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どーん、どーん――ドンドンドン! どがあぁっ!! 「な、なんだぁ!?」 ドアをノック――というより乱暴にドアを叩くどころか蹴破る音で、俺は目覚めた。 「おはようフェルプスくん――もとい紗衣くん。今回の君の任務だが……」 見れば、女物のスーツに身を包んでテーブルに片足を乗せ、その膝に頬杖をつくようにしてポーズを決めた女性が立っていた。 空いた手は、腰のくびれとヒップラインを強調するような位置に置かれている。 「ね、義姉さ――」 「暗黒色(ダークネスブラック)の波紋疾走(オーバードライブ)ッッ!!!」 「じょばぁなっ!?」 「ふっふっふ、私を義姉と呼ぶにはまだ早いようね」 義妹の繰り出す暗黒姫武神竹槍流の技とは、威力も速さも胆力も膂力も正確さも内功の冴えもケタ違いに上の攻撃が俺を襲った。 圓明流受け身を完全に習得した俺でもそのダメージを完全に緩和する事はできず、思わず銀河をバックにのけぞりながら天高く舞ってしまう。 女性の名は、はぐれ刑事七菜子。 暗黒スレッドの長ろ―― 「長、何かな?(にっこり」 暗黒スレッドのカリスマだ(滝汗 「ちょっと違う気もするけど、まあ、いいか」 ほっ(安堵 暗黒家族計画 ―― ブーゲンビリアの約束 ―― 「と、ところで今日はどのような御用件で?」 とりあえず奥義『実は無事だった』を使って平静を取り戻した俺は、ビクビクしながら訪問の理由を尋ねる。 この女性が自分から俺を訪ねてくるという事は、常に何らかの無理難題――とまではいかなくとも、えーとなんだっけ、アレだ。いつも磯野家の家長のと囲碁だか将棋だかチェスだか軍人将棋だかぽこぽこ軍将だか忘れたけど、相手している人――些か難物を持ちこんでくるのが常なのだ。 まあ、構ってくれるのは嬉しいので、俺もついつい引き受けてしまう訳だが。 「あん? 何言ってんの? 今日は約束してたでしょうが?」 「へ? 何も約束していた憶えは――あります」 凄みを利かせて『暗黒戴天流・雲霞渺々』の構えから奥義である『六塵散魂無縫拳』を放とうとしているこの女性を前に、否定の言葉を返す勇気は、俺には無かった。っていうかコレ食らったら絶対死ぬ。死ぬどころか肉体は塵の如く、魂は霧の如く霧消し、輪廻の輪からも逸脱させられる。 従いながらも、俺は今生は元より生前そして前世、果てはアカシックレコードの末端まで、できうる限りの記憶をまさぐって件の『約束』とやらに心当たりが無いかと半ばトランス状態になってまで記憶を遡ってみたが、特に得るものは無かった。 そうだ。俺は七菜子さんとの約束をすっぽかした事はあっても、忘れた事は無い。 こうなればもはや取るべき道はひとつ。 ギアナ高地とか中国奥地の大瀑布とか聖域とか男塾とか二天の窖とか虎の穴とかメロンブックスとかに行って修行を積まねばッ!!(なんでだよ と、思ったが、今回はあまりにも俺の時間と能力と体力と気力とその他諸々が少ない。 なので今回は…… ![]() イヤぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!! 罰ゲームはイヤぁぁぁぁぁぁっ!! 終わる(マジでゴメンナサイ |