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刃物の切れ味について 投稿者:古川四郎  投稿日: 6月13日(水)21時17分04秒

 琢ちゃんのナイフ解体新書が一段落したようなので、作る側からの補足として呼んでください。
 ナイフを作る上で一番の避けたいクレームは、私の場合このナイフは切れないんですけどと言われる事だと思っています。
 しかし昨今のナイフブームのせいで、立ち上がりがどうだとか、ヘアーラインが乱れているとかいう事の方が重要視されている気がします。
本来、ナイフの価値とは自分の思うとうりにものが切れる事だ私は思ってますので、これらの事は全く関係ない事なのですが、商売上そこがセールスポイントとして店頭で語られるからだと思います、エンドユーザーの方もそこだけに注目されている感があります。
その上買ったナイフが切れないなどと言おうもんなら紋切り型に「お客さんもともと刃物に即使い物なんて無いんですから自分で砥いで使ってくださいよ。」と言われるのが落ちだと思います。
確かに職人さんが使われるような切りだしとか彫刻刀ならこう言う言い方も解ると思いますがナイフはそう言う物ではないと思います。

刃物の切れ味について 投稿者:古川四郎  投稿日: 6月14日(木)01時23分40秒

 よく、刃物とか、刃物を作る職人に関して、「良く切れる刃物を目指しています。」とか言う人のことをどう言うわけかあまり良く言わない風習があるのですが、不思議に思います。
このサイトでもナイフのページで水谷さんが解説されていると思いますが北海道の方が見えられてこのナイフは切れそうだからだめだとか切れる事に関してはタバコのセロファンさえ切れなかったナイフのほうが枯れた味わいがあるとか評されています。
この事は琢ちゃんも別のナイフで経験してあせったと書いてありました。
本当にこのセロファン紙も切れない事はカスタムナイフにおいて、往々にしてあります。
大概の場合セロファン紙が切れるようになるまで刃物やさんの言うとうり、即使いもののナイフなんかないんだからとぎ直そうとすると、まるで違うブレードになってしまいます。
当然ながらそのように研ぎおろされたナイフはミントコンディションではありませんので本来なら、価値が上がらなければいけないのに商品価値は下がって恐らく誰も引き取らないかもしれません。
切れないラブレスを手にした琢ちゃんもやはり返品してしまったという事からも納得できると思います。
 ナイフに限らず刃物は切れるから価値があると思います。
 マスプロナイフはよほどの事がない限りそのような事はないようですので余り問題はないのですが、なんと言ってもカスタムナイフの場合1度も砥がずに5頭の鹿を捌いたり樫の木を滅多切りにした後、産毛をそれなければ話しにならないと思ってらっしゃる方が多いので私の場合出来るだけご要望にお答え出来るよう、日夜努力しておりますがまだまだ修行が続いています。
 まだ多摩市にいた頃の話しですが、当時出来立ての京王アートマンでA&Fの、赤津さんがナイフのメンテナンスの講座を開かれると言うので、貧乏で娯楽が少なかった私は、メイと二人で見に行きました。
簡単な刃物の歴史とかナイフを研ぐ道具とか具体的な砥ぎ方でした。
一通り終って最後に何かご質問は有りませんかと言ったとたん、このナイフがぜんぜん切れないんですけどといって日本製のカスタムナイフを見せながら、どうやったら切れますか、と、一人の方が質問をされました、赤津さんがナイフをチェックして、「十分刃は付いていますので問題ないと思いますよ。」
 しかし、そのお客さんは納得がいかなくて「爪楊枝が作れないんです。」と言ってさらに赤津さんに詰め寄られていました。
私は人が作ったナイフなので黙っていました。
原因はゲーム解体様に作られたハンティングナイフなので彼の要望に答えるためにはべたに砥いで片刃にするしかないとおもいましたが要するにその方は、そのままで、木も削れるナイフが欲しかったのだと思いました。
 このように日本人の心の中には刃物と言うと木を削るものと言う思いが、どこかに有るような気がします。
しかし日本の伝統的なうち刃物の場合は、さらに必要以上の切れ味が要求されています。
 20年ほど前になりますが、初めてアメリカに行った時メンバーの中に白鷹さんと言う法隆寺の改築ように千年持つ和釘を打った事で知られる四国の加治屋さんが居られました。
彼が言うには、
「古川なんで日本の刃物が切れるか知ってるかそれはなー、日本には、竹細工の文化があるからや何が硬いと言ってもあれほど切りにくい物はないんじゃ。」
そう言われて見れば、茶の湯で使う茶せんなど、その際たるものと言えると思いました。
その他諸々の竹製品が有ります。
それらを作るための刃物が切り出しとか、たけ割、だと言う事でした。

刃物の切れ味について 投稿者:古川四郎  投稿日: 6月15日(金)02時52分24秒

 さすが、包丁のことになると、立て板に水のごとき水谷さんの見事な論陣、恐れ入りました。
 刀などの日本の伝統的刃物の、伝統の重さを感じます。
 ヘンケルのマイスターの実演販売に関しては見たことがないので何とも言えませんが、ドイツのマイスターと言うのは国家試験を受けて、試験にパスしたら独立して生業を立てられると聞いた事があります。ナイフメーカーにもマイスター制度があってこの場合ナイフを作れる事は当然ですがプラス狩猟免許(この狩猟免許も国家試験で日本の狩猟免許と違って大変取得するのが難しいそうです)を持っていなければ成れないのだそうです。
ちなみに包丁のマイスターは、3星クラスのシェフの腕前も兼ね備えてなくては、ナーンてことはないと思いますが、ドイツの刃物のマイスターでも包丁とナイフは別れているような気がします。
 いずれにしてもマイスターになるのは、かなり難しいと思えますのでヘンケルのマイスターは並みの人ではないと思います。
ナイフと違って包丁はその国や、地域の食文化が影響を及ぼすのでそのマイスターが中仕上げで砥ぎを終わらせたと言うのであれば多分ドイツ料理においてはそれ以上の切れ味が必要ないのかもしれません。
私の乏しい、ドイツ料理の知識においても、包丁の切れ味が料理の味を左右する、日本料理のような物はメニューにはなかったような気がします。
各種ソーセージに、鹿の生肉、骨付き豚の腿肉ハムのアイスバイン、キャベツの酢漬けのサワークラウト後はジャガイモ、これらで包丁の切れ味が作用すると言えば強いて言えば鹿の生肉くらいではないでしょうか?

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