2008.8.2(土)晴れ一時霧
お盆に行く北海道山行に備えて、トレーニングを兼ね白山の黒ユリを見に行ってきた。
白水ダム駐車場に着くと登山口の駐車場は満車で、岐阜側からも夏山本番となればこんなに盛況なのかと驚かされた。
準備を終え6:20登りだす。木蔭は涼しいとおもいきや急階段を登れば朝の爽やかさもなく汗が噴き出てポタポタと落ちる。汗をぬぐいながらペースを守り、歩を進めるとブナ林となり、急登すると背の眼下に白水湖がエメラルドグリンーに輝いて魅了された。
大倉山手前の稜線に出ると前方に頂上付近が望め、厚い白雲が大きく拡大して頂上を包んでいるのが見え、気落ちし失望した。
頂上からの展望は期待できないだろう 花々と白水湖
8:05大倉避難小屋に着き初めての休憩をとる。入口には携帯トイレ用のポリバケツが置かれ、近い将来には携帯トイレ持参の時代がくるのかと山の義務などについて考えさせられ、小屋を後にした。
大倉避難小屋を過ぎると、多くの花々が斜面に咲き誇り目を楽しませてくれた。こんなにも多くの花々が一斉に咲くのを見るのは初めてだった。今回で7回目の白山だが、盛夏の訪れははじめてのようだ。キンポウゲ、シモツケソウ、ハクサンフウロ、オタカラコウ、イブキトラノウ、ヤマハハコ、マツムシソウ多彩な花に見とれながら、登山道の岩の割れ目にもオトギリソウが可憐に咲く。目に飛び込むすべてが花花花で心も躍った。きつい登りも花々に助けられ賽の河原まで来た。ハイマツをかき分け登山道を行くとハクサンコザクラやクロユリが一面に広がり期待以上のお花畑に高揚してカメラを花々に向け悦にひたる、さすが花の白山、素晴らしいの一言だった。
色とりどりの花々が斜面を覆う
白山のハクサンコザクラは他の山より大きいように思った 室堂に集う登山者
快調に飛ばして先に着いて居るであろうTの待つ室堂に9:35着いた。乳白色の霧に包まれた広場では色とりどりの服装をした大勢の登山者が憩い賑わいを見せている。目を凝らすと手を上げ合図してくれた。ベンチに座って上着を着て給養をとった。
霧が晴れ御前峰も見えてきた 短い夏を惜しむように懸命に開花させる花々
頂上の風景
霧が流れ頂上が気まぐれに顔を見せる。ひょっとして晴れるかもと思うと早く頂上に立ちたい気持ちが膨らみ腰を上げた。
室堂一帯にはコバイケソウが多く見られ、石段を登るとハクサンフウロやクルマユリなど色彩が豊かになった。Tはなおも快速でもう姿は見えない。霧の中で足元に咲く花がイワギキョウからイワツメクサに変わり、ゆっくり敷石を登りつめると10:25御前峰に着いた。
Tがいつものところに腰を下ろし待っていた。頂上は寒く、上着を重ね着してゆっくり憩う。ガスが急速に駆け、池が見え隠れする。頂上の登山者が歓声を上げカメラを向ける。平和な光景だった。私達夫婦の原点の山、最初に出会った感動を呼び起こし時空を駆けた。
11:10下山開始、相変わらず霧にまかれながら11:30室堂に戻った。白山奥社でお守りを買い、平瀬に向かい登山道を歩きだした。来るとき気がつかなかったと言うTにクロユリの群落を教えながら歩いていると、クラブのAさんが単独で登って来られた。懐かしくご挨拶してお見送りしたが、私より10歳年上。今日はトレーニングだろうか、その行動力と壮健さに頭が下がった。
室堂では霧が立ち込める 肌に刺す日差しに耐え懸命に降る
賽ノ河原を過ぎ降ると下界はカンカン照りで白水湖が輝いている。暑さに耐えながら、こんなにも登ったのかと感心しながら14:10駐車場に戻った。
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大日岳(2501m)
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2008.7.20(日)曇り一時雨
折角の連休だったが条件が整わず、標高差を重視して近場の大日岳に登ってきた。
家を5:10に出発して、車を走行するとフロントガラスに小雨が落ち、道路は濡れている。それでも希望を捨てず、富山市を過ぎ立山に向かうと道路は乾き曇りながらも天気は安定していた。
称名ノ滝駐車場に着き準備を整え、6:45歩きだした。15分間で登山口に着き山道に入いる。
後から追い付いた単独男性と話をしながら登ると気も紛れ、7:40猿が馬場に着いた。此処で小休を入れていると、ポタリと雨粒が顔にかかった。いやな予感を感じつつ登り進めると、雨は本降りになり「とほほ!!」力なく木の葉の下で雨宿りする。Tが「帰ろう」という。「こんな早い時間だと温泉も開いていないよ」と反対して、傘をさして大日平山荘までは行ってみようと合意した。
雨に降られ登高意欲が低下 きょうはここまで(大日平山荘)としますか!
