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古川四郎掲載分 ナイフ雑学その1
4月2日(BBS)
このぺーじをご覧のかたよりナイフに関する面白い話しが無いものかというご注文がありましたので、適当にナイフ雑学を語らせていただきたます。あくまでも雑学ですので間違いがあるときも有ると思いますが悪しからずご了承下さい.基本的なことですがナイフのパーツについて話してみたいと思います。ナイフと言うと西洋文化の産物なので語る上でやたらとカタカナもしくわ英語でパーツ名を表します。其れで刃の事をブレードと言うのは問題無いとして、つぎに刀で言う鍔(つば)の部分をどう言うわけかヒルトと言われてますが、これが実は大間違いなのです。
そもそもナイフのパーツの名称はフェンシングの剣からの流用が多いようです。それでヒルトと言うのはグリップの事で刀で言う柄(つか)の事を言います。けっして鍔の事をヒルトとはいいません。其れではつばの事をなんと言うかというと。ガード・又はフィンガーガードとよばれています。ただし形状によっては全く別の呼び方をする場合があって、キリオンと呼ぶ場合があります。
この場合はヒルトに対してほぼ直角に交わる丸棒のガードの場合にのみキリオンとよばれています。
それではどうしてこのような間違いが日本だけに限らずアメリカでも起こっているのか。日本人が英語のナイフのカタログを見てそのように書いてあれば間違っても仕方が無い事だと思います。しかし英語圏のアメリカの人がどうしてこのような間違いをしてしまうのか、長年疑問に思っていました。色々な文献をあさって、一度だけアメリカンブレードと言う雑誌でやはりヒルトとはグリップのことで鍔のことではないと言う記事を読んだことがあります。その記事を書いた人が有名人ではなかったのかもしくは記事に説得力が無かったせいか、その後もやはりヒルトとガードは混同されているようです。私の私見では有りますが、本来のナイフ研究者の人達はその著書によってこのような間違いを犯してはいないのですが、そのような本を読む人達が誤解してしまったのです。
このような間違いは主に、書いてある本文を読まずにデザインを使うためにナイフの写真とそこに書いてあるナイフ材料の説明だけにとらわれるからだと思います。確かにナイフの写真が載っていてスタッグハンドルで後はガードしか見えない写真にBlade
is steel. Hilt is German silver. Scale is
stag.と書いてあれば日本人のみならず英語圏の人達も鍔のことをガードとは言わずにヒルトと呼ぶのが正しいと思ってしまっても仕方が無いでしょう。しかし写真と文章ではわからないのですが本を書いているナイフ研究者の人達は実物を眼にしている場合が多いのでそのような明らかな間違いを書いてるとは思えないのです。このような場合、答えは簡単なのですが、グリップとガードが一体鋳造の鋳物のハンドルで出来ていたからです。このような、ブレードとは別の素材で外に露出している柄又はハンドルに関して Hilt
is German silver そこにフルタング風にスタッグが貼ってあれば scale is stag
と書いてあるのです。18~19世紀のイギリスや他のヨーロッパで盛んに行われた作り方で今でも錆びやすい鋼材のブレードのときに用いられて要るテクニックです。
4月4日(BBS)
madmikkeさんご声援ありがとうございます。NISIKANさんガードという呼び方が適しているのではなく、ガード又はキリオンなのです。
Hilt(ヒルト)がこのように混同される原因は他にもあって、この言葉が刃物にだけ使われる特殊用語だからなのです。一般的にはハンドル又はグリップと言うと誰にもわかるのですが何故か刃物以外ではヒルトという言葉を使わないようです。それで英語の辞書を引くと古い英語と書いてあるのですが良く読むとさらに語源はスカンジナビア語と書いてあるのです。
イギリスの民族の変遷を調べるとネアンデルタール、ケルト、ローマ、アングロ、サクソン、と様々な人種が入れ替わって最終的にノルマン人が統治する事になります。ノルマン人と言うと現代のノルウェーかと思いそうですがフランスのノルマンディーにいた人たちの事です。そこでやはりスカンジナビア語と言うとバイキングの事しか思い当たりません。今でも優秀なスウェーデン鋼を使った当時の剣はアーサー王のエクスキャリバーの伝説を生み出したりしました、その名残として刃物のグリップに関してのみスカンジナビア語のヒルトという言葉が残ったのではないかと思います。
ヒルトに関してはご理解いただけたと思いますので次にガードとキリオンについて説明します。
総括するとキリオンもガードなのです、一般的に刀の鍔みたいに板状の物はガードと呼ばれています、棒状のものはquillion(キリオン)又は、キリオン・ガードと呼ばれています。これも語源を探って見るとフランス語で刺(とげ)と言う意味があります。確かに刺が出ているように見えますのでそう呼ばれているのでしょうがここにもかってフランスの刃物文化が影響を及ぼした後があります。1400年だい当時大流行したそうです。
次にその他のパーツとしてフェルールferrule)とポメル(pomel)と言うものがあります。
フェルールと言うのは鍔とハンドルの間に有る口金のことで機能的には鍔が動かないように安定させる目的と細いタングが折れないように補強する目的が有ります。このフェルールと言う単語もやはりフランス語から来ています。
ポメル(pomel)と言うのは英語で言うバットキャップの事ですが、これも語源はフランス語でバットキャップの他に、ジャガイモとかリンゴまたは果物とかの意味もあります。そう言われてみると、それでフェンシングやサーベルのバットキャップの形が果物系の丸いかたちをしているのかもしれません。
これでひとまずナイフ雑学その1を終わりにさせていただきます。これ以上やるとナイフ雑学ではなく、ナイフ.トンデモページになりそうですので。
ナイフ雑がくその1の最後のほうでポメルの綴りをpomelと書いてしまいましたがpommelの間違いです。