2009.5.3(日)曇りのち晴れ
七面山は今回の山行で一番の標高差があり、早朝出発を心掛け道の駅を出た。
去年の9/22北岳から農鳥岳の縦走で奈良田温泉に入ったが、まさか半年で2回もこの南アルプス街道を利用するとは思ってもみないことだった。角瀬を左折して、羽衣の白糸滝まで直進したが登山口への道は無く、少し引き返し左折すると駐車場があり、もう満車状態になっていた。 かろうじて駐車させてもらい準備に取り掛かると、石川ナンバーの車が止まった。少し立ち話をして、5:50歩きだした。
ひなびた土産屋や宿坊が並ぶ店先を行くと表参道入り口に着き、6:00杉木立を登りはじめる。
七面山は日蓮宗の修行の場、すぐに神力坊についた。年取った老女が一人でゆっくり参道を登って行かれる。これも信仰の力なればこそであろう。頭が下がる。郷に入っては郷に従え、ここは信仰の山だということを肝に命じ参道を登る。
等高線を見れば急な尾根だが、九十九折にきちんと整備され、勾配のきついところには土嚢が敷かれバリアフリーの様相で歩きやすい。歴史を感じる大杉と丁名が彫られた石灯篭と腰かけが等間隔にあり、プラスチックのお賽銭箱なども置かれていた。
参道には石灯篭が立つ 肝心坊
肝心坊に近づくと静かな山中に修行者のお念仏が聞こえ、まるで合唱団の様な響きだ。声がだんだん近づき、よく聞くと「な〜む〜みょ〜う〜ほ〜お〜れ〜ん〜げ〜きょ〜う」と御題目を唱えながら、登っておられるようだ。声が途絶え休憩されたのか、山道を登ると白装束の中高年男女30人ほどが笑顔で「おはようございます、ごくろうさま」と声をかけて下さった。深々と頭を下げ挨拶を交わし先にでる。
またお山は静かになった。しばらく登ると前方から元気のよい声のお題目の掛け合いが聞こえ「南無〜妙〜ほ〜お〜れ〜ん〜げ〜経」と少しテンポが速い。どんな人たちだろうと後を追うと、普段着の若者信者さん25人くらいの団体さんだった。不思議なもので、こちらまで元気が出て、足取りは軽い。
中適坊 小さい子供もがんばって登っている
7:00中適坊につく。この先からはファミリーの信者さん達によくであった。まだ3歳ほどの子がこんな山登り(修行)が出来るのかと驚いてしまう。途中の宿坊で泊まられたのだろう。上部の方からメガホンで力強い澄んだ男性の声が聞こえ「南無〜妙〜法〜蓮〜華〜経」それに応え「南無〜妙〜法〜蓮〜華〜経」と返す、2拍子でテンポが速い。今度はどんな団体さんだろうと胸を弾ませ登ると、老若男女(若い人多し)100人ほどの白装束の人が山を降って来て来られた。みんな礼儀正しく「ご迷惑をおかけします。御苦労さまです」と口ぐちに挨拶を交わされた。昨夜は敬慎院に泊られ朝降って来られたのだろう。やり遂げた安堵感が顔にうかがえはつらつとされている。関心するのは若い男性が2人1組になり木杖の両端をそれぞれ腰位置に持って、足の不自由な人や老人がその真ん中を握り、前に転ばないように補助している姿に、とても思いやりを感じ美しい姿だと思った。
下りのお題目は2拍子で軽快だ 晴雲坊
7:45晴雲坊に着く。此処で休憩して一息つく。豊富な水もあり、山中の茶屋のようだ。此処からまだ敬慎院まで標高差300mはある。また登りに着くと、もう私達は一番先頭に出たのか山には静寂が戻った。曇り空で時折ガスが流れ視界はない。樹林の山道をひたすら登ると突如立派な山門が目に飛び込み、いよいよ敬慎院も近いと喜んだ。広い参道を登ると手水舎と梵鐘が建ち並び、敬慎院の入口に着いた。手を清め富士山を仰ぐ遥拝所に向かう。
和光門 遥拝所の前にある随身門
8:35随身門の前に立った。標高1700mにこんな立派な建物が建っているとは驚かされる。残念ながら富士山は少し肩を見せるだけで雲の中に隠れている。信仰が薄いからだろうかと考え、写真をとりいよいよ七面山に向かった。
遥拝所を過ぎると七面山が見えてくる 登山道から見事な富士山が望める
