2009 山日記



■2009山行記録■


金剛堂山(1638m)   
2009.10.1(木)晴れ
 平日ながら仕事も暇なので、好天に誘われトレーニング目的で金剛堂山に登ってきた。
 家を6:45出発して、栃谷登山口駐車場に着いたのが7:50だった。駐車場には道路工事従事者の方々の車が駐車され、まだ次々に車が着く。平日の御気楽山登りの私達だけが、浮いているような感がある。軽く頭を下げ登山靴を履いていると、もうブルドーザが動きだし、山中の静けさは失われた。
 いくつも鈴をつけ8:00百瀬川を渡り歩き出す。登山道には草が覆い、露それとも昨日の雨のせいか、ズボンの裾や靴がずぶ濡れになり戸惑ってしまう。それでも沢を渡り登山道が広くなるとその不快はなくなった。
 静かな森では鈴の音だけが響く、1km、2kmと標識を見送り登ると、9:25一服金剛に着いた。樹木はまだ紅葉が進まず、頂上も逆光で黒く見え、中途半端な景色に特別な感情が湧かない。冷たい梨を口に運び軽く休んだ。
      
 中途半端な時期の金剛堂山                 土嚢が敷き詰められていた                            

 ぬかるみを避け登山道を進むと、麻袋の土嚢が積まれ階段が作られている。粘土質の登山道は滑らず快調に登高出来た。補修整備をして下さった方々に感謝したい。
 快適に歩を進めると10:20金剛堂山に着いた。優しい日差しが頂上に降り注ぐ。「今日は私たちだけだね」と大きな御影石の方位板に寝そべり空を見上げ、汗のついたシャツを乾かした。石は暖かくすぐに乾きそう。「今日は天気が良いね、槍も見えている」大きな満足に包まれ、ランチタイムを楽しんだ。
      
 暖かいお日様に包まれボーと無気力になる                 中金剛の様子                            

 満腹になって方位板に座ってコーヒーを飲んでいると、Tが「だれか来る」と言う。耳を澄ませば、中金剛側から3人の登山者(内一人女性)が着かれた。高山の方で東俣から来たのだそうだ。暫し山談義をして頂上を譲ることにした。
 11:05下山開始、頂上を降ると少しの紅葉は見られるが、本格的な紅葉にはまだ早いようだ。一服金剛を過ぎ、ブナの巨木あたりで登山道脇林に目が止まった。「あ、きのこだ」茂みに中に入ると、朽ち果てた倒木に結構なっている。去年の大門山の天然なめこは歯ごたえがあって非常に美味しかった。味をしめ今年も食べたいと観察してみると「これ、なめこではないね」ちょっと気落ちした。でも、やさしそうな様相に食べられそうな感じがする。
      
 紅葉は一週間後ほどかな                 だべられるのかな???                           

 その後はまるできのこ取りに専念、登山道から外れることはなかったが、視線は常に林の地表を見ていた。「食べれるかどうかも判らないのに、つまずいたりして怪我をしたら大損だね」と冗談を言いながら13:00登山口に戻った。
      
 朱色競演                                            

 早速、道路工事の地元の方々に聞いてみると「だぶんモタセではないか」と微妙な答え、Tは交流館に行って聞いてきたが、やっぱりすっきりした回答がもらえない。「こんなの食べて死ぬのはいやだ」とTの弁、途中地元の女性に聞いたら「地元では食べている、塩水に一晩漬けて虫をだす」のだそうだ。それでも信じられず、今度は地元の老人に聞いてみる。「モタセと言い一番おいしいコケや、良いもんを取って来られた」とお褒めの言葉を頂いて、安心してお土産にした。
 下山後、和園でゆっくり2回温泉に入り、大満足して帰宅した。
翌日、朝食にさっそくモタセの味噌汁を作り賞味したが、塩水につけて香りがなくなったのか、歯ごたえもいま一つで、「やっぱりなめこの方がおいしくて好き」と二人の意見は一致した。インターネットには多く食べると下痢を起こすと書いてあり、残りは冷蔵庫の中、すべてを食べきる自信はない。

