梅シロップ

梅で夏の飲み物!


2008/6/2,12/29


 焼酎漬けの要領で、焼酎の代わりに食酢を使う方法もありますが、酢の臭いを嫌う人もいるため、砂糖だけで漬けています。

 柔らかくなる前の梅を使うと、縮んで種と皮だけのような状態になり、果汁を無駄なく取り出せます。
 砂糖漬けの果肉も利用したい時は、熟した梅を使いますが、あまり大量に漬けると持て余して結局捨てる事になるので、ほどほどに。

【ポイント】

 焼酎や食酢を使用する方法と異なり、最初に殺菌力のある液体で満たす訳ではないので、白菜などの塩漬けと同様に、水上がりが遅いとカブレます。
 焼酎漬けの時のように大粒の氷砂糖を使うと、水上がりが悪くなります。
 もっとも安価な特売の上白糖を使用していますが、ザラメやグラニュー糖を使うほうがカブレ難いようです。
 三温糖や黒砂糖、玉砂糖を薦めるお料理の先生もいますが、梅の香りが判らなくなるのと、発酵して失敗し易くなります。

・砂糖類が溶けるには攪拌するのが一番ですが、気温の日変化に伴って起こる対流が自動で攪拌を行ってくれます。
 カブレを心配して始めから冷蔵庫で保存すると、低温と温度変化が少ないため溶けにくくなり、攪拌が必須になります。
 攪拌時に開封すると雑菌が入り易いので、密封した状態で容器を振っています。このため、大きすぎる容器は止めましょう。

 左側の凋んだ方が収穫時期の早い「小梅(品種:不明)」で、殆ど種と皮だけの状態。
 右側は漬け込み直後の「大梅(品種:南高)」で、蓋のように掛けてある白いものが砂糖。


 漬け込み10日後の様子。
 梅は1/2程度の容積に凋みました。
 落ちて底に溜まった砂糖は、時々揺すってやると早く溶けます。


・最も失敗しやすいのが、酵母菌の繁殖による「酒化」で、発酵が始まったらすぐに熱処理しなければなりません(→どんどん甘味が無くなる)。
 洗浄後に水切りと称して風乾すると、風とともに酵母菌が付着し、乾燥とともに梅果表面の小さな隙間に吸い込まれるように入り込むため、洗い直しても取り除く事が出来ず、最初に添加する焼酎による殺菌効果も得られなくなります。
 梅酒などの手順で、絞った布巾の上で転がして水切りするのはこのような効果も期待できるからだと考えられます。。