道標に導かれ歩いて行くと、カラマツと笹に覆われた緩やかな登りになり、やっと登山者の領域になった。信者さんは敬慎院までが目的のようで、頂上には登られないのか登山道には宗教的なものは一切なかった。急斜を登ると、威厳ある富士山が大きく鎮座して息をのむ美しさだ。「なんと綺麗なんだろう」写真を何枚とっても飽きない姿に、登ったご褒美をもらったような気がした。
七面山頂上 頂上は樹木に阻まれ視界がない(笊ヶ岳だけが見える)
登山道はシラビソの林に入り、身延山岳会のロープが張られ「危険入るな」の文字が見える。それに従い登山道を登ると9:20七面山頂上に着いた。
頂上は二人だけ。伐採されて広くなっていたが、木々が邪魔して視界はない。それもまたよしだが、無用に伐採された幹や枯れた枝など見ていると、食欲も出なくなる。それらが見えない方向に座り、パンを食べていると、駐車場でお会いした小松のNi氏とNa氏が到着され、4人になった。山談義など楽しみ、穏やかな時間が過ぎていった。
ナナイタレ カラマツ林を軽快に降る
お二人に頂上を譲り10:00下山開始とする。どうしてもナナイタレを見たく、旧登山道に出てみた。足もとが徐々に崩れ進んでいるようだったが、注意して覗いてみた。ダイナミックな大崩れで、自然の脅威を見せつける。これで七面山に思い残すことはない。登山道に戻り降って行くと幾組かの登山者にお会いした。ちょうど富士山が見える場所に来ると40代の男性が登って来られ「富士山が綺麗ですね」と挨拶すると「昨日富士山に登ってきましたと」驚く返答が聞けた。奈良の方だった。
10:30敬慎院に戻り、建物の見物をした。1700mの山上にこんな平坦な地形があること、山道しかないのにこんな大きな建物を建てた先人の願いや想い、700年の歴史、などただただ驚かされるばかりだった。
敬慎院 敬慎院の反対方向
敬慎院方向 ○千万円の奉納金が目を引く
10:40敬慎院を後にしてしばらく降ると、下方からまたメガホン越しのお題目の大合唱が聞こえ始めた。今度はどんな団体さんだろうと胸がわくわくする。なんと3組に別れ400人の人たちの登詣だった。そのエネルギーに圧倒された。最後の組が晴雲坊に着かれた時、「どこの県から来られたのですか」と赤ちゃんをおぶった若いお母さんに聞くと「全国から集まりました」と教えてくださった。また太鼓を打ちながら登詣する家族や、小団体さんが次から次に登って来られ、信者さんには一生に一度は詣でたい聖地なのだと熱意がよく伝わった。
400人の団体さんが登って来られた 白布につながり懸命に登られる
神力坊に来るともう人には逢わない。二人で、今日の敬慎院の混みようの心配や、御岳や石鎚山など信仰の山に登って来たが、3歳〜70,80歳の年齢と、人の多さ、熱狂さなど、どの山にも負けないなどと感想を話しながら、12:30表参道入り口に戻った。
神力坊 歴史を感じる大杉がみごとだった。
もう訪れることもないだろう、徳川家康の側室お萬の方が、みそぎをされた対岸の白糸の滝を見物して、12:40駐車場に戻った。
表参道の登り口 白糸の滝
まさかこんなに早い時間に降りて来られるとは思わなかった。計画では明日帰高し、ついでに入笠山を登ぼろうと考えていたが、この時間だとゆっくり温泉に入っても21時ごろには家に着く。1日繰り上げて帰ることに決めた。
下山後、下部温泉の下部温泉会館(400−)に入湯し、高速サービスエリアでの夕食の混雑を考慮し、増穂のスーパーでお弁当を買い、増穂ICから高速に乗った。
順調な走行だったが、塩尻〜北塩尻間で事故が発生し、2kmの渋滞と電光掲示板が警告している。塩尻で高速を降りることにした。もちろん料金は1000円
波田に向かう道中、カーラジオから13kmの渋滞と告げている。選択に満足しながら、安房トンネルで750円払い(高速を走ると松本から富山まで150km距離が長い。15km/1Lと考えて1100円、安房トンネルは750円でこちらの方が安い)いつもの栃尾温泉荒神の湯でリフレッシューして、41号線を走り9時30分自宅に帰った。走行距離は1000kmだった。