朝日岳 (1870m)   
2009.9.22(火)曇りのち雨 
 天気予報は雨のようだ。しかし3時頃夜空を見上げると満天の星だ。とてもあてには出来ないが、少しの期待が持てた。「朝食は行動食として5時には出発しよう」と決めていたが、再び眠りに就くことはできなかった。「起きようか?」とシュラフをたたみ、湯を沸かし雑炊を作った。
 朝の身支度を済ませ、登山靴を履きヘッドライトを頭に取り付け、暗い駐車場を歩きだした。川横の古寺鉱泉への道を行くと橋があり、その橋を渡ると朝陽館だ。玄関にはヘッドライトをつけた登山者が4〜5人出発しようとしている。鉱泉の建物左側に大朝日岳登山口と書かれた案内板があり、それに従い4:55登山道に入った。
 川沿いを行くとすぐに尾根に取り付き、ジグザグに登ると尾根上に出た。次第に明るくなりヘッドライトを消すと、道脇にヒメコマツの大木が多く見られ目を引いた。  穏やかにブナ林を登り高度を稼ぐと一服清水があり喉を潤す。左手には古寺山が見えてきて新たな目標とし、根の張る登山道を登降するとハナヌキ峰の分岐に6:10に着き、小休とした。
      
 緩急斜の登山道を登る                 きつい登りを終えると古寺山が見えてくる                            

 ここからの標高差300mは登山道も狭まり急登となるが、途中に三沢清水もあり、振り向くと月山だろうか山並もみえる。平坦になると左側が開け蔵王あたりか山並みが遠望でき、正面奥に小高く古寺山頂上が見え、気が勢だ。
      
 古寺山頂上                 古寺山からの小朝日岳と大朝日岳(奥)                            

 7:00古寺山に着く。此処からは小朝日岳やその稜線やピラミダスな大朝日岳が一望でき山懐の大きさを感じる。曇りながらも持ち堪えてくれる天気に感謝、感謝だ。一刻も早くあの穏やかな稜線を歩きたい衝動に駆られ、古寺山を足早に下った。
 古寺山を過ぎると小屋泊の登山者と多くすれ違った。小朝日岳の登りに入り、途中から巻き道を行くと軽いアップダウンがあり、思ったより長く感じた。小朝日岳頂上からの登山道と合流して急降下して熊越に着き、また登り返す。後を振り返ると小朝日岳の岩壁が谷に切れ落ち男性的でシャープな景観だった。
      
 小朝日岳に向かう                 小朝日岳の巻道から大朝日岳を望む                            

 ようやく待ちに待った稜線に出て、穏やかな登山道をひだすら歩くと大朝日岳と小屋が見えてくる。今日はこのまま天気が持つのではと思うほど視界は良好だった。紅葉で彩られた山肌も美しく、幸せを感じながら歩いていると、標高1600m位で顔にかすかな水の粒を感じた。とうとう雨が来るか、まあここまで持ってくれただけでも有り難い。次第に朝日岳にベールが掛かり始め、霧が濃くなりポツポツ雨が落ちてきた。
      
 小朝日岳の岩壁                 大朝日岳を眺めながら稜線漫歩                            

 雨具を着て全防水に身を固め、「これで良し」とまた登り始めた。ガンガラ沢の沢登りだろうか此のあたりで複数の沢屋とすれ違った。
      
 紅葉が美しい                 とうとう雨が降ってきた                            

 敷石の階段を登り、登山道を尚登るとホワイトアウトになった。登りつめ平らな場所に来ると○○霊宮と石柱が建っていた。右には登山道があり、左には祠に向かうガレの道がある。どちらに行くか(稜線を歩いていると小屋、頂上が左にあった)どちらだろう?Tを呼んでも返答がない。右の登山道を選び行くと道は降りぎみになった。「これはおかしい?」雨の中地図を見てみると中岳への登山道(冷静に見ると小屋から)があった。「これは中岳への道だろうか?」もう一度戻り祠の裏に登山道は無いか探してみることにした。しかし祠だけで行き止まりだった。また登山道に戻りしばらく平坦な道を行くと濃霧の中に大朝日小屋が浮かびあがった。
 8:40小屋に着く。Tが怒号を上げ「何していた!!心配したぞ!!」と感情を抑えず喚く。「登山道を行ったり来たりしていた」と言ったら、尚怒りが収まらないようだった。
 小屋にリュックを置かせてもらい、頂上に向かう。小屋の裏側からゴロ石の登山道を登ると9:00頂上に着いた。「やった」悪天ながら頂上に立て嬉しさが込み上げた。  雨が降り視界も無いので写真など写し、下山することにした。
      
