遍路ー9 室戸への道
6月9日
さてさて・・・・・・
遍路旅7日目です。
昨晩は宿の主人と話し込む。歩き遍路は年間2000〜3000人も
いること。
ほとんどは一人旅で半数は野宿で歩いていること。
春は3月から5月前半に集中し、6月に入るとガクンと減り1〜
2名/日になること。
全体の6割は自分と同じように定年退職前後の人で最近は若い
人も増えていること。
30歳代はリストラでの離職者と離婚で落ち込んでいる人が多い
こと。
20歳台は初めから職に就かず何をやったら良いのかの自分探し、
あるいは単なる体力確認の運動として歩いている人が多いこと、
そして女性も5%ぐらいいるが、思いつめている人が多く、
怖くて聞けないとのことでもあった。
また、この時期は旅館はガラガラでまず断られることはない
のでテントは不要との話であり、炊事道具なども含めて家に送
り返すこととする。
さて、昨日の札所、23番・薬王寺から次の札所は室戸岬の最
御崎寺までは76km、ここ内妻の宿からでもまだ60km近くもあり
、今日中にはたどり着けない。次の宿は約20km先の東洋町か、
42km先の尾崎。荷物も軽くなったことだし尾崎までとし、
6:00朝食、6:30出発。
出発前にまた差し込む腹痛。オカミさんに正露丸をもらって
呑み曇り空の国道へと歩き出す。
いつもだと歩き出すと収まる痛みがなかなか和らがず、1時
間ほどの鯖太師前で、ベンチにへたり込む。トイレに入るが便
通なし。ベンチに戻りお腹を押さえていると急に吐き気がし、
ドッと吐いてしまう。
少し楽になり歩き出す。
途中、自販機でファイブミニを呑むとしばらくして便意を覚え
、ガソリンスタンドでトイレを借りる。
やっと出る。四国に来て初めていっぱいの便が出で(気が)
楽になる。
ひたすら国道を南下し長いトンネルを抜けると高知県に入り
今日の宿を電話予約。
右は絶壁、左は荒波の太平洋。雨は降ってないが強風。
波が寄せるたびにゴロゴロと凄い音がして怖い。
車は多いが自転車や歩いている人はいなくなる。無性にさみ
しく、また悲しくなる。
大声で「トシアキー」と呼んでみる。
敏明は生後28日で逝ってしまった次男であり今回の旅で逢いた
いナンバーワンである。
何度も何度も大声で呼ぶうちに涙声になり、大声でわんわん
泣いてしまう。大の大人が大声で泣き喚いているさまは異常で
あろうが、誰がいるわけでない。いくら大声で泣いても
ゴロゴロの波の音でかき消される。
いくら泣いても涙が枯れることは無い。2時間も泣いていた
だろうか、泣き疲れ、足も疲れ果ててふらふらになりながら18:10
こぎれいなペンション風の尾崎の民宿着。
62794歩 42km
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