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櫛形山(2052m)
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2009.5.2(土)晴れ
今日の櫛形山は最短で頂上に至る、池ノ茶屋駐車場から登る。土曜日とあって駐車場が満車になると想定して、朝食は登山口に着いてからと決め、道の駅を出発した。
丸山林道に入る道が分からず迷ってしまったが、なんとか平林に着くと道標があり、未舗道の悪路ながらもそれに導かれ池ノ茶屋駐車場に着いた。意気込んで来たものの予想は大きく外れ、広い駐車場はガランとして私達だけだった。
山小屋風の建物近くに車を停め、ゆっくりお湯を沸かし朝食をとっていると、所沢ナンバーの車が一台停まった。
池ノ茶屋駐車場、休憩小屋と登山口 急登すると白峰三山がすっきり見える
今日のコースは櫛形山、裸山そして唐松岳までのピストンを予定している。準備を整え7:30雑木の自然林を登りだした。すぐに見晴らしの良い尾根筋に出て、見上げるほどの急斜面の登りとなった。ジグザグに切られた登山道で高度を上げると素晴らしい風景がまっていた。白峰三山の銀嶺が青空に映え息をのむ美しさ。「綺麗だね」後を振り向くと遠景に純白の悪沢岳もどっしりとしてまたまた美しく、大きな喜びが五感を揺るがした。
登りきるとダケカンバの巨木が立ち、穏やかな公園のような風景に心が癒され、小鳥たちのさえずりがなお心を清らかにしてくれた。
ダケカンバの巨木 開放感があり公園のような登山道
8:05拍子抜けするほど早く、三角点のある櫛形山頂上に着いた。展望は無く、だたの稜線上の一部と言ったところで、あまり感動はない。「山名板も無いね」さびしく先に歩を進める。
少し下ると木々の間から大きく富士山が見え感動しカメラを向けた。緩やかな登りになるとコメツガやダケカンバやカラマツの巨木がまるで森の精霊のように見えてくる。
「素晴しい森だね」と感激しながら登ると、8:20櫛形山標識のある頂上だった。
三角点のある櫛形山山頂(奥仙重) 山名板のある櫛形山山頂 (標識には2053.5mとある)
やはり此処も展望はない。原生林の中でひっそりとしたたたずまいの風情で、此処が最高標高地のようだ。
踏み跡を降ると平らな広場に出て、祠頭からの登山道と合流した。カラマツの木にはぎっしりサルオガセが付き、興味深い風景だ。時折小規模な残雪が見られる登山道を穏やかに登り下りすると明るい水平な山道になり、前方に黄金のカヤト原と裸山が見えてきて、一登りすると 9:00裸山に着いた。
木々の間から富士山がみえる カラマツにはサルオガセが垂れ下がる
期待した大展望は枝が邪魔して、期待外れだったが雄大な眺めには間違いはない。反対方向には富士山の上部が見え、櫛形山全景も見渡され、ここで暫し休憩を取ることにした。高所から登山道が見えるが、誰一人登ってくる様子は無かった。
裸山頂上 このあたりもアヤメの群生があるようだ(裸山登り口)
裸山を降るとこのあたりにもアヤメの群生があるようで、株を増やすためかいくつもの網が張られた四角い柵が見られ、やっぱり櫛形山はアヤメの時期に来るべきだったかと少々後悔しながら、道標に従いアヤメ平へと降った。
アヤメ平で寛ぐ アヤメの群生が想像できない
9:40アヤメ平に着く。広々とした平原が広がり、気持ちのよいところだ。ベンチに腰かけ優しい太陽に包まれると、唐松岳への意欲は無くなった。「今日はここまで」と腰を落ち付け大休憩にした。この一面にアヤメが咲き乱れると想像することが難しいほど、まだ春の目覚めを知らない様子だった。静かな窪地のような地形の端にはカラマツが林立して小鳥が行きかう。聞こえるのは小鳥のさえずりの大合唱だけ、なんとも幸せな時間だった。それにしても今日は人一人に逢わない貸し切りの山行だ。
