リンゴのビターピット防除



2008/8/14-2009/9/30



ビターピットの発生機構

カルシウム剤の葉面散布を指導する根拠

特殊肥料の意味

 法律上、普通肥料と特殊肥料の違い(分類)は農林水産大臣が決めます。
 特殊肥料という分類は、成分や用途が特殊なのではなく、堆肥や搾油カスなどの有機肥料が、成分の含量が一定に保てない産業廃棄物を肥料としての登録手続きが簡素化された 国→都道府県 品質検査 立ち入り検査 指定されているのは殆どが別のものを作る過程で出来た副産物で、過リン酸石灰を作る時に出来る石膏(通称:リン酸石膏/商品名:畑のカルシウム)は紛れも無い副産物を袋に詰めただけのものですが、「葉面散布用のカルシウム肥料」というのも、ひっそりと混じっています。

対策案

↓・カルシウム・総合からコピペ

リンゴ

 欠乏しても新梢の成長速度は変わらず、落葉もしない。
 果実肥大が盛んになると、若葉の先端から葉縁に沿って黄白化し、後に黄褐色〜暗褐色となって壊死する。

 果実への吸収(総含量の増加率)は開花後1ヶ月頃をピークに減少するので、欠乏症の対策は落花直後から行う必要がある・・・と云われてきたが、
 カルシウムは体内で再移動したり、貯蔵した後で利用できる成分ではないため、体内量が増加する時期に葉面散布で補給するという指導の効果は極めて疑わしい。
 原形質内の濃度は常に極めて低濃度に維持されなければならないため、総含量の測定は、液胞などに移封(廃棄)された量を測定しているに過ぎず、増加率の低下は果実が葉に覆われて果面からの蒸散量が低下したために根からの移行量が減っただけとも考えられる。

【ビターピット】(果実・後期の欠乏)
 デリ系・スターキング・ふじ・つがる・ジョナゴールド・王林・陸奥に出やすい。
 収穫直前〜貯蔵中に発生する。赤道部から下の果皮に小さな凹みが出来て、はじめは緑色だが後に暗褐色になる。重症だと水浸状となり2次的に腐敗することもある。
 病斑は小さく軟らかい。果肉へは果皮直下に留まることが多い。
 大果ほど発生しやすいので、強剪定・強摘果を避ける(・・・ように指導されてきたが、一部の品種を除き、現在公設市場を通じて流通しているサイズは全て大果に該当する・・・どうしたものやら?)
 発生してしまったら窒素・カリ肥料の大幅な制限が必要。
 葉面散布は、6月下旬〜収穫の2・3週間前まで7〜10日おきに行う。
(散布時期はビターピットだけを回避する場合のもの。これ以外の障害には落花後2週間程度からの散布が必要。)

(もりおの所見)「ふじ」では収穫の1箇月前頃から発生し始める。
 果実の重みで枝が下垂して日陰になった部分や懐枝に付いた果実など、果面からの蒸散が抑制される場所で発生が多く、早期に枝吊や摘葉などで果面を露出させると激減した。
 体内での再移動が制限される要素で、水分とともに根から吸収したものだけが届くので、果面からの蒸散確保は重要と考えられる。  葉面散布の効能書きにある「カルシウムの吸収は、果実肥大期の初期だけ」と云う話は、生理的な特性ではなく、果実を覆う葉が繁茂する事で、カルシウムが果実へ移行するのを妨害していただけとの可能性も出て来た。

【コルクスポット】(果実・始期の欠乏)
 デリ系・スターキング・ふじ・ジョナゴールド・恵に出やすい。
 ・7月〜8月頃に発生する。はじめ、赤い小斑点を生じ次第に拡大して硬く窪み、亀裂を生じることもある。
 ・収穫前の樹上に限られ、貯蔵中に発生することはない。
 ・果皮は褐変しないが直下の果肉が褐変してコルク化する。
 ・果実全体に生じ、果肉内にも発生する。
 ・ビターピット同様、大果ほど発生しやすいので、強剪定・強摘果を避け、 ・発生してしまったら窒素・カリ肥料の大幅な制限が必要。
 ・葉面散布は、落花1週後より7〜10日おきに3〜4回行う。
 この時期は薬害を生じやすいので、塩化カルシウム 0.2%に、クレフノンを80〜100倍で加用する
 ・摘果の際に落とした物がぶつかった場所が後に凹斑となってコルクスポットと誤認されることもあるが、下面には出来ないし、下枝部に限られる。

 ともに、大元の原因はアンモニウムイオンの過剰によって細胞内の諸器官(ミトコンドリア・小胞体・液胞)でカルシウム要求量が増し、これらの内部に蓄積する為、膜を維持するための分が不足し、破壊されて漏出した過剰なカルシウムイオンによって周辺の細胞まで壊死する為に起こる。
 このため、搾汁液などによる植物体分析では、障害を起こした畑の方がカルシウム濃度が高い場合も多々観察される。