 濃霧の中頂上に向かう                 大朝日岳頂上                            

 大朝日小屋の中で、穏やかな小屋主の顔をみながら、パンなど食べ9:35下山開始とした。
 下山時はずっと雨が降り、景色もない。まだまだ多くの登山者が登って来られたが、素晴らしい大朝日岳の雄姿が見られないのかと思えばお気の毒だ。今日の勝因はなんと言っても早起きは三文の徳だったことだろう。登山道はぬかるみ、滑りやすくなったが、11:40ハナヌキ峰の分岐に着くと雨も弱まり、ゆったりした心持で尾根道を降り、12:45朝陽館に着いた。
      
 大朝日小屋の前で                古寺鉱泉、朝陽館                            

 11:50駐車場に戻り、水場で靴やストックやスパッツを洗い、カップラーメンなど作って食べ、大江町に向かった。雨は完全に上がり青空も出て、天気は回復した。柳川温泉(300−)で汗を流し、長井市で夕食を買い、一般道R113で明日登る二王子岳の登山口に近い新発田市の“加治川”道の駅へと車を走らせた。

  ■9月23日(水)雨のち曇り
 “加治川”道の駅で車中泊して3時ごろ目をさますと、大きな雨音が車の屋根を叩いている。昨夜天気予報を聞いていると前線の影響で雨が降ることは知っていたが、これほどとは思わなかった。それでも6時位になると晴れるかもしれないと期待したが、予報通り雨は止みそうになかった。「今日の二王子岳だめだね」「諦めよう」と帰宅を決意した。
 朝食を食べ終え、6:30道の駅を出発して、聖籠新発田ICから高速に入り、小杉ICで下り11:30帰宅した。走行距離は1750kmだった。
 今回の東北の山行はいろいろな条件がうまくかみ合わず、思ったような運びにはならなかった。しかし、無事に帰還出来、100名山2座、200名山1座、計3座登頂できたことで、良しとしておこう。

岩手山 (2038.2m)   
2009.9.20(日)曇りのち晴れ
 PAで洗面、朝食を済ませ、滝沢ICを下り、ナビに導かれ岩手山馬返し登山口に向かう。
 岩手山は06/11,5に焼走りから登ったが、8合目平笠不動避難小屋に着くと大嵐になり断念して引き返した経緯があり、今回は是が非でも頂上に立ちたいと切望していた。それなのに岩手山は雲の流れに呑み込まれて、またもや想いが果たせないのかと不安がよぎった。
 馬返し登山口の駐車場に着くと、広大な駐車場はもう満車状態で、多くの登山者が準備をしたり、整えたり、出発したりして、大賑わいだった。車外に出ると風がビュービュー吹き渡り非常に寒い。この風が頂上ではどの位の強風になるのかと思うと前回のトラウマも手伝い、気持ちが落ち込んだ。
 今日は我が高岡ハイキングクラブも会山行で岩手山に来ているはず、マイクロバスを探したが見当たらない。諦めて登山靴を履き身支度を整え、駐車場をあとにした。
 少し行くとキャンプ場があり、トイレや四方からほとばしる水場(鬼又清水)、東屋などがあり、気持ちの良い場所だ。登山口は右側にあり、威勢よく登山道に6:10入った。  少し下りぎみに行くと、登山道は登りとなった。ブナやミズナラの樹林帯の道は広くて歩き易い。Tが「こんな大勢の登山者は富士登山いらいだ」と呆れ顔、納得しながら快調に一合目に着いた。70人位の自衛隊の若者達が3班に分かれ休んでいる。元気な声できびきびと挨拶をしてくれ爽やかだ。丸太の階段を登り2合目に着くと、眼下には田園風景が広がり見晴らしもよく、ここで小休した。
      
 2合目で休憩、自衛隊の若者が迷彩服で登山                 これでは馬もひっくり返る                            

 このあたりから斜度が増してきた。2合目半で新道を選び、岩場の登りとなる。“馬返し”とは良く言ったものだ。まさに馬はひっくり返るだろう。天気は相変わらず良くない。尚、悪くなっているように思えた。下界も雲で隠れ、もう絶望的だ。天気予報では晴れることになっているのに、山の天気は難しい。自然が相手では努力は通用しない。「成るように成る」「神のみぞ知る」「ケセラ・セラ」など呟きながら懸命に登り続けた。
 6合目を過ぎると見なれた長靴と服装が目に入った。やっぱり会えた。嬉しさのあまり大声で「Aさん」と呼ぶと、クラブの仲間(6名)も驚いた顔で振り向いた。A氏のやさしい笑顔に迎えられ、昨日登られた八幡平の紅葉の美しかったこと、網張温泉縦走組(13名)は先行していることなど聞き、みなさんの前列に出してもらった。(みなさん声をかけて下さって、ありがとう)
 7合目に出るともう登山道は平坦になった。相変わらずガスと風が吹き、非常に寒さを感じた。突然ガスが晴れ山影が浮かびあがり、瞬間岩手山が姿を見せてくれた。無心でシャッターを切り、うれしさが込み上げてきた。感激しながら登山道を行くと8合目岩手山小屋に8:50着いた。
      