カラマツの巨木 素晴らしい巨木が点在していた
1時間過ごし、帰りの途に就こうとしていると北尾根コースから静岡の御夫婦が着かれ、「今日初めて人に会いました」と挨拶を交わし、10:40アヤメ平をあとにした。
裸山を巻き、原生の森をぬけ、往路を辿り11:55池ノ茶屋駐車場に戻った。駐車場には車が3台ほど増えていた。
原生の森では自力の小ささが身にしみる 悪沢岳が美しい
櫛形山はアヤメこそ見られなかったが、巨木の木々に圧倒され深い感銘を受けた。まるで木の精霊が今にでも出てくるかのような深い素晴らしい森だった。
下山後、六郷の郷つむぎの湯(400−)で寛ぎ、スーパーで買いだしして、明日登る七面山の近く、道の駅“富士川ふるさと工芸館”に向かった。
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大岳山(1266.5m)
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2009.5.1(金)晴れ
道の駅“たばやま”は4/1に出来たばかりの新しい道の駅でまた知名度が低い。広い駐車場で夜停車していたのは我が車と明日雲取山にワンちゃんと登る東京の男性だけで、なんとも心細いものだったが丹波村の中心地にあり治安は良く、奥深い山中は静かで快眠できた。
朝食を済ませ、御岳山ケーブルカーの運行時間を考慮してゆっくり出発した。奥多摩湖の公園に立ち寄り景色を眺め、滝本駅有料駐車場(1000−)に着いたのが7:50だった。
奥多摩湖 日付に立つと時間がわかる人時計
始発はもう出そうだがそんなに慌てるほどのことはない。駐車場もまだ閑散としていて、車中でコーヒーを飲み、駅正面のチケット販売機で片道券(570−)を買った。
次のケーブルカー運行時間は8:21、高低差423mを6分間で押し上げてくれ、標高831mの御岳山駅に楽々と着いた。
ケーブルカーで楽々山行 ケーブルカーを下りて参道を行く
大きな案内絵を確認して左折し、8:30まずは御岳神社に向かい歩きだした。整備された小道には濃淡ピンク色のシャクナゲの花がいたる所に咲き誇り、華やいだ雰囲気を醸し出している。木々は新緑の若芽を広げ爽やかで美しかった。先方の小高い山には建物が密集して集落のような景色が見えている。
山上集落が見える 神代ケヤキ
ビジターセンターを過ぎると石段はきつくなり、先ほど見えていた宿坊が軒を並べている。入り組んだ小路を案内板に導かれるまま行くと樹齢1000年ともいわれる神代ケヤキが出迎えてくれた。見上げればその大きさと歴史に荘厳さを感じる。古今どれだけの人々がこのケヤキを見上げ勇気をもらったのだろう。角を曲がると土産屋が並び山門の前に出た。門をくぐり左折して石階段を登り、右折すると武蔵御岳神社に8:50着いた。
参拝して、しばらく境内を散策して霊力をもらい、9:00目指す大岳山に向かう。
山門まえには土産屋さんもある 武蔵御岳神社
少し階段を戻り、案内板に導かれ下ると幾つも山道や幅広い道があって、何処に行けば良いのか迷ってしまった。広い道を少し行くとT字路になり右に行くと鳥居があり、その横に天狗の腰掛杉が立っていた。
天狗の腰掛杉 登山道は新緑の真っ最中
岩石園の分岐コースを選び左折する。水平で幅広い山道はまるでデート道、新緑の葉に陽が透け、小鳥は鳴き、奇怪な巨木が次から次に現れ、五感を楽しませてくれた。
9:40岩石園の分岐に着く。東屋には登山者が休憩している。それを見送り、橋を渡るとジグザグに切られた登山道になり一気に芥場峠にでた。右折して杉林を直進すると鍋割山からのルートと合流して自然林になり、足元には笹などの植生も見られるようになった。
次第に岩場の登山道となり、簡単なハシゴやトラバース用の鎖など施され、誰で安全に登れるようになっている。巻くような水平な登山道を行くと大岳山荘の横に出て大きな鳥居が見えた。階段を登り大岳神社に参拝して、急登すると岩場があり、そこを登ると10:45大岳山頂上だった。
