遍路ー 12 おばあちゃんのお接待
6月12日
さ〜てさて 遍路旅も10日目です。
昨夜は隣の部屋で数人がマージャンをやっているのかいつ
までも大声で笑いあっている。
夕食後、一旦は眠ったが、12時過ぎにうるさくて起きてしまう。
しばらく日記など書いていたが一向に静かになる気配がない。
ことを荒立てたくはないが、「そろそろ静かにして下さい。」
と怒鳴る。
やっと静かになるがまだ、ひそひそしゃべる声がする。安普請の
宿の構造にも問題はあるが、こちらは明日も早く出る身、再度
「いいかげんにして下さいよ。」とドスを効かせた声をかけると
やっと収まる。
昨日、山の中の「良心市」ですももを買って食べたせいか、
今朝はとっても良いウンチが出た。この分ではもう腹痛は無いかも
しれない。
7:00朝食、7:30、雨もあがった国道を歩き出す。 国道と海岸の
間に自転車道があり、そこを歩く。
海岸の防波堤の上や、砂浜の中に延々と続いている自転車道は
車が通らず歩きやすい。その代わり自動販売機などもなく、人も
ほとんど通らない。
芸西村に入ってまもなくきれいな体育館のような建物がある。
お腹が空いたので中に入る。プールがあり、体育館があり二階に
きれいなレストランがある。
海を眺めながらサンドイッチとホットミルクをいただく。冗談に
「ホットミルク大盛りで」と言って見たら本当に牛乳を約400ccも
あっためて出してくれる。夏には海水浴客でにぎわうことだろう。
カンカン照りになり暑い自転車道にも飽き、国道に戻りトンネル
をくぐりしばらくすると「道の駅」がある。缶ジュースでも飲むか
とうろうろしていると、遠くから「お遍路さーん」と呼ぶ声、行くと
小さなお堂があり、おばあさんが座っている。
「まあ、こちらにいらっしゃい。」
「わたしゃ、今年90歳になり足も弱りもう回れないが、お太師様
から毎日5名のお遍路さんをお接待するよう言いつかっている。」
「お腹が空いただろうからこれをお食べ」とお弁当を差し出す。
お昼をいただいた後ではあったが、お接待を断るわけにもいかず、
ありがたくご馳走になる。
「今日はどこに泊まるの?良かったら私の家に泊まっていけ。
先日なんか一ヶ月も泊まって行った人もいるよ」と勧められる。
「この先の旅館を予約してますので」とお断りすると「そうかい。
先をお急ぎならしようがない。ならこれを持っていけ」とお菓子と
200円を渡される。
お堂のお接待でお茶をいただきながらのんびりし、再びカンカン
照りの国道歩きに戻る。
夕方、今にも降り出しそうになるころ、国道と別れ、県道とも
分かれて大日寺への石段へと入る。寺に着く前にとうとう降り出し
ポンチョを着ける。疲れた。
この先、10kmぐらいで宿はあるが、もう歩く気力なし。
数日前に自転車の青年にもらった資料にあった通夜堂のことを
思い出し、納経後に、住職とおぼしき僧形に「通夜堂をお借りで
きないか」とお願いしたところ「ジロっ」と見て「お遍路さんなら
断るわけにはいかない」と物置のような通夜堂を教えていただく。
納経所のおばちゃんは「食べ物はあるの?」と心配し、「私らの
お茶菓子であまりお腹の足しにはならないでしょうが」とクッキー
の袋を渡してくれる。
中はコンクリートの土間で、スノコが立ててある。それを使って
良いとのこと。但し火気厳禁。
ありがたいことに庫裏にはシャワーがあり、遅くならない内なら
使って良いよとのこと。お言葉に甘えてシャワーを浴び、ついでに
カップラーメンにもシャワーの湯をいただく。
・・とは言っても食料はカップラーメンとカロリメイトのみ、
すきっ腹を抱えて固いスノコに横になる。
42,064歩 距離は短いが疲れたーーーー。
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