最終更新:2009/7/10
【自由研究の動機】
当地のリンゴで、開花期に発生するクビレアブラムシは薬剤による防除が容易な害虫だが、交配用に導入されるミツバチに害があるため、一定期間の薬剤散布が禁止されている。
指導機関では、リンゴの樹上で越冬する害虫なので、開花期の発生は発芽前のマシン油乳剤などの散布が不十分である所為であり、発生しても害は無いと云うが、実際には有翅型が飛来して起こる2次寄生であり、寄生によって落果やさび果の発生が起こっている。
ミツバチの導入時期は主力品種(ふじ)の開花よりも10日近く早い時期で、1週間遅らせてもらえば十分に薬剤防除が可能となり、何の問題も起こらないが、説得するにはこれらの実情を認めてもらう事が必要であった。
一般の解説書では、クビレアブラムシはリンゴの樹上に卵で越冬する事になっているため、春先に発生するのは薬剤の散布が下手な所為だと決め付けられ、指導員相手の問答では埒があかなかったが、研究機関に出かけて有翅型の飛来があることを告げると、すんなり認めてくれた。
春先は忙しいので実際に圃場で観察した事が無いとおっしゃり、2009年には心掛けるとの回答を戴いたが、運悪く広域で発生が皆無に近く、有翅型の飛来と併せて嘘つきと呼れるのは間違いない模様。
多くの農家が関連性を疑っているが、アブラムシの吸汁痕が何らかの障害になるという報告はなく、「気のせい」「考え過ぎ」と評されて続けてきた。
2009年に寄生時期別に継続観察した結果、開花から2週を過ぎると寄生・吸汁されてもサビ果に進行しない事が判った。
これにより従来の、サビ果と因果関係が無いとする報告とも矛盾しない事が判明した。
果梗から果実に掛けて定規で引いたような縦の線が入る障害について、過去には霜害であると指導されてきたが、現在では間違いであった事を認めている。(一部には引きずっている指導者も、まだ居る)
果梗上に縦線が入ると開花から1箇月以内で落果する事も認知されていたが、発生原因は不明(ふつう、気象に冤罪が掛けられる)で、クビレアブラムシの寄生が原因で発生する事は信じてもらえなかった。
授粉用にミツバチの放飼をするため、殺虫剤の散布が制限されてしまう。
クビレアブラムシの飛来を待って防除を行った後、開花の直前まで待ってミツバチ類を導入するのは可能だが、当地でリンゴよりも1週間程度早く開花する「オウトウ」にも役立てようと早めに導入されるため、クビレアブラムシの飛来前になってしまう。
マンガン肥料の施用/増肥による忌避効果は認められなかった。
土壌施用では花器に十分な量が供給されない為なのか、アブラムシの種類によるものなのかも不明。
花穂がバラける時期に行った葉面散布(花穂散布?)も、硫酸マンガン1200倍液では効果が認められなかった。この後、3年連続で飛来が確認できない状態が続き被害が無いのは喜ばしい事だが、濃度を変えた実験も頓挫している。