大岳神社 頂上手前はこんな岩場も
広い頂上は富士山や南側の丹沢方面は見えるが、北側は樹林におおわれ視界がない。景色の見える場所を陣取って小休する。今日の富士山も見えるには見えるが春霞ではっきりしない。パンとコーヒーを口に入れ、しばらくは腰を下ろすが、あとすることが無い。次第に登山者が増えて来たので場所を譲ることにして、11:10下山開始とした。
大岳山頂上 奥ノ院頂上
下山時にも多くの登山者が登ってくる。岩場のトラバースでは小学校の5.6年生60人位が登って来て、「お気を付けて」と大人のような挨拶をしてくれ、苦笑してしまった。
下山は奥の院ルートを取った。鍋割山を巻き12:10奥の院ピークに立つ。少し降ると朱塗りの奥の院があり、軽く拝礼し登山道を降った。この山の信仰は古く登山道(奥の院参道)の両側に大木の杉並木が立ち、その一本一本にナンバープレートが打ちつけられていた。今も大切に管理されているのだろう。その大きさと多さに、この山の歴史の凄さと魅力を感じた。
樹齢を重ねた大木の杉並木が見事だ 何人もの子供たちが雨宿りできる大杉
12:35天狗の腰掛杉の大鳥居に着く。林道を歩き、御岳神社をショートカットして宿坊街を通りぬけ、ビジターセンター前から13:00右の舗装道に入り滝本駅に降る。
静かな杉並木を下っていると後ろから賑やかな声が聞こえ、小学5年生70人位が走って降って来た。この傾斜で走るとはちょっと無謀ではないか。標高差423mの急坂だ。先生が「走らない」と注意をしても遅れるとやっぱり走る。制止力が利かなく転ぶ子もいる、足を引きずっている子もいる、後向きで歩く子もいる。子供たちが悲鳴を上げる。若い女先生が「辛いのはみんな同じ」と激を飛ばす。見ていてかわいそうでいい気持ちはしなかったが、今の子供は家に帰れば過保護の感がある。こんな試練を乗り越え、自分に打ち勝ち自信を付けていくのではないかと思い返した。私達夫婦の下りはそう遅くないと思う。しかし子供たちはそれよりも早く降って行った。もちろん先生方もだ。脱帽した。
たくさん温泉水をもらった のめこいの湯に架かる吊り橋、丹波川の流れは透明
13:40滝本駅駐車場に戻る。軽く着替え、丹波山のめこいの湯に向かう。駐車場を出るとすぐあの子供たちが歩いている。学年主任だろうか先頭の先生が道に飛び出て私達の車を止めた。「具合の悪い子がいます。JR御岳駅までこの子を送って下さい」とお願いされた。付添の同行を求めて、二人の子を御岳駅まで送り届けた。付添いの子はしっかりした子で何回も何回もお礼を言ってくれた。あとの子供たちは大丈夫だっただろうか?といつまでも気にかかった。
朝、奥多摩湖の湖畔を走っていて鶴の湯源泉を見つけていた。さっそく車を停め、ありったけの空きペットボトルに詰め土産にした。癖がなく飲みやすい。(Tはその後の櫛形、七面山でこの温泉水を飲んでいた。)
朝まで居た道の駅“たばやま”に戻る。隣接するのめこいの湯(600−)に入湯しさっぱりして、青梅街道をひた走る。勝沼のレストランで夕食を食べ、明日登る櫛形山に一番近い道の駅“とよとみ”に向かった。
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乾徳山(2031m)
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2009.4.30(木)晴れ
今日のスケジュールは時間的にも余裕がありゆっくりと朝食をとり、道の駅“花かげの里”から徳和の登山口へと向かった。
徳和集落の橋を過ぎると次第に道は狭くなり、その奥に鳥居が見え乾徳大権現とわかった。悪路だったが乗り入れてみるとすぐ左側に駐車場があり、車3台が停まっていた。人影はなく寂々として昨日の茅ヶ岳とは大違いだ。