 期待が持てそう岩手山が少し見えてきた                 8合目岩手山小屋 非常に寒い                            

 ここで雨具ジャケットを着て、帽子が風に飛ぶのでバンタナを頭に巻き、小休を取った。「のぼろうか」二人腰を上げ、頂上に向け出発した。
霧は濃く風が強い。突如9合目不動平のシンボル岩が浮かびあがった。「素敵だね」気分も高揚してくる。右に折れ、火山礫の小石を根気よくジグザグに登ると火口縁に出た。
      
 絶望か今回も頂上に立てないのか                 火口縁まで来た、今日はなんとしても頂上に立つ                            

 ますます霧が濃く風が吹き上げ、視界が無い。ダブルストックをしっかり握り飛ばされないように、時計回りで歩いた。火口縁には石仏が等間隔に安置され頂上へと導いてくれる。「今日は絶対頂上を踏むぞ」と内心奮起していると「関本さんじゃない。」と下山者が、声を掛けてくれる。見上げるとIさんだった。「私たち縦走組だよ」と元気な声。Hさん、O氏も一緒で懐かしく、話が弾んだ。お別れをして「さあもう少し」と穏やかな砂礫を登ると9:50岩手山山頂に着いた。
      
 山仲間と出会う                 岩手山頂上 大きな喜びだった                            

 前回の無念の撤退、心配した天候、今ここに立っていることが素直にうれしく、大きな喜びが身体を駆け抜けた。相変わらずの強風で憩えないほどの頂上だったが、心は晴ればれとして安堵感に包まれ、記念写真を撮って下山することにした。
      
 瞬間ガスが消え火口縁が見えた                 多くの登山者が列をつなげ登る                            

 御鉢を降ると、瞬間霧が晴れ湾曲した火口縁が浮かびあがり歓声をあげる。深い火山礫の登山道を豪快に下り、不動平に着くと縦走組のメンバーが一休みしていた。「皆さん、こんにちは」と声をかけると驚きながら、笑顔で迎えてくださる。(みなさんハイタッチありがとう、元気パワー全開ですね)
      
 不動平と鬼ヶ城                 ピーカンの岩手山                            

 それにしてもこのピーカンの岩手山はなんだ。登頂出来た喜びは半減されてしまった。人間ってほんとうに欲深いものだ。この蒼空の下で頂上に立っていたら、眺望もさぞ素晴らしかったのに、とめどもなく悔しさが込み上げてきた。
 しかし良く考えると、岩手山は「私はこんな姿だったの、良く見て行ってね」と惜しみなく晴れ姿をみせてくれたのだと思うと「ありがとう」と感謝した。
 鬼ヶ城経由で網張温泉に向かうメンバーを見送り終え、岩手山を眺めながら休憩を取った。
      
 山仲間を見送る(鬼ヶ城を経由して網張温泉へ向かう)        9:00から登って、もう頂上から降りてきたトレイルランのお嬢さん                           

 10:35不動平を後にして下山する。この晴れ渡る素晴らしい風景をいつまでも見ていたいと岩手小屋でまた休憩、見飽きない風景を心行くまで堪能した。
 下山時、7合目から旧道に入るところ新道に降ってしまい、ちょっと残念な思いをしたが、4合目から旧道を降ってみると日陰も無く、ゴロ石や岩場の降りは非常に神経を使い、やっぱり新道で降りて来て良かったと語り合った。自衛隊演習場の砲弾の爆音が響き、それを聞きながら樹林をぬけ13:00キャンプ場登山口に戻った。
      
