を連れスーパー林道から三方岩岳に登った時、名の由来など知りもしなかったが、この稜線からは岩壁から成る山容が良く見えた。
   
  稜線からの三方岩岳            三方岩岳頂上

 三方岩岳を登りに入り飛騨岩の山頂に立った。此処が最高峰なのだが狭く登山道があるだけとなっていた。ぬかるんだ道を大きく降り、加賀岩の三方岩岳に向った。途中に馬飼に降る登山道が見え、下山路の確認をした。しかし標識もなく丸太が横たわり通行止めの意を表していた。
 10:35三方岩岳に着くと、頂上は人で溢れかえり、とても憩える状態ではない。笈ヶ岳や大笠山の見える静かな場所を確保し腰を下した。地図を出し下山路を読むとやっぱり先ほどの道だと解かり、安心してランチタイムにした。行楽日和のニースの取材か、ヘリコブターが山頂の上空を旋回し、頂上の人々が手をふる平和な光景が展開していた。ひとしきり眺望を楽しみ11:10下山開始とした。
 少し戻って鞍部から左の下山路に入いり、飛騨岩の下を巻き尾根上にたった。少し降ると御夫婦が登って来られ、登山道の様子を聞くと問題はないようだ。見上げれば三方岩が紅葉に彩られ息を飲む美しさ「ビューティフル」「ワンダフル」「ブラボー」と賞賛できる絶景だった。
   
  紅葉の三方岩岳            パノラマコースと呼びたい展望が開ける

 少し登り返しをして、下りに入ると眼下には白川郷が箱庭のように見え、目線には北アルプスが遠望出来き、素晴らしい大パノラマコースになっていた。次第にブナ林に変わり大木の多さに驚きそんの美しさにはっとさせられ心が潤う。思いっきり黄色の世界の住人になり身体一杯までも秋色に染まった。白川郷展望台に出て再び登山道を降りジグザグに降ると沢音が聞こえ、白谷左岸に降立ち、しばらく左岸を歩くと13:05スーパー林道馬飼料金所駐車場に着いた。
  
  秋色に包まれて            美しいブナ林を降る

 ドラム缶を利用した水槽に、ホースからほとばしるように水が出ている。あり難く使用させて頂き、汗ばんだ顔を洗いすっきりさせて、大窪に向って車道を歩いた。この日の白山スーパー林道は大渋滞でいつになったら入道できるのか判らないほどの混雑さで、車列が延々続き、他人事ながらお気の毒な気がした。
 13:20大窪の車デポ地に付くと青空に三方岩岳が高々と聳え存在を誇示して、見送ってくれているように思えた。
 三方岩から馬飼への登山道は、途中倒木などはあったが、しっかり付いていて充分通行できるものだった。それにしても素晴らしい鮮やかな色彩の紅葉と黄葉にどっぷり浸かった、秋に埋もれた一日だった。これもK氏の山行計画があったればこそ、感謝したい。
   
  スーパー林道馬飼料金所            本日も売り切れ

 あと一つ楽しみがあった。何回訪れても店が締まっている蕎麦屋“やまこし”で蕎麦を食べること。今回こそは時間も早いし大丈夫だろうと駆けつけたが、またもや「本日は売り切れました」の看板にがっかりと溜息がでた。しかたなく時間も早いので一般道を走り、五箇山荘で疲れと汗を流し、ゆっくりと帰路についた。

■2007山行記録■