コジュケイの鳴き声と瀬音を聞きながら身支度を済ませ7:15林道を歩きはじめた。後から若い男女2人が元気よく笑顔で追い越して行った。
7:30登山口に着き、植林された暗い登山道に入った。しっかり管理された杉林を見上げながら登り続けると8:00銀晶水に着いた。水量は乏しいが冷たい美味しい水で喉を潤し、ジグザグに切られた新緑の登山道を気長に登った。スラリと延びた赤松の林に出ると青空が美しく、朝の空気も相まって清々しく快い。
林道を離れ登山道に入る ゴロ岩とミズナラの風景に一変
駒止を過ぎるとゴロ岩の登山道となり、まだ芽吹かないミズナラ林の枝にはシジユウカラが恋の歌を歌っている。至近の枝に羽を休ませ、その愛らしさにも心が和んだ。
少し登るとカラマツ林に変わり、地表はミヤコザサに覆われ雰囲気ががらりと一変した。「此処も美しいね」と感心しながら歩を進めると平らになり、水の流れがあり錦晶水に着いた。ここでも喉を潤し、今までの登りがウソのような平坦さにまるで極楽みたいとハシャギ心は浮きたった。前方には乾徳山が見えてきて広場に出たら、8:55分岐の国師ヶ原に着いた。
カラマツ林とミヤコザサの風景に一変 錦晶水
乾徳山が見えてきた、もうすぐ国師ヶ原か 月見岩を目指しカヤトを急登する
小休して扇平に向かう。誰一人会わない寂しい登高だったが、扇平手前で、登山口で会った男女を追い越した。あまり寂しすぎるのも重苦しく心の安らぎは得られない。人の息づかいは嬉しいものだ。黄金色のカヤトの斜面は野焼きされたのか茎だけが少量黒く焦げているのが確認でき、夏に多くの花々を咲かせるようにはからっているように思えた。登山道は道満尾根と合流して、月見岩を眺めながら先を行くと9:30扇平に着いた。
あの岩峰が頂上か 天狗岩を登る
針葉樹の樹林帯になり、急斜を登っていると単独の若者男性が軽やかに追い越していった。関東圏の山は若者登山者が多く、感心させられる。梯子や鎖場が出てきてストックを仕舞い慎重になるがそんなに難しいものではなかった。登りつめ頂上かと思ったら奥に岩場の頂上が見え、先ほどの若者が登っているのが見えた。岩場の下に行くと天狗岩があり、鎖が下がっている。Tが慎重に先に登り、そのあとMも続いた。もし鎖が無かったら登れないだろう、有り難く鎖を頼りに、10:20ゴツゴツした岩場の狭い頂上に立った。
岩場の頂上 頂上で寛ぐ
頂上には先客の単独男性が2人居られ、次々に労いの声を掛けて下さった。祠に拝礼して360度の展望を満喫する。今日の富士山も大きく威厳があるがやはり春霞でうっすらとしている。
山座同定を試みるがよくわからない。金峰や南アルプスはわかるが、大菩薩、茅ヶ岳、両神山は良く分からなかった。頂上の岩に腰かけ、景色を見ながらランチタイム。登り終えた満足で心身とも平安だった。
11:15下山道ルートを選び下山開始とする。黒金山の分岐から急斜面を降るが、踏み跡とピンクリボンが頼り、途中踏み跡に騙され登山道を見失う一幕もあったが、何とか避難小屋にたどり着いた。高原ヒュッテを覗いてみると土間には落ち葉が積り、かなり荒れている。ちょっとがっかりして小屋を後にした。国師ヶ原に戻り、錦晶水と銀晶水で顔を洗い、往路を降り、13:30登山口に戻った。
黒金山方向に向かい下山道を降る 高原ヒュッテ(かなり荒廃している)
乾徳山は変化に富んだ山だった。標高に応じて杉林、赤松林、ミズナラ林、カラマツ林と笹、カヤト原、コメツガやダケカンバと雰囲気ががらりがらりと変わり、目を楽しませてくれる。また美味しい水場やスリルのある鎖場、頂上からの展望など、飽きさせない良い山だった。
13:45駐車場に戻り、登山靴を脱ぎ身軽になり、牧丘温泉花かげの湯(500−)に向かった。温泉で時間調整をして塩山市に向かい、スーパーで買出しを済ませ、明日の大岳山に向かうべく青梅街道を走り、道の駅“たばやま”に向かった。
当初、
