緊急・・・柿の脱渋と固形アルコール



2006/10/04



 シブガキの脱渋方法の1つに「アルコール脱渋法」がありますが、市販のホワイトリカー(エタノール35%)を使った方法では、結露によって果皮が黒変するなどの不具合がある為、固形アルコールの使用を薦められる事があります。

 固形アルコールがエタノールを原料に作られたものであれば問題ないのですが、一般には需要がないので売っているところが少ないのと、酒税などによって単価が上がるため、燃料用固形アルコールを使用したり、薦められたりする事があります。

燃料用アルコールは、安価なメタノール(Methanol/メチルアルコール/木精)を主成分にしていますが、メタノールは「医薬用外劇物」に指定された有毒物質です。

劇物に指定されたものは、譲渡や取り扱いに制限が設けられ(いわゆる「ハンコがないと買えない」薬品)ますが、急性毒性を緩和するためにのエタノールを混ぜたもの(製品により15〜30%)は「普通物」として(免許もハンコも無しで)販売できるようになり、こうした商品が「燃料用アルコール」と呼ばれます。

 渋柿の脱渋に有効なのは、エタノール(慣用名・エチルアルコール/酒精)であって、燃料用アルコールでも脱渋できるのは、この「不純物」のおかげです。



参考・メタノールの毒性

 参考までに、データを列記すると、
・致死量は一般に、30cc〜100cc/人、稀に10ccで重篤症状。
・7〜8cc/人 で失明した例がある
・・・なので、燃料用アルコールを使用して脱渋した柿を食べても重篤な中毒症状を起こす危険は少ないと思いますが、致死量に満たなくとも、わざわざ毒を入れる必要はないのと、消費者に知れた場合に信用を失う危険があります。
 また、微量でショックを起こすアレルギーの可能性も存在します。

参考・アルコール脱渋の仕組み

【年末までに追加予定】

エタノール→アセトアルデヒド→エチレン

メタノール→ホルムアルデヒド→蟻酸
・ホルムアルデヒドを水に溶かしたものが「ホルマリン」
・蟻酸は、視神経障害(失明)の原因となり、「メチルは目散ると覚えよ」などと云われる直接の原因がこいいつ。

参考・干し柿による脱渋の仕組み

参考・柿の甘渋

参考・固形アルコールの作り方

参考・関連物質

(基本骨格)メタン(methane)
     H
     |
   H−C−H
     |
     H
エタン(ethane)
     H H
     | |
   H−C=C−H
     | |
     H H
(アルコール化)メタノール(methanol)
     H
     |
   H−C−[OH]
     |
     H
エタノール(ethanol)
     H H
     | |
   H−C=C−[OH]
     | |
     H H
(アルコールの酸化)ホルムアルデヒド()
     O
     ‖
   H−C
      \
       H
アセトアルデヒド
     H O
     | ‖
   H−C=C
     |  \
     H   H

   ↓
   ↓
   ↓
エチレン(ethylene)
  H   H
   \  /
   C=C
   /  \
  H   H
(有機酸)蟻酸(ぎさん/)
     O
     ‖
   H−C
      \
       O−H
酢酸(acetic_acid)
     H O
     | ‖
   H−C=C
     |  \
     H   O−H
(ポリマー) ポリエチレン(polyethylene)
    H H H H
    | | | |
・・・-C-C-C-C・・・
    | | | |
    H H H H