 4合目旧登山道                 キャンプ場でたっぷり水を飲む、背には岩手山がほほ笑む                            

    迸る鬼又清水で顔を洗い、たっぷり水を飲み、駐車場へ戻った。駐車場ではTさんが留守番をしているとのこと、教えてもらった場所にマイクロバスがいた。Tさんと再会を喜ぶと「キャァー」なんとTsuさんShiさんSuさんもいる。3人はTa氏と明日岩手山に登るのだそうだ。岩手県で同じ日にクラブメンバーが3組、26人も集うなんて、奇遇な話だ。
 下山後、網張温泉見晴らしの湯(500−)で透明な白濁の湯に身体を沈め、ゆっくり疲れと汗をながし、小岩井農場に出かけた。
 小岩井農場にも多くの観光客がつめかけ駐車場は満車状態だ。5時閉園であと1時間しかない。チーズケーキを食べようと思って来たが、入場料(500−)を買わなくては入れない。なんでケーキを食べるだけなのに入場券が必要なのかと考えるとばかばかしくなり、入園を止め、駐車場前のどんぐりコロコロで孫のお土産を買い、今夜車中泊する“とうわ”道の駅へと向かった。

■9月21日(月)晴れ 今日は観光と、山形県の大朝日岳の登山口古寺鉱泉移動するため、朝はゆっくりできる。
東和から遠野へ、その後平泉の中尊寺へ行き、東北自動道の一関ICから山形自動車道へ入り月山ICで降り、17:40古寺鉱泉駐車場についた。
     
 遠野 千葉家南部曲り家全景                                                 

       
  千葉家                         遠野 カッパ淵                        

      
  中尊寺 金堂                         中尊寺 能舞台                        

しかし心配があった。明日から天気が崩れるのだ。それでも駐車場は満杯で全国のナンバープレートがずらりとならんでいた。運よく車一台の駐車スペースが空いていてそこに車を停めた。大勢の登山者が居るということは、なんと勇気がわくことか。

船形山 (1500.2m)   
2009.9.19(土)晴れ時々曇り
 シルバーウィークを利用して東北の山に登って来た。当初の計画では初日に栗駒山(宮城)二日目に岩手山(岩手)三日目南下して焼石山(岩手)、四日目大朝日岳(山形)、五日目二王子岳(新潟)の予定だったが、栗駒山は地震崩壊のため秋田県側からしか入れず断念、焼石山も中沼コースは道路崩壊で通行止めになっていることが分かり(つぶ沼コースは9時間要、大朝日岳登山口移動時間を考えると無理)これも諦めた。
 慌ただしく計画を練り直し、初日は船形山に登ることにして、三日目は観光と移動に割り当て、 18日(金)昼12:00家を出発した。
 北陸、磐越、東北、高速自動車道を乗継、船形山登山口に一番近い大和IC手前の鶴来PAまで行き、ここで車中泊することにした。
 幸い静かな場所に駐車出来たが、連休とETCの割引影響か、夜通し車の列が絶えることなく通路も渋滞して、エンジン音とライトで昼間のような騒がしさだった。

 朝起きるとまだまだ全国から次々に車が到着して数珠つなぎとなっている。早々に洗面と朝食を済ませ、大混雑のPAを出て大和ICを下りた。
 大和町の市街地をバイパスでぬけ、林道を走り升沢を過ぎ、大滝キャンプ場からの最短コース小荒沢林道に入ろうとしたら鎖が張られ、「橋が崩落して通行止め、ここからは行けません」と注意書がある。“ガーン”「どうしよう!!」目の前が真っ暗になった。(色麻町からは行けるようだ)呆然としていると登山者の車が通過して行った。「そうだ、下から登るコースがあった。」と思い出し、林道をそのまま直進して内水面水産試験所前を通過して旗坂キャンプ場の大きな駐車場についた。
 車が8台ほど駐車していて、先に着かれたご夫婦とご挨拶を交わし、身支度を整えた。一足先に出発される御夫婦を見送り、私達も7:00歩きだした。
      
 旗坂キャンプ場                      ブナ林が延々と続く                           

 升沢コースは大滝分岐まで標高差600mの余分な登行をしいられ15kmと長い道のりで時間を要することになる。午後から松島の観光を考えていただけに、気落ちしてしまった。
 林道を少し歩くと右斜面に登山口があり、ブナの森に入った。まだまだ緑葉の瑞々しいブナに癒され登っていくと、登山道には29番号の丸札が付けられていた。29/30ということらしい。
 番号札を励みに一群平、鳴清水と登って行くと、どこまでも美しいブナ林が続いていた。やっと15番を過ぎると三光の宮入口があり、地図を確認してその先にある大滝分岐に8:30着いた。
 ヒメコマツの暗い登山道を行くと蛇ヶ岳の分岐があり、なお直進すると正面が開け升沢小屋に9:10着いた。
      
