Treasure09

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 もう五年位前の話です。コレクターから、庖丁数本送られてきました。修理して欲しいとの事です。見るとさびがでていたり柄が取れそうになっていたりした状態でした。業務的に
「お客様、庖丁の寿命は刃の部分ではなくて、柄の方なのですよ。研ぎはしますが・・・新しいのに交換しても十分かと思います。」すると「使わないで保存したい」どうも訳を聞いてみると「亡き母の使っていたのが出てきた」という、とても重たい重たい言葉が出てきました。暫く考えて「今回ばかりは、多少時間と金をかけて、それなりのモノを復元させて下さい。」とこちらから、逆に提案しました。
 それからが大変でした。誰に頼むかこれが全てですので、慎重に考えて、島田英承さん、そして浦部雅博さんにお願いする事に決めました。・・・最高の素材を使って最善の努力と技術と誠意をのせて宝物を再現して下さい。これこそカスタムナイフの最高峰となれるようにお願い致します。コレクターの母堂の為にもお願い致します。・・・この時二人とも十分に事の重大さ認識してくれました。納期はそれこそ三回忌が行われる頃でしたが、二人の母堂への作品は十分に鳥肌をたたせてくれました。納品に協力してくれた二人には今でも感謝をしています。物凄いナイフを持つコレクターですが、この二人の作品が一番だと自負しています。実はこの手の依頼が一番プレッシャーがかかり、時間と技術の割りにはお金をとれないものなのです。それでいて心意気を問われあきんどを善良なナイフ好きにならざるを得ない厄介なお仕事なのです。・・そういえば、当時情報誌から、出来たら是非取材したい。といわれていましたが、コロット忘れていた。
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