遍路-19 笠飛ばし台風
6月19日
さ〜て、さて ・・・・・・・・遍路旅も17日目です。
昨晩はタップリ時間があり、家族に長い便りを書く。
今回の旅の狙い、想いなど照れくさくて口に出しては話せ
ないことを細かい字でしたためる。
どこまで理解してもらえるかわからないが・・・・・・・
2晩お世話になった民宿を後に小雨の街道に出る。
ガイドブックでは安宿近くまで戻って山道に入ることになって
いるが、宿の元気なオバサンによれば、「その道はグニャグニャ
曲がりくねっていてとんでもなく遠い。安宿よりずうっと先の
水車のレストランまで戻り、そこから山道に入るのが正解。
一見遠回りに見えるが、急な坂もなく楽」とのこと。
1時間も歩いた頃、例の速足のご夫婦に追い越される。
新伊豆トンネル手前の水車のレストランで早い昼食。
近所の方々の溜まり場になっておりお年寄りが集まって
何やら話し合っている。
山道に入って1km程先で「この先通行止め、遍路道は左」
の標識。おかしい。宿のオバサンは「行き止まりと書いてるが
まっすぐな広い道路を行くと近い」と言っていた。
少し戻って小さなお店に入って聞くと「2〜3年前までは国道で
立派な道だったが、廃道になり、途中のトンネルが崩れており
通れない。」とのこと。
ここは地元の方のご忠告に従うこととして左の細い道(と言っても
3m幅程度の車道)に入る。小雨であるが、風は徐々に強くなる。
どうやら天気予報通り台風がやってきたようだ。
2時間ほどでトンネルもなく峠に着き徐々に下りとなる所々に
遍路標識があり道は違ってないようだ。風はますます強くなる。
道は高原状の畑のなかに下り、しばらくすると(ガイドブックに
ある)安宿からの道が合する。
立派な道でありどっちが楽な道かわからない。地図上での距離は
当然安宿から直接来るほうがはるかに短い。
高原の三原村から、宿毛への下り途中にあるトンネルを抜ける
と高い高い橋があり、はるか下にダム(中筋川ダム)がある。
橋の上は突風状態。しかも風向きが突然変わる。
橋の上は金剛杖を突いてはいけないことになっているのだが、
横からの強風に耐えるためについ金剛杖を突いて体を支える。
そこに突然の逆方向からの風。あっと言う間もなく遍路笠が
ひっくり返り、あご紐が首に食い込み もがくうちに紐が切れ、
笠は風に乗ってダム上をすっ飛んで行く。
「お太師さまのおかげで、紐が切れて笠が身代わりになって
飛んでいったのだ。」と思うこととした。
橋を渡るとまた短いトンネル。一息入れてタオルを出して
ほっかむり。ポンチョの紐をしっかり締めてくくりつける。
トンネルを抜けてもまた高い橋。(ダム湖は大きく蛇行した
川になっており、蛇行した尾根部分をトンネルでぶち抜いた
道路になっている)
一帯は公園になっており、晴れてればしばらく休息したい
東屋などもあるが、今はそれどころではない。
川に沿って下り、JRの線路を渡り国道に出ると間もなく、
39番.延光寺の看板が見えてくる。延光寺着(16:00)。
激しい風雨の中、石段を登ってお参りと納経を済ませる。
門前に「へんくつや」なんていかにもそれらしい民宿などが
あり、疲れたから泊まろうかとの気も出るがまだ早いのでと、
宿毛市街の宿を予約する。
国道に戻り、ひたすら急ぎ、宿毛中心街に入り、お店で
たずねながら、18:10旅館着。
中心街のアーケードに面した街一番の大きな高層ホテル。
おそらく300名ぐらいは泊まれるのだろうが、「不景気で
10年ぐらい前からは従業員も解雇して家族だけでほそぼそ
やっている」状態で今晩の宿泊もたった4名。
今日はひどい台風の中、身代わりに笠を飛ばし、何とか
55,342歩 約43kmか
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