
6月21日
穂高4:10→沢渡5:30→河童橋6:06→徳沢7:30→横尾8:25→槍沢ロッジ9:50→大曲り11:30
殺生ヒュッテ付近15:00→槍岳山荘15:55

(縦軸は標高、横軸は時間です)
この日は河童橋から槍岳山荘まで。図上で約18kmの長い道のりはちょっとため息ものだ。
朝6時に河童橋を出発して、槍岳山荘には夕方4時着ということで10時間の行程であった。
『槍へ行こう』と思い立った。今年はGWも恒例の針ノ木雪渓も行っていないのだ。
思い立ったら、すぐに行きたくなったので小澤氏に提案すると『GO!』との返事。
6/21,22の週末にターゲットを絞り、チャンスを狙うことにした。
この時期、小澤氏とは’01年の大天井で梅雨前線の逆襲、’02年の蝶ヶ岳では熊さんとニアミスなど怪しい出来事ばかりで
今回もどうなることやらと思っていたが、直前に来た台風が雨雲を吹き飛ばしてくれた。
迷わず出発する。
河童橋ではあれれ、穂高が見えない。。。やっぱり梅雨空なのかなという天気。
しかし天気予報を信じて徳沢へ向かう。
既にニリンソウは終わっていたが、久しぶりに山の匂いが心地良い。

徳沢キャンプ場
昨年秋以来だが紅葉の時期もいいが新緑もかなり綺麗だ
今年は川釣りにはまっているせいか、途中梓川が気になって仕方が無い。
水が綺麗でいいポイントばかりに見える。
小澤氏とも明神池で一度でいいから投げてみたいと話す。
きっと余裕で尺イワナ、いや2尺イワナが1キャストで来るに違いない。。。
などといっているうちに2.5時間でようやく横尾に着いた。
ここで東京から来たというおじさんに出会う。
北穂に行こうかとも思ったが、雪があるので槍にしようっと。。。などと言って槍沢へ登っていってしまった。
横尾まで来てどっちに行こうか悩んでいると言うのもなかなか魅力的な話かもしれない(?)
天気もかなり回復してきて、前穂が望めるようになってきた。我々ものんびりしていられない。
横尾からはここまでとは違って本格的に登山道になる。
しかし槍沢沿いなので厳しい登りもまだなく、槍沢を眺めながらののんびりした遡行だ。
一ノ俣、二ノ俣と美しい渓谷を楽しみながら上流を目指す。
釣りをしていると自分という人間はホントに川が好きだと実感するが、この日の前半は渓谷美を
楽しめる絶好のコースであった。

梓川上流の美しさは格別でした
気づいてみると空も紺碧でした
まもなく槍沢ヒュッテというところで梓川をふと見ると、1頭の若いカモシカがこちらに向かって
ざぶざぶと川の中をかけてくるのが見えた。
アレ?気づいてないのかなと思った瞬間、カモシカと目が合った。
顔色を変えて(?)カモシカはもと来た道へ走り去っていった。
毛むくじゃらの顔なので顔色なんて無いのだけれど、たしかに顔色が変わった気がしました。。。(^^)
槍沢ロッジに付くと小休止。しかし、小澤氏、わたくしとも結構お疲れ気味。なんといっても結構おっさんなのだ。
しかし槍沢ロッジのすぐ横が今年の冬の雪崩で木が沢山倒れてしまったために、槍が見えるようになったそうだ。
槍見河原では気づかなかった槍をここで見て元気回復。上を目指す。
しかしここまで横尾を過ぎてからは殆ど人に会わない。梅雨の槍は実にすいている。

ババ平(旧槍沢ロッジ跡)からの大曲り方面
雪渓が切れているのでまだ雪渓上は行けなさそう。
もうしばらく夏道をたどることにする。
写真右側(左岸)を高巻くように夏道がある。
しかしすごい天気になってしまった
ババ平の旧槍沢ロッジ跡で旨い水を飲み、出発。
また槍は見えなくなってしまったが、槍沢をたどれば確実に槍に近づいている。
この辺りは新緑がまぶしい。
ツツジも見頃だが、これだけ人がいないと見てくれる人がいないと言って嘆いているかも。
まもなく大曲りに着くといよいよここからは、雪渓に入る。
いちおうスパッツと軽アイゼン(6本爪)をつけるが、プラプレートが無いので団子がついてしまいかえって歩き辛かった。
雪は緩んでいるのでキックだけで充分登れると思う。
もっとも天候次第で硬くしまっていることも有ると思われるのでやはりアイゼンは必携だ。
きつい雪渓の登りが続き、グリーンバンド下の氷河公園への分岐点付近で、槍沢ロッジの人が雪崩の調査を
しているのに出会う。道を教えてもらって、行動食を取り、再び登りはじめる。
相変わらずキツイ登りが続く。雪の消えた支稜を登り、途中からグリーンバンド上へトラバースする。
トラバース地点は結構な斜度(30〜35度くらい)の雪渓をトラバースするが、小屋の方が雪面カットしてあるので歩きやすい。

