カキの人工受粉



 種が無くても果実が肥大する「単為結果性」が強い「平核無」などの品種もありますが、多くの品種は落花したり、不完全甘柿の場合は種子が少ないと渋柿になります。
 一部の果実にタネが入ると、同じ樹内でタネの入らなかった果実は落果し易くなります。
 通常、人工交配は不用ですが、規模の小さな家庭菜園などでは訪花昆虫が来ない場合もあるので、実止まりの悪いときや、甘柿なのにゴマが入らないときなどはやってみる価値があります。



 カキは雌雄異花
 カキは雌花と雄花に分かれて咲きます。どちらも春先に延びだした枝の葉腋に付きます。
 雌しべと雄しべの違い以外にも、雌花は葉の付け根から1個だけ出てくるのに対して、雄花は果梗が分岐して数個垂れ下がるように付くので、蕾の状態でも外見から区別できます。


 【雄花】写真の品種は「大養(PV甘)」
 小さな花が密集する。花弁は先端付近がすぼまった釣鐘状。雄しべが発達し、雌しべは途中で生育を停止するので開花時には外部から見えなくなる。

【花粉のある場所】
 普通の花と違って、カキの雄しべは筒状になっていて、花粉は筒の先端から出てきます。
 雄しべの側面をいくら擦りつけても花粉はありませんから注意して下さい。

 【雌花】(品種・上と同じ)
 各葉腋に1花づつしか着かないので、雄花より大きな花で、果梗も太くしっかりしている。


 開花の初期には、途中で生育を停止した雄しべも見える(写真・←)が、徐々に雌しべの方が大きくなって満開時には花弁に張り付いたヒゲの様になる(写真・→)。
 柱頭の先端は、リンゴと同様に5つに分かれています。

 交配は、保持しやすいように果梗をつけた状態で雄花を採取し、邪魔になる花弁を除去して直接雌花の柱頭にに付けて行きます。
 カキの花弁は根本が繋がった筒状をしているので、縦に裂くようにして丁寧に取り除きます。

 (参考)着果の様子。これは摘雷したもの。この品種は生理落花し易いので、多めに着けてある。