 升沢小屋                           ほんとうにここが登山道、増水したらどうするの                           

 小屋前で写真を写していると12人位の男性が「おお、疲れた」と下山されて来て、「頂上の紅葉は素晴らしかった」と教えて下さる。昨夜は小屋で泊まり、空身で頂上に登って来られたのだそうだ。新し小屋に入って腰を下ろし一休みすると、50Lの大きなリュックがずらりと並んでいる。昨夜の酒盛はさぞ盛り上がったことだろう。
 9:20頂上に向け小屋を後にする。すぐに沢を徒渉し、登山道を歩くと隣の沢に出る。結構な水量だ。「ほんとうにここが登山道なの?」「雨で増水したらどうするのだろう?」とダブルストックをフル活用しながら滑らないように、気をつけ沢を登った。先ほどの男性の「おお、疲れた」の意味が良く理解できた。それでも次第に沢水が枯れ、擬木の階段が現れそこを登ると千畳敷に着いた。
      
 灌木を抜けると突然頂上が見えてきた                     紅葉真っ盛り頂上も近い                            

 灌木の登山道を登ると視界が開け、前方右奥に船形山の避難小屋が建ち、紅葉に彩られた頂上が目に入った。「なんと素晴らしい風景」紅葉を楽しみながら、なだらかな登山道を辿ると10:20頂上に着いた。
 社に手を合わせ拝礼し、山名柱で写真を撮った。上空は晴れているが、月山、朝日岳、鳥海山など遠望の空には暗い雲がかかり、確認することはできなかった。
      
 船形山頂上                                              

 ささやかな昼食を食べ、景色を楽しみ10:50下山開始とする。爽やかな気持ちでお花畑を歩き、沢に入ると慎重に足の踏み場所を選んだ。三光の宮に立ち寄り、神秘的な石碑を眺めたり岩場を眺めたりして登山道にもどり、ブナの林を根気よく下り13:20登山口に戻った。
      
 頂上付近ではミネウスユキソウが多く見られた                 太陽・月・星を祭る 三光宮                            

 船形山は升沢小屋より上に沢登りのような登山道がありちょっとスリルが味わえ、なかなかの面白さがあった。十分満足して、台ヶ森温泉山野川旅館(500−)で汗を流し、予定通り松島にむかった。
 松島も観光客で大賑わい、五大堂と瑞巌寺を見学し、名物ずんだ餅を食べ、中心街を散策して、大和ICから高速で北上して、明日登る岩手山近く滝沢PAに向かい、ここで車中泊した。
      
 松島 五大堂                     歴史を感じる岩窟群(瑞巌寺)                            


白馬岳 (2932.2m)   
2009.9.6(日)晴れのち曇り 
 H.Pのゲストブックに富山のWaさんが書き込みを下さった。気を良くしたTが、久し振りに白馬大池経由で日帰り白馬岳に行って来ようと熱心に誘うので、付き合うことにした。
 前夜に道の駅おたりまで行き車中泊し、6日早朝4:30蓮華温泉に向かって車を走らせた。5:15蓮華温泉駐車に着くと驚いたことにほぼ満車状態で、準備などされる登山者がちらほら見うけられた。
 私達も準備を整え5:35蓮華温泉裏手にある登山口を登り始めた。7年ぶりに訪れた登山道、懐かしさと朝の清々しさで、心身とも軽やかで快い。樹間から朝日岳や雪倉岳が朝陽に照らされ、やさしく穏やかだ。少し登るだけで同じ目線に五輪高原や五輪尾根が見え、なにか徳をしたような気持ちになる。登山道はまるで舗装道路みたいに歩き易く、 7:00天狗ノ庭に着いた。
      
 天狗ノ庭からの雪倉岳                     白馬大池の草原                            

 快晴の空の下、雪倉岳が大きい。その山腹には鉱山道もよく確認でき懐かしく興味深く見降ろした。天狗ノ庭の木々は相変わらず過酷な風雪に耐え、その造形を創り出す自然の庭師に感嘆する。前方を見上げると小蓮華岳が白く聳え手招いている。栄養を補給して腰を上げた。
 幾分歩きにくくなった登山道を足の踏み場を選びながらダケカンバの林を懸命に登ると視界が開け8:05白馬大池に着いた。
      