牛ノ首を経て大日平の長い木道を行くと雨は益々大降りになり、頂上へ向かう気持ちは完全に無くなっていた。
8:45大日平山荘に着くと山荘の土間で6〜7人の人が雨宿りしながら待機されている。その中に見覚えのある顔が、「お久しぶり」クラブメンバーのA氏だった。A氏も諦めムードで、すでに缶ビールを飲んでおられる。近況など話し込んでいると、外では雨がやんでガスが上がり、下界が明るく見渡せるまでになった。「頂上に行こうよ」とTを促し、山荘を出ると、「私、雨女なの?」また雨が降り出した。小屋に戻りリュックを下ろし、Tはお酒を飲みだした。「もう今日はここまで」。受け入れ難い気持ちを抑えつつ、空の様子をうかがった。雨はやみ、A氏が準備を整え頂上に向かわれる。Tもようやくその気になって、雨具を着て9:15大日平山荘を後にした。
雨が上がりしっとりした大日平 この時期キヌガサソウが多くみられた
ガスに覆われた登山道は、景色は期待できなかったが、いつもは日陰がなく暑くて仕方がない登りも涼しく、体力の消耗もない。キヌガサソウが群生して簡素な白い花を咲かせ、清楚な大輪が清々しく心に響き心地よくペースを守りながら歩を進め、11:10分岐コルに着いた。
コルから大日岳まではギッシリ残雪があり、雪面を踏みしめながら11:30頂上に立った。
同じ日の頂上とは到底思えない
ガスの中の頂上は寂しいものだったが、諦めず登頂できたことが素直にうれしかった。風を避けるため低いハイマツを背に腰を下ろし、ランチを食べていると男性1人と女性2人も着かれ、頂上が賑やかになった。「後を見て!」ガスが切れ富山湾が見え始め、突如早月尾根が現れ予告のない白いスクリーンの幕が上がった。ついに青空と黒い剱岳が浮かび上がり、奇跡のような映像が繰り広げられた。喜びと興奮の渦に5人はカメラを片手に「すごい」「綺麗」「カッコいい」と歓声を上げ、シャッターを切り続けた。女性が「カメラに感動を押し込める」と言っていたのが印象的だった。猫又、釜谷、後を振り返れば薬師と七曲りのバス道が見え、奥大日の稜線も見え始め、最高のプレゼントに心は空高く羽ばたいていた。かれこれ20分間弱の出来事だった。またまた白いスクリーンが下り、山には静けさが戻った。
剱岳が刻々と姿を現す
薬師岳と七曲り 奥大日岳と剱岳
12:20素晴らしかった感動を胸に刻み、豊かな気持ちで下山開始とした。「偶然だった」とTが言う、いや「奇跡だよ」と喜びをかみしめながら登山道を降ると、後からA氏が降って来られた。他のグループと違った沢に入り込んでしまったそうで時間がかかったようだ。それにしてもお見事、なんたる精神力と感服した。
あれは幻だったのか?もうすっぽりとガスに包まれた 下山時には大日平と山荘が俯瞰できた
13:55大日平山荘に着き、3人で休憩し、あと半分の行程をひたすら降り、15:25登山口に着いた。称名ノ滝歩道はまるで歩行者天国のような賑わいで驚いたが、今にも雨が落ちてきそうな空模様に傘も持たないお年寄り子供を案じながら歩き降り15:35マイカーに戻った。と同時に雨が降り出した。
穏やかにワタスゲが咲く 木道を終え牛の首に降ると幻想的な霧が支配した
今日の山行は天気が目まぐるしく変わり戸惑ったが、頂上での奇跡とでも言える素晴らしい情景は一生忘れることはないだろう。感動的な自然の営みは水と光のぶつかり合い、その美しさはダイヤモンドより何百倍も輝き、心震える瞬間だった。
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大猫山(2070m)
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2008.7.13(日)晴れのち曇り
昨年大猫山から猫又山まで登山道が開かれた。藪を漕ぎつつ01.7.29に大猫から猫又山に登った時、ハクサンコザクラやコバイケソウが人の目に触れることも無く懸命に花を咲かせ、数知れぬ群生に感激し鮮明に脳裏に焼きついた。今回は登山道を辿り是非あの花々に再会したいと出かけた。
