モモ・軟化と着色不良

2005/2/14




果肉先行・黄熟・よろけ

 これらの着色不良は核〜胚の異状によるものが大半を占める。
 直接の原因は、カルシウムやホウ素の一時的な欠乏と考えられ、吸収を阻害する主な原因は除草のタイミングや潅水の方法によるもの。
 (「モモの核割れ」を参照)

 「あかつき」や「まどか」などあかつき系の品種では、胚が壊死しても真っ赤に着色して外見上は区別がつかないので考慮されない事が多いが、着色し難い品種と同様に、食味は確実に低下する。

品種による日持ちの違い

 硬い品種とか、すぐに軟化して日持ちのしない品種という云われ方をするが、根本的な違いは、熟す前に果皮に着色するかどうかの違いに過ぎない。
 堅すぎて食べられないような時期に赤く着色する品種は、早採りするので長い期間店頭で陳列出来るが、果肉が柔らかくなるまで色が付かないと収穫が遅れて日持ちがしないといわれるだけ。
 甚だしい例では「阿部白桃」のように収穫の1箇月前から真っ赤になるものさえあります。これが災いして、不味い品種という噂が立つ始末。

管理による日持ちの違い

 モモに限らず、着色を良くするために日当たりを良くしようとして、着色期に剪定をすると色が付き難くなるという性質があります。
 大抵は徒長枝なので、葉っぱだけ掻き取って先端部分を残してやれば影響が少ないのですが、これとは逆に枝の1/2〜1/3を残して切るように指導している地域もあって、着色し難い品種は軟くて日持ちしないダメな品種という烙印を押されるようです。

 着色期の強剪定は食味にも影響し、果実に青臭い味が着くが、多肥の所為だと勝手に決めている事が多い。

 着色にし難さを品種のせいにして、着色し易い品種や系統ばかり栽培していると気付く機会が無くなるが、着色しやすい品種であっても着色期の剪定は着色を遅くする。

 また、収穫前の剪定は果実のビタミンC(還元型)含量を低下させる。
 ビタミンCが減るという話をすると、必ず「そんなにビタミンCが大事なら薬局で買えば良い」というズボラな話にすり替える御仁が登場してお仕舞いになるのが通例ですが、果実内でのビタミンCの減少は果肉の褐変を早め、最悪の場合は内部褐変に進行してクレームの対象となります。


モモ・果肉の堅さ

 堅いモモが食べたいと云う要望をよく耳にしますが、多くの農家が誤解してるように、未熟で堅いものが良い訳ではないと思います。

 先の項目で品種や管理方法で着色の時期が変わる事を述べましたが、核障害のうちでも発生時期が早くて種が死んでしまうと、着色し難くなる性質があります。
 その様な障害のある果実は「確実に不味い」ので、食べる側から見れば、障害のあった時に色が付き難くなる品種の方が良いはずなのですが、現行の主流品種「あかつき」やその枝変わり品種には、タネが死んでも外観が変わらないという特性があって、売る側の都合とテレビの宣伝が相まってもてはやされ、そうではない品種が淘汰されていくのが現実です。

・不味い堅さ:未熟な果実
       弾力がなく、溶けかけの氷のように果肉が砕ける
       果肉が歯茎に当たって痛い
・おいしい堅さ:食べ頃の果実
       弾力があって、鮮度の高いお刺身のような食感
       歯茎に当てっても心地よい