遍路ー 10 嵐 の中の室戸越え
6月10日
さてさて・・・・・・・
遍路旅8日目です。
これまでの宿はボロボロの建物に老夫婦あるいは、くたびれ
たオバチャンが経営しているものであったが、昨夜は、若い(30
歳くらいの)美人のおねえさん一人でやっているこぎれいなペ
ンション風だった。(同宿者、車での観光客2人)
聞くと太平洋の荒波を求めて集まるサーファーが主なお客様と
のことだった。
朝から台風のような暴風雨の音で目覚める。昨日は疲れたし,
この天気では今日は停滞かと、グズグズしていると「朝ごは
んどうぞ」と催促され、浴衣のまま食堂に下りる。
「この辺ではこのぐらいの風雨は珍しくない」とのお姉さんの
話にグズグズしながらも 9:00、カッパをつけて出発。
相変わらずお腹が痛い。便通無し。暴風雨の中、休む所も無
いが、苦しくて歩けず、何度かしゃがみこむ。
空き缶が宙を飛ぶ。空き缶が転がるのは珍しくもないが、ここ
室戸ではビュンビュン空を飛んでいる。
海はごうごうと叫び白い波しぶきは泡となって数十mを越えて顔
にかかる。
昼食を取る場所もない。幸い追い風だが、これで向かい風な
ら本当に行動できないだろう。カッパを着ても中はびしょびし
ょで寒い。
室戸岬近くの巨大な太師像を過ぎ、山に登り、最御崎寺着、
やっと一息つき、あたたかいうどんをいただく。
台風のような中ではあるが、バスツアーの参拝者は多い。
お参り後、納経所に行くと「ご苦労様」とキャンデーと汗拭き
にと手ぬぐいをいただく。ここでも歩き遍路は特別扱いなのだ。
室戸岬の最御崎寺からは通常は下に降りて国道を行くが、海
の音が怖く、山上のスカイラインに入る。
しかしこの選択は誤り。雨は小降りとなったが風は更に強い。
室戸測候所前を通り展望台を通りと言うのは晴れてればこその
コースであり、高台であるが故、風は海岸よりはるかに強く、
吹き飛ばされそうになりながら進む。
国道は車が通るが、スカイラインは全く車も通らない。
スカイラインは室戸市街に降りる。遍路道を外れており標識も
なく嵐の中、人通りもない。やっと見つけたガソリンスタンド
で25番札所・津照寺への道を聞き、大きく逆戻りして長い石段
を登りお参りする。風はやや収まる。
今日の宿として、26番・金剛頂寺の宿坊を予約する。
天候のせいもあるが室戸の町は活気がない。カツオ漁の最盛
期でありもっと景気の良い町と思ったが空き店舗も目立つ。
26番・金剛頂寺は山の上にある。町外れから車道をそれて遍
路道に入り、風雨で寒いのに汗をかきながらタイムリミットぎ
りぎりで到着。お参りと納経を済ませ、近代的な宿坊に入る。
団体客があり騒がしい。宿坊ではあるが、ロビーではお酒を
飲んで声高で談笑している。部屋に案内してしていただきお風
呂に入り部屋に戻りしばらく寝転がる。
食事ですとの電話で食堂に行くとまた騒がしい。宿坊とは
言うが普通の宴会場と同じ。がっかり。
バスの運転手、ガイド役の先達、僧侶は特別扱いで豪勢な料
理。参拝客は形だけの精進料理。これもどこかの観光旅館と見
間違う風景だ。
「明朝のお勤めは?」と聞くと「住職が出張のため明日は休み」
と言う。副住職なりがいると思うのだが、朝のお勤めもしない
お寺とは・・・・
今日は台風のような嵐の中、44973歩
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