恵林寺の拝観を考えていたが、温泉に入ると面倒になり中止した。後日、家で資料を見ていたら、乾徳山とは切っても切れないご縁の深いお寺、お庭も見たかったと悔やまれてならなかった。
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茅ヶ岳(1703.6m)
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2009.4.29(水)晴れ
この連休を利用して4/29〜5/3、山梨とその近隣200名山5座に登って来た。
早朝家を出発して、高速乗り放題千円で小杉ICから韮崎ICまで360kmを走り抜け、ナビに導かれ茅ヶ岳登山口駐車場に着いたのが九時過ぎだった。広い駐車場はもう満車状態、さすが関東圏は人出が違うと驚いてしまった。何とか駐車して準備を整え9:20歩きだした。
幅広の平坦な登山道にはさんさんと太陽が降り注ぎ、これから登る茅ヶ岳はもちろん、今日から始まる山旅の期待が大きく膨らみ、小躍りしたくなるくらい歓喜に満ちていた。
すらりとした背高のスマートな赤松やカラマツ林を見上げ、足元にはピンクのイカリソウやボケの花が咲いて目を楽しませる。穏やかに登って行くと林道と交差し登山道は山道らしくなった。
気持のよい松林 女岩(飲み水が流れる)
林の中には苔むした大石がところどころに転がり配され、いにしえの活動が想い起される。次第に石ころ道になり両脇にはニリンソウやハシリドコロが咲き、春の喜びを歌っている。
前方の高場に大勢の人影と岩崖が立ちはだかっているのが見え、10:20女岩に着いた。とても休める場所などないので写真を撮り、少し戻り岩場の登山道を登り女岩の上に出た。
このあたりの木々はまだ芽吹いていなく、雑木林の中は明るく25cmくらいの深さの落ち葉がこの陽気でフワフワに乾き快い。ジグザグに切られた急登の登山道を根気よく登るとコルに着き、幾人かの登山者が休んで居られた。
落ち葉がカサカサ鳴り快い 深田久弥終焉の地
左に折れ、尾根を行くと3,4人の男性登山者が熱心に写真を撮っておられ、どうしたのかとみると石碑が立っていて深田久弥終焉の地とわかった。その背後には金峰山が端正な姿を見せている。「氏も見ただろうか?否それどころではなかったはず」と日本100名山の祖の臨終を寂しく想い図った。同行の岳友がイワカガミが沢山咲いて綺麗ですねと声をかけると「そうですね」と答えられたのが最後の言葉だったそうだ。身体の異変に気付きながらも迷惑をかけたくない、ぎりぎりの我慢強さ、愛された山での死、患わずの急死、深田久弥らしい素晴らしい人生だったことだろう。黙礼して岩場の登山道を登り続けると11:05頂上に着いた。
八ヶ岳を背に頂上で 韮崎市と南アルプス
頂上は広く大勢の登山者が憩っている。360度の展望にただただ魅了され、八ヶ岳、南アルプス、富士山、金峰、瑞牆などぐるりと目を一巡させた。
適当な石の上に腰を下ろし、至福の時を過ごす。風もなく暑いほどだった。心身とも満たされ、11:45下山開始とした。
登りの時は記念撮影出来なかった深田久弥の石碑の前でゆっくり写真をとり、合掌して降りにかかった。女岩を過ぎ単調な登山道を歩いていると、こんなに歩いたかと驚くくらい長く感じてしまった。
駐車場に戻る前に深田久弥公園に立ち寄り、自筆の「百の頂きに、百の喜びあり」と刻まれた石碑に「まさしくそうだ」と同感し、真向かいに見える茅ヶ岳を感慨深く見つめなおし、13:20駐車場に戻った。
「百の頂きに、百の喜びあり」 山梨美術館
明日は乾徳山に登る。甲府市内の草津温泉(400−源泉かけながしで、泉質、湯量、清潔感とも優で超お勧め)で汗と疲れを取り、山梨美術館でミレーを鑑賞し、その正面前のほうとう屋さんでほうとうを賞味し、今夜車中泊する、牧丘の道の駅“花かげの里”へと車を走らせた。
■2009山行記録■
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