家を4:00に出発して、馬場島の登山口に5:35に着くと車1台の駐車が見られ、同時に1台の車も到着した。同着の単独男性に「どこまで?」と聞くと「大猫山ピストン」と返事が返った。私達は大猫から猫又山回帰と告げると「昨々日の大雨で戸倉沢の徒渉は難しいのでは?」と思わぬアドバイスが返ってきた。少しの不安を感じつつ準備を済ませ5:45登り始めた。
剱岳の威容 急斜を登る
しばらく登ると40代の足早の男性が長靴で勇ましく登って来られ「速いですね。どこまで?」と聞くと「大猫から猫又山」と返答され、なんとなく仲間が出来たような安心感からパワーも湧いた。今日の剱岳は大きく荒々しい素晴らしい姿を見せて気分を高揚させ、意気揚々と急斜面を登り続けた。
8:30大猫平に着くとかなりの残雪があり地塘が雪の下に埋まっている。これでは楽しみにしていた花々の再会は無理のようだ。雪面を回り込み大猫山の登りに入いるとストックの先端がスッポリ抜け落ち無いことに気がついた。先行のTはもう姿も見えず、探しに戻ろうにも知らせることも出来ずどっと疲れ、諦めて暗い気持ちで登り続けた。
頂上手前の雪上でTが待っていて、事情を話すと探しに行くと言う。(明星山で紛失し、部品が7〜8千円した)見つかれば良いがもし無かったら時間と体力の無駄になる。「後から登って来る人に落ちていたか聞きこう。」と二人猫又山登頂を半分諦め9:20大猫山に着いた。
いつ見ても良い眺め 大猫平の残雪
男性が一人静かに休憩されていて、軽く会釈をすると「関本さんでは」と声を掛けて下さった。H.Pを見て下さっているそうで南砺のN氏だった。しばらく小休していると駐車場でお話を交わした男性がストックの先端を持って「落ちていました」と登って来られた。「わぁ〜うれしい」と感謝の気持ちで握手させて頂き、心から喜んだ。これで猫又山に行けるとリュックを担ぎ、N氏に別れを告げ先を急いだ。
大猫平を俯瞰 Na氏と大猫山で
いつも山道整備のテントが張られている場所に来ると先ほどストックを拾って下さった男性が休憩されていて、「猫又山までは厳しいですよ」と声を掛けられた。「登山道は尾根通しですか?」と聞くと「草付きのトラバースもあり、アイゼンピッケルが必要だろう」と言われた。半信半疑だったが、たしか01年に行った時、急傾斜のトラバースをコバイケソウに掴まって進んだことを思い出し、フーと熱意が冷めた。「偵察に、行ける所まで行ってきます」と別れ、稜線の雪上を歩くとなんだか無意味に思え「山は逃げない」と思い直し引き返すことにした。
Ta氏と記念写真 中途半端の幕切れになった猫又山
男性の休憩場に戻り、横に座らせてもらった。男性は赤谷100回登頂の小杉のTa氏だった。今は熊の写真を撮るため熊との遭遇に熱意を燃やされ、「熊と剱岳を追いかけています」とにこやかに話され、山談義などして楽しんだ。いつしか剱岳もほぼ雲に隠れ、冴えない風景に変貌していった。話は尽きないが切りがない。11:00下山することにした。
なんとなく満たされない中途半端な幕引き、花も無い、景色も無い、力も出し切っていない、ないないづくしの物足りなさにいつも感じる清涼感はなかった。急斜の登山道をひたすら降り、「大猫、僧ヶ岳東又、大地山のどれが一番きつい下りだろう」と話しながら13:25登山口に着いた。
まだまだこんな早い時間、早朝3時起きの気合いは不発に終わった。下山後、湯神子温泉(500−)で汗と疲れを取り、城山の湧水と大岩山に立ち寄り、まだまだ暑い気温をよそに、快適温度の車中に癒されながら帰宅の途に着いた。
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鋸岳(1631m)
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2008.7.5(土)晴れのち曇り
