亜麻色の髪の乙女(島谷ひとみ)
改・長芋パックの乙女
長芋の粘る汁を髪にたっぷり塗った
娘はすぐに頭 掻きむしる
襟元と 耳の後ろ おでこに 爪を立てて
白い肌は 赤いミミズ腫れ
亜麻色の長い髪が 芋汁に濡れている
娘は髪に 白い蒸しタオル
うじ虫が這うように 芋のかけらが落ちる
かゆみを我慢してる 自分を褒めたい
雨上がり 虹掛かる 青い空
気まぐれで始めた芋パック
田舎から送ってきた
母の思いやりが仇(あだ)に
娘は壁を蹴って 八つ当たり
足が痛い
枝毛 切れ毛 摺れ毛 抜けてく毛
泥やミルクや納豆はありきたり
長芋の粘る汁が 顔中を痒(かゆ)くする
乙女は顔を隠し 町へ出る
医者のもとへ
医者のもとへ