Knife08

撮影:宮坂政邦 提供:ナイフマガジン
田崎成一作品
田崎さんの事を知らない世代が増えてきました。当店でも本人がいま何処で何をしているか分かりません。
「じゃあ。」って、とある葬式で言葉を交わしてもうすでに5年以上時が流れました。
田崎さんは、その人の為に一本のナイフを作り続けていました。いわゆるパトロン御用達の職人とでもいいましょうか。・・・買わない評論家は不要そんな破天荒なメーカーです。数少ない理解者がいて、生活出来て、好きなナイフを求めて・・・。知らないヤツは何とでも言ってくれそんなメーカーです。そして、こよなくナイフを愛し知識・執念は四郎さんにもひけをとらないでしょう。たまに、パトロン仕様の作品が店頭に回ると、「なんだ、田崎さんって上手いじゃない。」なんて言われてしまいます。感性は良いけれど作りが雑でなぁ・・・どの程度ナイフを研究しているの?少しは教えてやればいいのにと何度も「反論しろよ。」と歯がゆい思いをしました。彼を支えていたパトロン達のナイフレベルはデイーラーがどんなに束になっても敵わないから、きっと言わせていたのでしょう。そこらのナイフマニアでは扱えない厄介な職人さんでした。たまたま、パトロンの一人からナイフを見せてもらいました。ぶっ飛びました。10年位前の作品ですが、圧倒されました。中村英二氏がいくら上手くなったとはいえ、差が歴然としていました。
「四郎さんの背中が見えねぇ。」時々もらした言葉です。でも、こうしてパトロン仕様のが現れると、まだまだ三番手の存在が遠く遥かです。
ちなみに上の写真の折りたたんだまんまのナイフは経年変化でアクションがガタガタです。それでも二本まとめて「これが味だよね。」といって、買って下さいました。風の便りもありませんが、「田崎さんのナイフを分かってくれる人がまた現れたよ。」何方か伝えて下さい。にっこり笑って照れながら現れるかもしれません。・・続く・・。