7号車:碓氷峠アプトの道旧線ハイキング

2003年5月10日(土曜日) 天気:晴れ

 ゴールデンウィークの繁忙期も過ぎた5月10日、夏も近づく新緑の季節。爽快な風を浴びながら山道を、ということで訪れたのは群馬県から長野県へと続く碓氷峠。1997年9月まではここでJR信越本線の列車が日本最高の勾配(66.7パーミル)を機関車と連結させて登っていたことで有名です。同10月の長野新幹線開業後、廃線となってしまいましたが、現在では鉄道ロマン満載の遊歩道です。

 10時をまわり、横川駅を降りるとハイキングの参加者はすでに受付を済ませて歩き出しているもよう。今回はあまり時間を気にせずに、気が済むまでゆっくりと歩きを楽しむことにしました。昨年9月に訪れたときとほとんど変わっていませんが、背景色が実に鮮やかな緑。心地よい空気がハイキング欲を十分にあおってくれます。

 歩き始めて間もなく、半袖Tシャツ一枚でも十分寒くなさそうなのでこのスタイルで歩き通すことに。空気が澄んでいるので、疲れた時にはすぐに深呼吸♪(都会では深呼吸すると逆に苦しい時もあるので…)家族連れも楽しくハイキングを楽しんでいるようで、至るところで記念撮影をしながら登っていきます。

 今でもすぐに列車がやってきそうに見えますが、廃線になって列車が通らなくなったのはまぎれもない事実。どう考えても惜し過ぎると思いながらもどんどん進んでいきます。上り線(坂を下るほう)は舗装されてレールの頭だけは見える状態になっていますが、下り線(坂を登るほう)は廃線後ほとんど手が加えられていません。レール、枕木から砂利まですべてがごくごく普通の現役の線路そのものなのに…!

 歩いていると国道18号線や上信越道などを走る車の音が聞こえてきますが、それ以外は鳥のさえずりと風・水の音だけ。私は残念ながらこの区間が廃線になる前に乗車したことがありません。当時の乗客がこんなにすばらしい景色と自然の音を楽しめたと考えると、路線復活を願わずにはいられなくなります。

 坂を登っていくと、ハイキングコースは旧国鉄信越本線(昭和38年までの路線)跡へ入ります。トンネルのまわりも当時の廃線後は一旦埋められていましたが、遊歩道化にあたって再び掘り起こされたそうです。現在では整備されてトンネル内には懐中電灯なしで歩ける照明も完備。5号トンネルまで抜けると、「めがね橋」(碓氷第三橋梁)の上に出ます。

 「めがね橋」の上からは新緑に覆われた山々を一望できます。その新緑の中にJR信越本線の鉄橋も見えます。「めがね橋」の向こう側には軽井沢へと続くトンネルがまたしても見えますが、残念ながらハイキングコースとしてはここまで。トンネルの中に立ち入ることはできません。そのトンネルの横手には橋の下に下りられる階段があります。やはりここまで来たら下から「めがね橋」を見上げないと! 橋の下を流れる渓流の川辺では昼食をとる人々も。川のせせらぎを聞きながら…そんな風情のあることを一度はやってみたいものです(やっぱり釜めし買っておけばよかった!)。

 今来た道を引き返していくと、右手には碓氷湖が見えます。冷たい麦茶のおもてなしを受けて、碓氷湖を一周する遊歩道を散策。釣りを楽しむ人もちらほら。ここでもお弁当を広げて楽しそうにしている光景を見てまた後悔(笑)。ハイキングというより、なんだかピクニックに来たような感じで楽しめる1周約20分の遊歩道です。

 さらに戻っていくと、「峠の湯」という日帰り温泉施設があるので立ち寄っていくことに。風呂に入って休憩できる、風景は最高、空気はおいしい、これで3時間500円なら良心的な料金だと思います。ハイキングでかいた汗を洗い流し、休憩してしばしのリラックスタイム。思わず20分ほど眠ってしまいました♪

 あとは駅までの道のり。行きは舗装されている下り線を通ったので帰りは上り線を通って帰ります。昨年歩いたときには途中、足元に草がボーボーに生えていたのに、今回は除草作業をしてくれたせいか、足元の草もなくラクラク歩いていけました。丸山変電所跡を過ぎて、昔の踏切から脇道を歩いていきます。線路を見下ろすかたちで、ここに列車が来れば絶好の撮影ポイント(このページ最後の写真参照)!

 再び廃線跡を歩き、再び悔しい気持ちがにじんできました。しかし先日うれしいニュースを見つけたばかり。「峠の湯」から「碓氷峠鉄道文化むら」まで、トロッコ列車の運転を2005年5月から始めると松井田町が計画している(メールマガジン「鉄道ウィークリー」2003年3月7日付/218号より)そうです。現在入れない区間に行けるようになるわけではありませんが、あの線路はやはり復活の時を待っているのです。

 さて、今回もコースの評価をしなければ…。コースだけを純粋に考えると、「星2つ半ですっ!!」という評価。やっぱり来た道をそのまま引き返さなければならないというのはちょっとマイナス。しかし景色や空気、それに鉄道ロマンの面では星3つでは全然足りません。星5つくらい差し上げてもいい、本当におすすめできるコースだと断言します。


スタート地点であるJR信越本線「横川」駅


妙義山系のごつごつした岩がむき出し。手前は「碓氷峠鉄道文化むら」


ハイキングコースの起点にある案内板


アブラナの花(碓氷峠鉄道文化むら横)


廃線となった信越本線を歩き、写真を撮る家族連れも


もう使われることのなくなった踏切跡


丸山変電所を過ぎたあたりから勾配が急になる


旧信越本線方面に歩くと「峠の湯」がある(あとで立ち寄り)


碓氷第二トンネル前


松井田町のシンボルにもなっている「めがね橋」(碓氷第三アーチ)


「碓氷第三アーチ」説明板(クリックすると拡大版:79キロバイト)


「めがね橋」の下を流れる碓氷川。これぞまさしく渓流


碓氷湖全景


ツツジの花(碓氷湖の遊歩道)


碓氷湖から流れる坂本ダム。白いカーテンがきれい


碓氷湖を一周できる遊歩道


遊歩道にある個性的な橋の中のひとつ


「峠の湯」前。やはりシンボルの「めがね橋」の形をしたアーチ


レンガ造りの丸山変電所


こんなふうに鉄道ファンが写真を撮っていたのだろう。
今ではいくら待っても列車が進入してくることはない…



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