遍路ー17 梅雨空の四万十川
6月17日
さ〜て、さて ・・・・・遍路旅も15日目で、いよいよ
四万十川です。
「朝早いから」と前夜のうちにおにぎりを作っていただき、
4:30宿の中で食べて、5:00、激しい雨の中、上下カッパで出発。
すぐに国道バイパスに出て、しばらくして「遍路道」の標識の
ある海岸への小道を見つけて入る。
これが曲者で約2kmもの遠回りとなる。国道は岬、岬をトンネル
でぶち抜いているが、遍路道は海岸沿いに岬をひとつづつ回って
いく。
大きな岬の先端に「井の岬温泉」があり、早起きの宿の番頭さん
らしきに「こっちまわってきたの?遠かったでしょうに」と言
われて気付く。でも車が全く通らず、「ひょっとするとクジラに
会えるかも」と沖を眺めながら歩くのも悪くは無い。
昨日の37番.岩本寺から次の38番.足摺岬の金剛福寺までは
85km、行程での最長距離だ。従って今日は逆立ちしてもたどり
着けず、ただただ歩くのみ。
再び国道に出て、大きな砂浜になると浜沿いの遍路道(と
言っても松林の中の明るい車道)に入る。後ろから乗用車が来て
止まり、70歳ぐらいのおじさんが遍路道の行き方を教えてくれる。
礼を言って歩き始め、おじさんの車はさーっと行ってしまう。
一時間も松林の中を歩き道の分岐の所に行くとそのおじさんが
待っている。
「心配で先回りして待っていた。ここから右に曲がり松林を一時
外れるんですよ」と念入りに教えてくれる。
どうも遍路道保存協会のボランティアのようだ。別れ際に「これ
お接待」とポン菓子をいただく。
大きな公園で雨宿りを兼ねた大休止となる。先客がいる。足を
引きずりながらも途中で追い越して行った45歳ぐらいの屈強な男
で、修業中の山伏と言う。
「靴ズレがひどく、靴のかかとをつぶしサンダル状にして歩いて
来たが、靴の底に穴が開いてしまった。」と笑っている。
そのくせ「今日は夜通し歩いても足摺岬まで行く」なんて言って
いる。60kmぐらいもあるのに。
途中の売店で「四万十川の渡し舟はアテにならず今では利用
する人がほとんどいない」との情報を得て、遍路道マークを確認
しながら四万十川大橋へと向かう。
台地上の広い道路だが、通る車はほとんどなく地図と照合しても
どこを歩いてるのか全くわからない。
後ろからさっきの山伏氏がビニール傘をさして足を引きずり
ながらも追い越して行く。やがて沼みたいな川みたいな大きな
水たまりを左右に見て田んぼに下りて、堤防にあがると満々と
水をたたえた四万十川。
大橋のたもとの東屋で山伏氏の休んでるのを見つけて一休み。
「いよいよ靴がダメなのでどこかで買いたいのだがなかなか
靴屋がなくて」とのこと。パンをかじっている。
宿には泊まらずほとんど野宿とのこと。さすが山伏と感心したら
「四国は暖かいから若い人はほとんど野宿」とのこと。
歩道付きの長い長い大橋を渡り土手の上を歩く。お腹が空いた
なあと国道に出るが食堂は無い。
それらしいのに出会うと「本日定休日」にがっかり。13:00に
やっと昼食にありつく。
ずぶ濡れだが、カッパを脱ぐのに合わせてビニールシートを用意
してくれる。ありがたい。気兼ねなく食事ができる。昼食は単に
食べるだけではなく靴を脱いでゆっくり休息する大事な大事な
時間なのです。
四万十川を離れ国道はまたまた山登りとなる。長い長い
新伊豆トンネルを抜けると水車のあるレストラン。またさっきの
山伏氏が休んでいる。
「もう疲れたのでここでおしまい。休息所があるのでここに野泊
する」とのこと。「夜通し歩いてでも足摺岬」の元気はどこかに
行ってしまったようだ。当方は「ここから12km」の看板のある
民宿に電話して今夜の宿を予約して歩き始める。
下りは早い。一気に海岸へ下る。「安宿」なんて名前の民宿が
ある。地名でもあるらしいが何となく泊まりにくい。
薄暗くなった海岸沿いの国道を南下し続け、18:10立派な大きな
瓦ぶきの民宿着。土佐清水市大岐海岸
同宿者3名あり。久しぶりににぎやかな夕食となる。
57,945歩 45kmぐらいか
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