リンゴの短首果(亜鉛欠乏)

1999/08/16〜2008/6/20(ページ独立)



【概要】

 一般的な亜鉛欠乏は茎葉のロゼット化だが、春先に起こる欠乏では果梗が極端に短くなり、着色のための玉回し作業が困難になる他、果実の縦経が制限された扁平果になる。

 亜鉛は体内で再移動して利用される成分なので、前年に体内貯蔵させることができるし、永年作物の場合は落葉後の樹皮からも吸収するので、発芽前に硫酸亜鉛の濃厚液を散布する対策も有効。

 ホウ素の一時的な欠乏による花器障害と酷似しているが、ホウ素の欠乏では早咲の花叢や中心果ほど被害が大きく、遅咲きの花叢や側果では被害がないことが多い。
 亜鉛の欠乏では開花時期の遅早による違いは少なく、果梗が短いだけで雄しべなどに障害は見られない。
 ただし、ホウ素と亜鉛の欠乏が同時に起こっていることも多いので留意が必要。


【写真・左】(品種:王林)開花期の様子。果梗が異常に短い。
 花束がばらけて花弁が蕚より長くなる来る頃になったら、果梗はもう伸びない。

【写真・右】(品種:つがる)収穫直前の様子。果梗が短いので玉回しなんて、とっても無理!


対策

 硫酸亜鉛、硝酸亜鉛などの亜鉛を含んだ資材を投入補給する。ともに劇物指定があるので保管や取り扱いには注意を要する。
 10a あたり2〜3kgの投入で劇的な効果が現れるが、春先(発芽後)の散布では間に合わない事が多いので、症状を確認したら早めに投入する。遅れた時はスプレーしないと花器症状の治療に間に合わない。
 葉面散布の濃度などは亜鉛ボルドー(農薬・殺菌剤に準じる。ただし、亜鉛加用のボルドーではなく、亜鉛石灰液の方)

※ 他の肥料と同様、葉色の変化に関わるものと違い、変形などの症状は一旦現れた部位が回復する事は無く、新たに発生した部位でだけ回復するので、誤解なき様。