梅雨もまだ明けきっていない2003年の夏、曇り空の山梨を訪れました。国蝶である「オオムラサキ」の生息数が全国ナンバーワンといわれる山梨県長坂町。この雄大な自然のなかから、あの小さき者を探しだすことができるのでしょうか? JR中央本線「長坂」駅は「新宿」駅から150キロあまり。お世辞にも大きな駅ではありませんが、この日はハイキングイベントのために3本の特急列車が臨時停車。ちなみに私は自分なりにガラガラの各駅停車で長坂駅に向かいました。(“鉄”やってると特急に乗るのもB特急の範囲だけで済まそうとか、そういう考えが第一に来てしまうんですよ。)
駅で受付を済ませると、サントリー株式会社さんから「DAKARA」の245グラム缶をいただきました。そういえば4月に山梨市を歩いたときにももらいましたが、どうやらJR東日本・八王子支社のイベントでタイアップしているらしい…? 隣の「日野春」駅までが「オオムラサキ自然観察歩道」となっています。駅を発ち、想像どおり自然にあふれるコースを歩くことに。線路の脇から「山梨県農業大学校 長坂教場」の庭に入ります。
教場の庭を抜けると、ここから遊歩道は林道に入ります。前回のハイキングのときもそうでしたが、なんだかこういった林道を歩くときにはいつもぬかるんでいるのは「♪なんでだろう〜なんでだろう〜♪」。「駅からハイキング」スタッフが設置した案内プレートにもご丁寧に「足もと滑りやすいので注意」と書かれてあり、警戒しながら歩いていきます。一歩一歩坂を下りていくごとに川の流れる音が大きくなってきました。どうやら「大深沢川」に近づいているようです。坂を下りきったところに、国蝶「オオムラサキ」の説明板があります。このあたりに飛んでいることが多いそうで、しばらく立ち止まって探したのですが、発見することはできませんでした。深沢橋を渡り、先へと歩いていきました。大深沢川に沿って歩いていくので、“せせらぎという名のBGM”を楽しみながら軽快に歩くことができます。
まわりの森林や田畑の景色だけなら、私の地元でもじゅうぶん楽しめますが、そこに“せせらぎという名のBGM”があるのだから、かないませんな…。小さな橋を渡り、再び丘の上へと林道を登っていきます。さすがに途中で休んだりする方も多く、途中、私自身もちょっとツラいところがありました。登りきったところで、地元の方々によるブルーベリージュースのおもてなしがありました。あの上り坂のあとなので、さらに美味しくいただけました♪ そこからはしばらくのどかな田園風景。時がゆったり流れる気がします。目の前には南アルプスの雄大な山々が広がっているのですが、曇っていたため、ハッキリとは見ることができません。
「オオムラサキ」を探しながら歩いているのですが、なかなか発見できません。白や黒のチョウはそこらじゅうにいるのですが…。さらに歩いたところで人が集まっています。「何だろう?」と思ってのぞき込むと、おぢさんがオオムラサキを持っているではないですか! ハイキング途中で発見できない人のためにつかまえてくれたようです。表も裏もよく見えて大満足! おぢさん、どうもありがとうございました!(なお、オオムラサキを捕獲して持ち帰ったりすることは禁止されています。この方もみんなが見ている前できちんと空へ逃がしました。)
途中、生態観察園に到着したときにちょうど12時をまわったので、あらかじめ用意していた駅弁で昼食。ハイキングとは関係ない話題ですが、今回食したのは中央線100周年記念として発売された「新宿弁當(しんじゅくべんとう、1000円/税込)」。甲府駅で乗り換えのついでに購入したのですが、すごく美味かったです! ボリューム・おかずバリエーションもかなり充実していてオススメ。中央線ご乗車の際には、ぜひ一度味わってみてください…できれば、美味しい空気の味わえる場所を選んで。
生態観察園を出ると、ハイキングコースもラストスパート。中央線の踏切を渡り、今回のゴールである「オオムラサキ自然公園」へ。ゴール受付を済ませて、今回のハイキングは終了。今回のコースは実に良い自然景色と適度なアップダウンもあって、文句をつけられるようなものは1つもありません。「星3つですっ!!」は当然ですな。(笑)
無事にゴールできたら、ハイキングの余韻をここ「オオムラサキ自然公園」で楽しみます。園内には自由に自然観察のできる森や、オオムラサキなど周辺に生息する動物達の生態資料を備えた「オオムラサキセンター」があります。入館料300円(団体割引料金、通常は大人400円)を払い、動物の生態などについてちょっと勉強。「オオムラサキが国蝶に選ばれたわけ」など、興味深い話題も知ることができます。資料館の先には「びばりうむ長坂」というオオムラサキが飼育されている施設があります。ここは別に温室になっているわけではなく、網張りの、外気をそのまま活かした空間です。施設内のいたるところに置かれたパイナップルの切り身にチョウが集まっています。近づいてもじっとしてくれるので、観察・撮影などやりたい放題! チョウの触角や脚の動きなどをじっくりと見ていて、なんだか童心に返ったかような気持ちになりました。
あとは「日野春」駅まで約10分の道のり。駅では他の参加者の方も列車を待っています。3両編成の列車に乗りこむと、隣の女子高生が「今日、人多くない?」と言っていました。地元の方だとは思うのですが、ハイキングイベントのことをみんな知らないのかも。なんだか身近にある自然風景が「宝の持ち腐れ」になっていませんか?(苦笑)

JR中央本線「長坂」駅前。翌日、「ホタルの里まつり」が催された

深沢橋までの林道は曲がりくねった下り坂

深沢橋

深沢橋手前にある「オオムラサキ」の説明板

「日野春」駅までのハイキングコースにこうした案内板がある

再び「大深沢川」を渡る

南アルプスを眺めながら歩くハズだったが、曇っている…

コスモス

ヒルガオ

ブルーベリーがいたるところで栽培されている

サルノコシカケ(茶色の茸)

「びばりうむ長坂」でやっと会えたオオムラサキ

「びばりうむ長坂」に置かれているパイナップル。
この匂いにチョウが集まるのでゆっくり観察できる