 白馬大池は山上の楽園                     気を引き締め、ライチョウ坂を登る                           

 広がる草原は、一面にワタゲに変わったチングルマが埋め尽くし、レンガ色の山荘と、静かな鏡のような藍色の大池が青空を映しだし、山上の楽園を思わせた。大池全体が見渡せるように少し登山道を登り、石に腰かけ休憩をする。この時間、白馬岳から早朝降って来られた登山者が頻繁に行き来し、賑々しく活気づいていた。
      
 白馬大池全景                     船越ノ頭から小蓮華岳への縦走路                            

 「さあ、ここからが本番」気を引き締め深緑のハイマツを縫うようにライチョウ坂を登り始めた。ガレ場の登山道を登るとだんだん雪倉が低く見えて来て、07.9.風雨に襲われ避難小屋に逃げ込み、雨の中視界がわるく神経をすりへらし緊張しながら降った鉱山道のザレバはどこだったのだろうと、興味深々と凝視した。視角が変われば雪倉も刻々変化し、見飽きずその山容を延々と楽しんだ。あんなに良かった天気が少しずつ下っているようだ。白馬村側からガスが上がってきた。
      
 小蓮華岳手前で白馬岳がガスの中から出現                     小蓮華岳から白馬岳への稜線                            

 9:45小蓮華岳に着くと、楽しみにしていた素晴らしい縦走路の風景がガスのせいで半分見えない。小蓮華岳から白馬の稜線は言葉では言い尽くせぬ素敵な風景で、この景色を見たいがために来たようなものだった。しばらく頂上で白馬岳のおでましを待ったが、願いは叶わなかった。
 ザクザクとした岩綾を降り、ザクザクの砕石斜面を登ると10:25三国境に着いた。空身で頂上アタック中なのだろうか大きなリュックが2つ置いてある。
      
 白い砕石帯の岩稜は美しい                     三国境からの雪倉岳と朝日岳                            

 小休後最後の登りに入る。このあたりでは前回駒草など見かけたが、時期が過ぎたのか見当たらない。どの山も同じ、頂上への登りは辛抱辛抱、一歩一歩確実に刻みながら11:10白馬頂上に着いた。
      
 白馬岳頂上もよう                    剱岳、立山を背に頂上で                            

 頂上は晴れ渡り風もない。目の前には深椀のような旭岳が、その奥横には三角形の剱岳や立山など遠望で出来る。さっそく方位板に立ち記念写真をとり、大休憩に入った。 人気の白馬岳には次から次と山荘側から登山者が登って来られ静けさは無い。頂上は広場のようでゆったりと流れる山上特有の時間は味わえない。登って来る途中抜きつ抜かれつした埼玉の単独男性と3人で、ランチを食べたりコーヒーを沸かしたりして山談義を楽しんだ。
 12:00下山開始とする。頂上を少し降ると天気は急変し霧に包まれ視界がなくなった。足元に咲く、イブキジャコウやイワツメクサやイワギキョウなど高山植物を眺めながら、時折霧の中から浮き上がる幻想的な風景に驚かされながら、小登降を繰り返しひたすら降った。
    
    
 14:05白馬大池に着くとガスが晴れ、また湖水を眺めることができた。気持ちを新たに標高差900mの長い下りに向かう。天狗の庭で一休みして、歩き易い舗装道路と豪語していた登山道だったが、降りともなると浮き石に乗らないよう気を使い、懸命に降り15:55蓮華温泉に着いた。
 今回でこのコースは3回目、今年も登れたという喜びと充実感がじわっと湧く、よい山行となった。
 蓮華温泉ロッジのH.Pに日帰り温泉受付時間が15:30までと書いてあり心配したが、快く入れて下さり、ゆっくり疲れと汗を流した。ロッジを出るとまたも濃霧が支配する世界と変わっていた。今日の天気は目まぐるしく気まぐれだ。
 視界5mくらいの濃霧、まして下り坂の運転は怖い。Tは視力がないのでMが運転する。ギアを下げ、まるでブレーキのかけっぱなし。どれだけの時間を要しただろう。本当に怖い体験だった。それでも木地屋までくると霧は晴れ安堵した。
 糸魚川ICから高速に乗り、有磯海PAで夕食を食べベンチで寛いでいると、ハイキングクラブの仲間とはちあわせ、白毛門沢の帰りで、笑顔満開、満足感と喜びが伝わってきた。ちょっとした仲間の連帯感を共有しながらお別れし、一路家路へと急いだ。

