会長の記憶            [ TOP ]


第一回“『と書いておとこと呼ぶ!!”の巻

 

 農業を生業(なりわい)とするが居た。

 ・・・とある、透き通るような青い空をした昼下がりだった。

彼は昼飯をそそくさと家で済ませ、これから稲刈りをするべく

愛車である『営農サンバー』蘢爽と運転し、田へと向かっていた。天気の良い午後である。鼻歌のひとつも出ようかって勢いである。

首へタオルをかけ、“農協”とロゴの入ったキャップをにかぶったその下には気持ちよくリーゼントが風になびいていた。

 

・・・彼はロカビリーである。

 

 しばらく走ると、不意に後方がやけに騒がしくなった。

バックミラーへ目をやると、そこにはぺったぺったに車高を下げ、極太マフラーをはめた、いかにも“なんちゃって走り屋”を気取ったお兄さんが、隣に女を乗せ、ばりばり煽っていた

 

彼はこの気持ちよい時間を壊されたくなかったため、素直に道を譲ることにした。

しかし、後ろの車は一向に自分を抜いていく気配がない。のらりふらりと煽り続けている。

 

・・・彼はロカビリーである。 

おもむろに彼は、タイヤスモークを上げ急ブレーキ・急停車!!

後ろの車は予想外の急ブレーキに驚いたのか、同じように急ブレーキ・急停車

 

彼は車を止めるや否や、後ろの車へ猛ダッシュ!!

 

『てめぇ、なに(あお)ってんのよ!!』

    訳・・どうしてあなたは煽って来るのですか?

 

『っざけんじゃねーぞ!!』

※訳・・ふざけているのですか?

『ぶっ殺すぞ、てめぇー!!』

※訳・・危険ですよ。死の危険がございますよ?

 

言葉の機関銃ですすると後ろの車のお兄さんは

『すいませんでした。隣に女乗っけてたんで粋がってました。許して下さい。』

 

すぐに状況を把握した彼は

『おう、兄ちゃん。それはわりぃ事をしたな。それだったらばんばん(あお)ってくれ!!』

    訳・・それは悪いことをしました。そういうことでしたら、好きなだけ私を煽って下さい。


そういうと彼は、制限速度50km/hのところを30km/hで走り、彼に散々煽らせた。散々煽ったお兄さんは気持ちよさそうに追い抜いていく。追い抜く瞬間

 

『やるな、にいちゃん!!』

※訳・・かっこいいですねお兄さん

 

good Luckで見送ってあげました。

 

そんな彼は、私の尊敬する先輩の一人です。!!・・