1、性別
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男性が多く、女性が少ない。すべての交通手段を用いている遍路を対象としたアンケート調査結果では、男女比率は約半々とされている。 歩き遍路に男性が多い理由として考えられるのは、歩き遍路自体が、肉体的に過酷であること、基本的に歩き遍路が1人で行われることがあげられる。また、徒歩による四国遍路に含まれる冒険的要素が、男性を四国遍路に向かわせる大きな要因にとなっていると考えられる。 |
2、年齢
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20・50.60代が多い。 札所寺院関係者、四国遍路道沿いの住民は、10年前には見ることの無かった若者の歩き遍路が増えているという。しかし、長時間歩行を行うという点で、類似する登山では、近年、若者の激減が示唆されている。 |
3、動機
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既存研究では、「信仰」「修行」を同一視し、「信仰・修行」とまとめ、レクリエーションを「観光」と捉えアンケート調査を行っていた。しかし、本研究では「信仰・修行」をレクリエーションの視点から、「修行」をレクリエーションと捉え、以下の身体的修行「健康」、精神的修行「人生の再出発」、身体・精神的修行「挑戦」の三つに分け、「修行」を「信仰」とは完全に区別した。また、「観光」を「自然を満喫する」「歴史・文化に興味」「遍路旅を楽しむ」と細分した。この方法でよって、現代における、四国遍路巡礼者の動機を探った。 |
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近年の健康ブーム、社会情勢を反映し、2「健康」、5「人生の再出発」、6「挑戦」の数値が比較的大きくなっているが、飛び抜けて大きな数値を示す項目は無い。これから現代徒歩遍路の動機は身体的修行(健康)、精神的修行(人生の再出発、挑戦)を主とした、非常に多様かつ複雑であるといえる。 |
4、好まれる路面
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舗装道・石畳といった固い路面ではなく、やわらかい路面を持つ土の路面が好まれる。また、より柔らかい落ち葉のある路面を好む。つまり、歩き遍路はよりやわらかい路面を好むと考えられる。 |
5、道中必要と感じた施設
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道標、歩道、トイレの3つの施設に要求が大きいことが分かる。 |
6、好まれる道、好まれない道
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1、熊谷寺〜法輪寺 出所:著者 |
2、焼山寺 出所:著者 |
3、大根峠 出所:著者 |
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4、国道55号・野根〜室戸 出所:著者 |
5、金剛頂寺 出所:著者 |
6、自転車専用道 出所:著者 |
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7、そえみみず 出所:著者 |
8、松原自然遊歩道 出所:著者 |
9、柏坂峠(清水大師) 出所:著者 |
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10、松尾トンネル 出所:著者 |
11、三坂峠 出所:著者 |
12、横峰寺 出所:著者 |
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13、雲辺寺 出所:著者 |
14、白峰寺〜根香寺 出所:著者 |
15、国道11号・高松市内 出所:著者 |
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2「焼山寺」、7「そえみみず」、9「柏坂峠」、12「横峰寺」、13「雲辺寺」、14「白峰寺〜根香寺」の6つの道に良い印象が集中していることが分かる。この6つの道は山道であるという共通点がある。 その中で、「焼山寺」が大きな値を示している。本研究の結果においては、この道を選んだ理由として、美しい景観や歴史性よりも、険しい道を歩き終えた時の達成感の方が強い傾向が現れていた。 |
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悪い印象は、国道、トンネル、市街地に集中している。この3道は自動車が多いという共通点が見られる。このことから、歩き遍路に対し、道として悪い印象を与えるキーワードは自動車であると推測できる。 |
7,最も印象残ったこと
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良い印象 「地元の住民との人間関係」、「遍路同士の人間関係」、「お接待」の3つで全体の4分の3以上を占めている。これから、遍路の一番の魅力は人とのふれあい、つながりといった人間関係にあると考えられる。つまり、景観、道、宿、寺など物理的なことではなく、人間関係や自分自身の心理変化など精神的なことが良い印象として心に残っている。 悪い印象 遍路文化・歴史の中心、象徴である寺に対し多くの遍路が一番悪い印象として挙げられている。これから、遍路の魅力は札所ではなく、それを結んでいる遍路道に存在する人とのつながり、人間関係にあると考えられる。 |
8、満願し感じたこと
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歩き遍路が満願し一番感じることは圧倒的に「人のやさしさ」である。遍路の一番の魅力は、人とのふれあいから感じられる人のやさしさであるということが分かった。 |