大日岳 (2501m)   
2009.8.30(日)曇り
 隣県の日帰り山行を考えていたが、天気予報が曇りに変わった。景色も期待できないのに、時間とお金を費やすのが馬鹿らしく思え、近場の大日岳に登ることにした。
 5:20家を出て登山口に向かう。途中、我がハイキングクラブは雑穀谷でクライミングの練習のため、テント泊をしているはず。会長に頼みごともあり、寄ってみることにした。残念ながら雑穀谷には誰もいなく寂しく称名滝駐車場へと車を走らせた。
 駐車場に着くと、多くの車に交ってマイクロバスにブルーシートのターフが張られ、10人位円座になり食事中のようだ。「ひょっとして」と覗いて見ると、やっぱりクラブの面々だ。「ここで会えるとは」嬉しくなり挨拶を交わし、矢継ぎ早に会長に願い事を伝え、準備に取り掛かった。
 駐車場を7:00歩きだす。「思ったより天気が悪いね」と霧が立ち込める車道を登って行くと下山の単独男性に会い、会釈すると「何処へ?」と聞かれた。「大日岳まで」と答えると「中間は晴れていますよ」と教えて下さり、心強い情報が得られた。
 10分間余りで登山口に着く。久々の山登り「楽しんで来よう」と声を掛けTが先を歩く。ジグザグに登山道を登り、猿が馬場手前に来ると目線下に雲海が広がり、山の景色が得られるようになった。
 牛の首を過ぎ、木道に出て一休み。山頂付近は雲に隠れ見えないが、心浮き立つ風景が広がっている。「やっぱり綺麗だね」と草原を見渡し、濡れて滑りやすい木道に気をつけ大日平小屋へと向かった。
      
 大日平小屋が見えてきた。                     大日平の草原は心憩う場所                            

 9:05小屋を通過して、大日岳に向かって木道を降る。草原に延びる木道は乾いていて歩き易く、心憩う場所だ。
 河原を横切りゴロ石の登山道に入り、根気良く高度を稼ぐ。今日もマイペースと決め込みMは気ままに登る。Tは離れたら頃合いを見計らって待っていてくれる。途中の水場で休憩しながら、長い登りを休まず亀のように登り続けた。次第にガスが湧き景色は無くなった。どうせ景色は見えないのも想定内、今日はトレーニングで、「登ることに意義がある」とただただ足を前に前に出し登り続けた。
      
 濃霧に包まれ始める                     霧に浮かぶ大日小屋                            

 11:25コルに着き、頂上に向かう。黄色いウサギギクが元気に咲いている。チングルマはもう実を結び秋の気配だ。花々に目を向けながら11:40頂上に立った。
 頂上で写真を撮り、風が当たらない場所に屈み、ランチタイムにする。景色も無く、だれもいない頂上だったが、登り終えた解放感で満たされた時間が過ぎていった。
      
 頂上で寛ぐ                     あさ、下山しょう                            

 12:20下山することにした。相変わらず雲の中だが高山植物が目を引く。カメラを向けながらダラダラ行くと男性が立っていて、静かに指を下に示し合図している。何かと目を配ると雷鳥が2羽いて、私達も静かに見守った。驚かせないようにじっと観察していると砂浴びをしだし、人間を全く怖がらなく、しまいにはそこに座りだした。きりがないとTが至近に近づくとさすが雷鳥は斜面を降って岩陰に隠れた。
      
 人を怖がらない雷鳥                     チングルマはもう秋の装い                            

 コルに着き、小屋に寄らず下山道に向かう。次第にガスが晴れ大日平が箱庭のように見えるようになった。何度かで出合う沢水で、顔を冷やしたり洗ったりしながら、ゴロ石の登山道を降り、木道に着き後を振り向くと大日岳の上には青空が顔を出している。 「わあ、今日初めての青空、綺麗」とはしゃいでいると2分と経たないうちにガスに覆われ、幻想的な風景に変わった。
      
 やっぱり青空はいいね                     濃霧の大日平を下山する                            

 14:10大日平小屋に着き休憩し、景色を失った木道をひたすら歩くと、だんだん霧の粒子が粗くなっていった。牛の首を降るとまったくの霧雨になり驚いたが、ひたすら降り15:40登山口に降り立った。
     
     
     
 こんな視界不良なのに、まばらながら観光客が称名の滝に向け登って来る。たぶんいや絶対滝は見えないだろう。気の毒な思いを胸に静かに観光客を見送った。
 15:50駐車場に着き、着替えを済ませ吉峰温泉に直行する。さっぱり綺麗になって、今夜の衆議院選挙速報番組を楽しみに、帰路についた。



■2009山行記録■