2007/5/31
収穫時の果実の大きさは、[細胞数×細胞サイズ] で決定されるが、細胞分裂が盛んなのは開花後2〜3週間の期間だけなので、この時期の細胞分裂にまわす栄養分を確保する事が重要。
リンゴの場合は、作業可能な期間が短いので、時間が余ったときの補助的な作業となり、剪定による花芽数の制限が主な作業対象となる。
摘蕾と同時に行う作業
花弁の散る前か後かと云うだけの生育ステージによる分類で、頂芽花と腋芽花では開花時期に2週間もの差があるため、作業場では摘果との明確な区別は無い。
開花後順次行うが、「ふじ」と云う品種では特に落花後2〜3週間を過ぎると摘み残した果梗が翌年まで残ってしまうので、ふらん病の温床になったり果実を傷つけるなどの傷害を起こしやすいので、優先して作業する。
摘果剤を使う場合、同一花叢内の開花時期が近接しているため、中心花だけを残そうとしても難しく、遅れて咲く腋芽花を落とす事に狙いを付けた方が良い。
よって、薬剤使用を前提とする場合、摘花時に開花期の離れた腋芽花(極めて小さな蕾など)は無視してよい。
同じ果叢に2個以上の実が付いたまま、肥大期の後半までいってしまうと、互いに押しのけられて果梗が変形するため、夏以降に一つだけ残そうとしても残したものまで落ちてしまう事が多い。
最終着果量は必ず葉数を基準に決定し、小型種では1果に付き30枚程度、大型種で40-50枚とする。
「枝3本に1つ」とか「摘果前果実の5つに1つ」などといったものを目安にする習慣は、剪定の程度や実止まりの状態で変わるので意味が無い。
残す果実の間隔は、最終的に15cm以上必要で、これ以下では互いに日陰を作って着色が妨げられたり、傷を付ける原因となる。
定規などの道具は作業の邪魔になるので、親指だけ伸ばし手握った手(手のサイズによっては小指も伸ばす)のサイズを定規代わりに使うとよい。
新梢が果実に傷を付ける事もあるので、状況により掻き取る。
つるサビの出易い品種(王林、さんさ、など)は幼果期からすでに果形に違いがあって、中心果の断面が楕円形なのに対して側果の断面は逆三角形に近く、果梗側の肩が張った形をしている。
中心花を残すのが望ましいが、霜害や隔年結果などで着花数が少なく、残った花叢の中心果も既に脱落していたり傷害・奇形・生育不良などがあって側果の中から選ばなければならない時は、僅かな大きさの違いは無視して果形を重視すること。
上向き果、太い枝(徒長枝になってしまった枝)に着果したものは、枝が日陰を付くって着色しない。
周囲が成熟期に達しても着色せず、果肉も未熟なままになる果実の事。
近年主流の着色系枝変わり品種では、着色してしまう為、表面の艶や地色の残り具合に違いはあるが、外観による判別が難しく、市場に流通して不評を買う原因となっている。
(参考データ)青子を生じる原因は不明だが、開花期にホウ素欠乏があって落花しないと、縦断面が逆三角形の果実(逆実/さかさみ)となり、下半球の果肉は青子と同じ食感・味になる。
シルバーシート(シルバーマルチ)などの補助資材の効果は、概ね手を伸ばして届く範囲に限られる。
これ以上の高さの枝しかない場所では、散乱光が十分に届くので必要ない。
敷設する場合、果実の真下が良いとは限らず、シートを鏡に見立てたとき、果実の位置から太陽が映って見える場所でなければならない。
全園敷き詰める場合を除き、幹の付近よりも、通路に敷いた方が効率が良い。