2007/07/1
種球は毎年購入し、遅播きしてあまり大きくしないほうが失敗し難いといわれていますが、購入した種球はそこそこの肥料分(特にミネラル類)を保持しているので、あまり大きくしなければ微量要素の欠乏症が出にくいというだけの話。
きちんとした肥培知識があれば、毎年自給してタネ代を浮かせます。
加熱して丸ごと食べるには小さくても構いませんが数が多くなる分、皮を剥くのが面倒になります。
薬味などに使うには絶対に大きい方が使い易いので、用途別に使い分けること。
大きなニンニク片を得るには、6片種のように分球が少ない品種を使うのはもちろんですが、肥大開始の時期は発芽時期に拘わらず品種毎に一定なので、肥大前の葉数を確保する事が必要で、遅播きは減収の原因となります。
肥大を待たずに地上部が枯れ始め、あまり肥大せずに終ってしまうのは、チッ素やカリ以外の肥料(リン酸やホウ素)の欠乏症である事が多のですが、タネを自給しないのが習慣の地方では、葉を大きくしたせいといわれています。
これは先にも述べた通り、タネ球に貯蔵された成分が薄まったためで、肥培の問題でしかありません。
葉序は2/1(対生)なので、種球を植える向きで葉の混み方が変わる。
親球の中心から放射状に伸ばした線に対して直角の向きに葉が出るので、縦列に並べ、2列に植える場合は、千鳥配列にする。
ホワイト六片種は全ての葉が外皮となって収穫されるが、ジャンボニンニクは葉の付け根からストロン(へその緒みたいなヤツ)を出した先に燐球を作るので、1個に付き1枚の外皮しか無く、収穫時に破れて泥が入り易い。
また、外皮が破れ易いため、収穫後の乾燥で日光に当たると緑色に着色して苦くなるので、乾燥場所に留意する。(朝日が差し込む場所に気がつかないことが多いので注意)
無臭ニンニクは、辛味成分を作る酵素が無いだけのものと、辛味の素になる成分そのものが無いものとがあるらしい。
辛味の素になる成分が無ければ、ニンニクの薬効も期待できないので、確認が必要。(「辛くないニンニクの漬物」を参照)
ジャンボニンニクは、肥大期後半に発生した燐球は硬皮に覆われた小球となる。
硬皮球は、通常の播種時期に蒔いたのでは発芽せず、皮に傷を付けたり除去しても効果は無いが、収穫直後に土に埋めて置けば難なく発芽する。
種球の下にしか根が張らないので、地下に移動しにくい肥料は施用位置に注意する。
ユリ科植物の根には形成層がないため、切れた根は再生しないので、移植すると極端に生育が劣る。
(栽培)球が肥大するのは収穫直前なので、枯れるのが早いと肥大不良になる。ホウ素・リン酸・カルシウムの欠乏が原因であることが多く、葉先が枯れる場合はカリの欠乏も疑われる。
背丈が小さい・・・ホウ素欠乏
早枯れ・・・リン酸とカルシウムの欠乏
ホウ素は生育初期に必要だが、葉や根に触れると枯れるので、播種直後に地表散布するか、発芽後であれば1000倍以上に薄めて如雨露で散布する。播種の直前に土壌混和すると根が焼ける可能性が高い。
カルシウムとリン酸が欠乏すると早枯れするので、2〜3月以降に過リン酸石灰の追肥が有効(粒状品は2箇月程度有効だが、草削りなどで土壌に混和すると効果が無くなる事があり、追加散布が必要となる。
【写真から判る教訓】 こんなに近い株単位で効果に差が出ます。ホウ素資材を使う時は「散きムラ」に注意が必要です。
【播種】
・遅くなるほど肥大が悪くなる。
当地で、収穫せずに放置したり、収穫直後に埋めたものが発芽するのは9月下旬〜10月中旬で、9月中旬に播けば10日ほどで発芽する。
・子球を分割する際、傷が付くと土中で腐り易いので、2週間以上前に分割して傷口を癒す時間を与える。
・自給タネの場合、乾燥させすぎたものは発芽が遅れるので、予め吸水させたほうが良いでしょう。
【管理】
子球内部で分けつして2本以上の芽が出たものは、3葉程度の時に周囲の土を軽く取り除いてから、竹べらなどを差し込んで横に倒すようにして折り取り、1本だけにする。
折り取ったものは、別の場所に植えなおしても良いが、移植を嫌う作物なのであまり育ちません(一度切れた根は再生しないためです)。炒めて食べる方が良いと思います。
2本の茎が出たままにしておいても、途中で枯れる事は無いが、球が裂開するので商品にならないし、子球数は1本にしたものとほぼ同数で、肥大も劣る事が多い。
【収穫時期】
肥大開始は5月以降で、ホワイト六片種の6月中旬、ジャンボ無臭種は7月上旬に枯れ始めるが、枯れ始めが早いいと球が小さくなる。
通常、市販品は外皮が破れると商品価値が低下するので、健全な葉が残った肥大完了前に収穫するように指導されるが、ホワイト六片種で2割、ジャンボ無臭種では5割の減収となる。
当然ながら、外皮が破れると泥が侵入して洗浄が面倒になる。
【乾燥】
掘りたての物を「生ニンニク」として利用する以外は、乾燥させて「乾燥ニンニク」にする。
蛾の幼虫が産卵して球内に進入する事があるので、網目が1cm 程度の網で覆った方が良い。
ニンニクの栽培方法として当地に伝わるネタは2種類あって、
(1)「播種が早いと病気に罹り易いので、遅く蒔くのがよい」
結論を先に云うと、この正体はリン酸とホウ素の欠乏であった。
早く発芽させると茎葉が大きくなるので、希釈効果で欠乏症が重くなるものと考えられる。
(2) 「種球を毎年購入せずに自家採種するとどんどん小さくなる」
一般にはウィルス病に罹って起こる現象だが、(1)と同様に特定の微量要素が欠乏する地帯では、肥料として補充しないと生育に影響する。
微量要素の不足のばあい、ニンニクのように増殖率の低い球根類は種球内に貯蔵した成分だけで1作くらいは何とかなると云うだけのお話。
何らかの事情で発芽しなかった場合、地中で分球して極小さなニンニクが出来ることがあり、翌秋まで放置するとそのまま分球した数の芽がまとまって出る事が多い。
これらは植え拡げて十分な管理をすると、ムカゴ(珠球)を種にした程度(50g)の収穫が得られる。
【種球の確保】
タネを自給するには、収穫したものの中から、食べないで置くのも一番もったいないものを選びましょう(採種の鉄則!)。
ニンニクの害虫で最も厄介なのが「ネダニ」で、薄皮を剥いた小球の表面が焼け焦げたような茶色のざらざらになります。貯蔵中にも増えて伝染するので、必ず収穫直後に割って確認したものを選別・貯蔵しましょう。
稀に分割する時に生傷を付けることがありますが、播種のずっと以前にやっておけば乾いて膜が張るので、発芽前に腐る心配も無くなって一石二鳥です。
小球の内部で分けつしていることがあるので、ほぐした時に2つくっついたような小球は食用に廻します。