トラバースルートを行く小澤氏
二人とも結構お疲れです
グリーンバンド上にでると遂に槍が目前に見えてきた。
ここまではなかなか見えないのでホントに今日着くのかなという感じがするのだけど、ここで槍の姿を仰ぎ気合が入る。
しかしまだまだ厳しい登りが続く。

わたくしと槍
いやはや、まだ遠い。
しかし何処までも真っ青な空と雪と岩のコントラストが美しい
雪面には道しるべの赤リボン付きの枝が立っているが、一本一本たどるうちにようやく殺生小屋付近までたどり着いた。
ここでしばらく休憩後、もう一踏ん張りして肩にある槍岳山荘を目指す。
直登ルートは雪解けしたばかりで荒れていてガラガラして歩きづらい。
約1時間のアルバイトで漸く小屋に到着。16時であった。
小屋の前で福井から来たと言う女性の方と横尾で追い抜かれた東京から来たおじさんと談笑する。
福井から来た方は新穂高から槍平経由で登ってきたそうだ。しかも朝3時に登り始めて、朝8時半に小屋に着いたそうだ(絶句)
また東京から来たおじさんもなんと午後1時に着いたそうな。。。恐れ入る人ばかりです。
この日はすぐにガスが出て展望がなくなってしまったので、槍登頂は明日にしてのんびりすることにした。
聞けば、収容人数1000人以上のこの小屋に従業員5人、宿泊客10人だそうだ。
これだけいないとちょっと変な感じだ。
この日は談話室貸切りでナイターを見ながらビールで乾杯。眠くなって8時半就寝。
ちなみに個室に泊めてもらえました。布団もダブルで使用させて頂きました。。。

一万尺の晩餐
日本昔話風てんこ盛り御飯で頂きました。
この日の味噌汁のおいしかったことは忘れません。
6月22日
槍岳山荘4時→槍ヶ岳ピストン→槍岳山荘
槍岳山荘7時→大曲り8時30分→槍沢ロッジ9時20分→横尾10時20分→河童橋12時30分

二日目の今日は、朝一番で槍登頂した後、下山。明日からはまた天気が崩れるらしい。
せっかく登った雪渓を下ってしまうのはもったいないけど、折角もってきたケツゾリが活躍しました。
朝3時半起床。朝焼けに期待して槍山頂へ向かう。
槍に登るのは久しぶり(というか10年ぶりくらい)だが、あいかわらず面白い。
途中からだいぶ明るくなって、東の空が赤くなってきた。
この朝、一番に槍山頂に到着。だれも居ない槍というのもなんだか変なものだ。

槍ヶ岳山頂からの御来光
心が洗われる瞬間だ
背景 右のピークが大天井岳、正面奥が燕岳
しかし槍の頂上から見ると何かが足りない。。。
そう、槍が見えないのだ。槍の頂上からは槍が見えない。
これは盲点だった(?)

朝焼けの穂高連峰
前穂からのびるノコギリ状の北尾根が美しい。
残雪も赤く染まっていた

槍頂上にて
誰かさんと煙は高いところが好き
御来光も久しぶりに堪能したところで、槍を降りる。
この日一番に登って、降りたのは最後だった。やっぱり頂上は気持ちいい。
六時から朝食を摂る。
しかしテントでばかり来ていると黙っていても朝飯が出てくると言うのは実に贅沢なものだと思えてしまう。
朝食後、またまた談話室でテレビを見る。
『釣りロマンを求めて』 で磯でヒラスズキをルアーで釣っていた。小澤氏とうーむと見入ってしまった。
一万尺の稜線で磯釣りを見るというのも乙なものだ。
7時10分槍岳山荘出発。名残惜しいが小屋をあとにする。
今日の下山ルートはほんの少しだけ変えて東鎌を殺生小屋の直上まで行き、殺生小屋へ降りることにした。
東鎌の方から見る槍は北鎌を従え、これまたかっこいい。
燕から喜作新道を辿る表銀座ルートはまだやったことがないけど、こんな景色をみるとまた行ってみたくなってしまった。

東鎌からの槍ヶ岳と槍岳山荘

槍近くの東鎌に咲いていた花
不勉強でなんて言う花なのか判らないが
早くも咲き競っていた
いよいよ槍沢を下る。
斜度が手頃なところで、ケツゾリで滑ってみる。
距離が長いので痛快だ。
昨日一生懸命登った所もあっという間に下ってしまう。(行程図参照)
大曲りから槍の肩まで、5時間かかったところを、1時間半足らずで下ってしまった。
もっともその気になればもっと早いと思うけど。
一応断っておくと、これからの時期融雪が進むとクレパスや薄くなるところも増えるし、部分的にガレも出てくるので
気を付けないと危険だ。ガレ場に突っ込んだらシャレにならない。
楽しかった雪渓下りが終わるとまたひたすら下山。
ひらすら歩きとおして、12時半河童橋に到着した。
初めて行った6月の槍だったけど予想以上に楽しかった。また行こうっと。(おしまい)
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