Tのアユ釣り解禁や雑事などで山には行けなかったが、ここらで身体を動かしておかなければ体力が落ちると心配になり、以前より気になっていた鋸岳に登ってきた。
家を6:30に出発して、一部高速を利用して登山口のある雨飾温泉に着いたのが8:50だった。駐車場には6台ほどの車が停まっていたが、こんな遅い時間では人影もなく静けさに包まれていた。身支度を整え鋸山登山口の案内板に導かれ9:05河原横の奥にある駐車場に向け歩きだした。
登山口の仮設橋 雨飾温泉を見下ろす
対岸に徒渉するはずだったが、鉄パイプの仮設橋が設置されていて、労せず護岸ブロック上に立つことが出来た。踏まれた草むらの小道を登ると展望が開け、眼下に雨飾温泉や駐車場が見え、ぎらぎらと太陽が降り注いでいる。鋸岳登山口の案内柱が立っていてブナの林が広がり、さわやかな緑の渦に心身とも癒されながら快く歩を進めた。
気持のよいブナ林 鋸岳(手前)と鬼ヶ面山(奥)
ブナ林を過ぎると巻き道となり、異常な暑さに汗が噴き出た。次第に足場が悪くなりゴロ石を選びながら進むと、左に鋸岳と鬼ヶ面山が並んで見え登高意欲がわいて来た。第一徒渉の沢に出て、林に入ると足場もよくなり歩き易くなったが、第二徒渉の沢手前の斜面が崩れ落ち一枚岩が露岩して滑りやすくなっていた。緊張しながらも枝に掴まり慎重に通過し、沢水で顔を洗って一息ついた。今日の暑さは異常で、Tが頭に巻いたタオルを絞ると汗水がポトポト落ち驚いてしまう。目に汗が入り痛いがマイペースを守り登るとやがて急登となり10:35稜線分岐に着いた。
ここから雨飾山3時間、鋸岳90分と道標があり、広場になっていた。腰を下ろし、休憩を取る。涼しくなるのは嬉しいが、ガスが湧きだし鋸山を隠し始め、がっかりして気持ちが萎んでしまった。
第一徒渉の沢 第二徒渉の沢、手前が崩落して足場が悪い
頂上に着くまでガスが晴れるように期待しつつ腰を上げ、稜線を軽く降る。一度休むと疲れが出て急に足が重くなった。登山道にはギンリョウソウがそこかしこに群生し半透明の白い神秘な花を咲かせ、それを見つつそのうち着くだろうと黙々と登り続けた。
森林限界を過ぎると目の前に鋸岳の岩峰が霧に滲み、ナデシコ、アサツキなど色とりどりの高山植物が咲き、気分を盛り上げてくれた。ロープや鎖に助けられ登り終えると分岐に着き、右に少し行くと11:40鋸岳頂上に着いた。
頂上にガスがかかり始める 眼下に雨飾温泉が小さく見える
頂上付近はお花畑 視界なしの頂上で
見たこともない大群の虫が飛び交い、居られたものではない。視界も無く虫密度大に嫌気がさし、下って憩えるところで休憩をとることにした。
100m程下って、12:00リュックを下す。汗の匂いで虫が集まり、防虫スプレーをかけ防御したが、高度計の黒ベルトに吸血蚊が集まり一瞬に刺され痛くて仕方がなかった。
霧は気ままに大気に乗りゆったりと遊ぶ。寂々とした深い山中には二人のほか息づかいを感じるものは何もない。おにぎりを食べ、冷たい水をガブ飲みして喉を潤し、ささやかな解放感に浸ったが、どこか寛げなかった。
12:35下山開始とした。分岐で一休みして雨飾温泉に降る。途中でヨシナを取り、お土産にした。今日の一番の難所、斜面が崩れ落ちた一枚岩を慎重に通過し、幾度かのアップダウンをこなし、めまいがしそうなほどの気温に耐え14:30雨飾温泉駐車場に戻った。
ウツボグサ ミヤママンネングサ ニガクサ
グンナイフウロ ヒメウツギ ギンリョウソウ
今回の鋸岳はお天気に恵まれずあまり強い印象は残らなかった。貸し切りの静寂の山だったが、登山道はきっちり付けられ、高山植物も多く、プチスリルも味わえる、季節を選べば登りがいのある良い山だと思った。
吹きあがる汗を流すのはもちろん雨飾温泉(500−)。小さい湯船に浸かるとお湯がザブンーとあふれ、ゴボゴボと音を立てて排水管に流れていく。源泉かけ流しに満足しながら「ああ贅沢、贅沢、幸せ、幸せ」と心身とも癒され若返った。
■2008山行記録■
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