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古川四郎掲載分 ナイフ雑学その2

4月6日(BBS)

 リーサルイワポン様NISIKAN様、シルバーフルーツナイフに関する大変貴重なご意見楽しく読ませていただきました。しかしながら私の私見とはかなり違っているようですので書き込んでいます。
 ナイフを語る上で注意しなければいけない事は、現行品でもアンティークでもそのナイフが作られた時代背景、風俗、文化、の事まで考慮に入れて語らないと本質を見逃す事になります。
 今の日本と18世紀のイギリスでは何もかも事情が違うので、シルバーフルーツナイフの本当の意味をご理解いただきたいと思います。
 まず、シルバーフルーツナイフの発音ですが、シルバーは似たような発音なので余り気にすることはありませんが、問題はフルーツのほうです。
 2年程前、ラスベガスのギルドショーで、自分の作ったナイフがフルーツナイフと説明するのに大変苦労しました。フルーツと書くと日本語なので、フとルーとツの3音節で構成されますが、英語の発音だとフルッみたいに最後のtを発音しない1音節の発音になりますので、フルーツと言っても米国や英国の人には全く通じませんでした。ウーそう言えば、オランダ人もいたしフランス人もいたけど通じなかったなー。
 10年くらい前に月間プレイボーイで書いたことが有るのですが、もともとシルバーフルーツナイフと言うのは物を切るためのナイフではないのです。ジョージ3世が気に入った女性の気を引くためのプレゼント用に作らせたナイフなので切れる必要は無かったのです。ところがその効果があまりにも有りすぎた為に、周りで見ていた貴族たちも意中の女性を射止めようと真似をして、我も我もとシルバーフルーツナイフに殺到し、一大ブームを巻き起こしたそうです。
 物を切るどころか、実は縁結びのナイフだったのです。
 しかし、当時は砒素による暗殺も流行っていましたので食べ物の中に毒が盛られていないかを検出する目的もありました。ミラーフィニッシュで仕上げられた銀のブレードは料理に砒素が混ぜられるとたちまち白く曇って危険を知らせたそうです。
 シルバーフルーツナイフにはそのような目的もあって昔も今も切れようが切れまいがブレードは銀で出来ていて仕上げはミラーフィニッシュ、送られた女性はたちまち身も心も捧げてくれるようなものでなくてはならないのです。この一番重要な最後の目的がシルバーフルーツナイフの存在意義なのです。この事をお忘れにならないように...。

 
 
 それではナイフの能書きに入りますシルバーフルーツナイフには大きく分けてジョージアンとヴィクトリアンの2つの時代のものがあります。
それぞれの時代において外見的にも作りに於いてもかなり差があります。ジョージアンの物は外見はシンプルな物が多いのですが
ヴィクトリアンの物はハンドルが凝っています、ピンワーク、チェッカリング、エングレーヴィング、色々なパターンがあります。
 ロンドンのアンティーク街に行くと時代が古いか新しいかによって価値が決まりますのでホールマークが決め手になります。
それで外見の派手さより古いホールマークのジョージアンのほうが高くなります。
 しかし私の私見ではジョージアンの物が良く出来てると思います。ヴィクトリアンの物はちょっと古いとタングが磨り減って
ブレードの先が飛び出たりスプリングが利いてないものが多いようです。たまに良く動くものがあると1900年代の物だったりします。
それに比べてジョージアンのものは古いのに良く動くのです。
これらは時代によってスプリングの鋼材の作り方の違いによる差だと本に書いてありました。続く

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