【手順】

  1.  水洗してゴミや腐敗果を取り除く。短い果梗が付いていることがあり、苦味が出るので、これも取り除く
  2.  洗ったウメを水に漬けてアク抜きする。
    (小梅は4〜6時間で省略しても構わないが、中粒種は12時間程度必要で、必ず実行する。
    アクの定義は様々だが、この場合は主に苦味。酸味も抜けてしまうので長すぎるのもいけない。)
    (果実表面の毛が水を弾くので、掻き回して良く馴染ませること)
  3.  いったんザルに上げ、ウメの水を切って貯蔵ビンに入れる。
    (少量づつ絞った布巾やタオルの上を転がして水滴を取る)
    (ビンの半分〜3/5くらいが上限。)
    (事前にビンは良く洗う。台所用漂白剤を200倍程度に薄めたもので殺菌すれば完璧・・・口元までたっぷり入れなくても、底に数cmくらいまで入れて蓋をし、1分以上揺すって全体に行き渡らせればよい。)
  4.  砂糖のなじみを良くするため、殺菌を兼ねて少量の焼酎を入れてからいったん蓋をしてウメ全体に行き渡るように振り回す。(焼酎を使いたくない時は5〜10%の乳酸やクエン酸の溶液を使用するが、アルコ−ル分を嫌う場合でも抽出が済んでから、殺菌を兼ねて加熱すると飛ばす事が出来ます。)
     砂糖類の添加量はウメと等量を基準にするが、最初に少量(1袋=1kg程度)だけ入れて蓋をして振り回し、果実表面に付着させると水上がりが良く、失敗しにくい。
     漬け込むビン容積の半分以上まで梅を入れると、砂糖の入るスペースが足りなくなるが、水が上がってくると隙間が出来て空くので、後から追加する事が可能で、概ねビンの2/3まで入れても良い。  
  5.  残りの砂糖類を果実の上から詰め、蓋をして暗所に貯蔵する。
  6.  果実の水分が滲み出て水没状態になると、果実が浮き上がるので、時々ビンを揺すって砂糖水を掛けてやらないと変色したり、水面から出た部分が腐りやすくなる。毎日手当てするのが望ましいが、目安として1週間以上放置しないように心がける。
     貯蔵場所の温度差が少ないと、溶け残った砂糖類が瓶の底に溜まったまま溶けないで残りやすくなるので、果実が沈んでからも時々振ってやった方が良い(縮んで皺になる様な未熟な材料の時は、1年経っても沈まない)
  7.  小梅のほうが巧くいくが、梅が大きいと隙間も大きいため、水没するまでの期間が長くて腐敗しやすくなる。(小梅よりも収穫期が遅いので、気温も高くなり危険が増す)
     1週間経っても変化がないようだと、果実が褐変してしまうので、水上がりが遅いようなら早め(最初からやってもよい)に、どろどろに水溶きした砂糖を加えるとすぐに水分が染み出すようになる。
  8.  貯蔵中に気泡が発生して濁って見える場合、発酵が始まってしまったためなので、鍋に移して加熱殺菌しなければならない。
     このとき、溶け残りの砂糖類も取り出して煮溶かした方がその後の管理が楽になる。
  9.  
  10.  出来た汁は翌年の仕込み時期に取り出し、扱いやすい細口のビンに移す。
     移すときは、漏斗にきれいな布巾やペーパータオルなどを掛けると小さなゴミを抜くことが出来る。
     濾し布が漏斗の出口にピッタリ張り付くと濾過が遅くなるので、網を敷くか洗濯バサミなどを使って浮かせた状態に固定すると良い。 すぐに目詰まりして濾過速度が落ちるので、こまめに洗浄しながら行う事。
  11.  夏に氷水で割って飲む。
    ・水で割った後、重曹を加えると酸味が減ると同時に発泡してサイダーのようになります。
     泡がもっと欲しい時は、クエン酸(レモンの酸味)や酒石酸(ブドウの酸味)などで酸味を増やした状態で重曹を加えます。(冷水では溶けにくいので、予めシロップ瓶に入れておくとよい)
  12.  残った梅は、漬け込んだビンに入れたまま水で濯ぎ、冷蔵すればストレートで飲める梅ジュースになります。
    ・水を入れたまま放置すると凋んだ梅が吸水して膨らむので、すぐに採り出す事。
    ・熟した梅を漬けた場合は凋まないので果肉も利用しないと勿体ないが、漬け汁から取り出すとカブレ易くなるので、ジャムに加工するか、そのまま食べる場合は冷蔵する。冷蔵できない時は余分に残した汁に沈んだ状態で保存する。
    ・取り出しの際に雑菌が混入し易いので、様子を見て必要なら加熱殺菌する。

 酢漬けの場合で、食酢の代わりにクエン酸を買ってきて5〜10%に溶かしたもので代用できますが、殺菌の手抜きをすると黒コウジ菌が繁殖し易くなります。
 黒コウジはもともとクエン酸を作るときに使う菌なので、とっても丈夫!。かえっていいのかな?・・・と思いきや、1年放置すると甘味・酸味まで分解して何の味もしなくなります。

 クエン酸は薬局などで買えますが、包装が小さなものほど割高で、50g入り350円くらい〜500g入り1200円〜25kg入り14500円でした。
 殆どの店で大袋は常備していないので、予約注文が必要です。


応用品・梅ラムネ

 最近では、ラムネとサイダーの区別が曖昧になって自由に表示できるようになったようですが、ここでは炭酸源にクエン酸と重曹を使用するものをラムネと呼ぶ事にします。

 梅シロップに10%相当のクエン酸を加えて酸味料を増量する。
 炭酸飲料の空容器にシロップを入れ、口元まで冷水を加える。
 重曹を加え、すぐに蓋をして、よく振る。1晩放置すれば完成。(冬以外は冷蔵する)

・初回は必ず量を決めて行い、味を見て調整します。
・砂糖の摂り過ぎが気になる時は、サッカリンなどの合成甘味料を併用しますが、シロップを薄めるのではなく、希釈時の添加量を減らすようにしないと、使い残りのシロップが腐敗し易くなります。
 シロップ1kgに対してサッカリンを0.5g添加すると、シロップの使用量を1/2にすることができます。このとき酸味料は相当量を増量してください。
 サッカリンを使用する時は、砂糖と併用しないと苦味などを生じるので、シロップの使用量は1/3以下にならない様にしましょう。
・重曹添加時に温度が高いと反応が早く、泡が吹き零れるまでの時間が短くなり、蓋をするのが間に合わなくなります。
・重曹の添加は漏斗などを使用して手早く行います。口元に付着して解け残るのを防ぐ効果もあります。
・調整直後は安定しないので、開封と同時に泡が出てこぼれてしまいます。
・重曹添加後に良く振らないと、発生したガスが溶け込まずに容器内の隙間に溜まります。
 (実験:液量を半分程度にして酸味料と重曹を添加・密封したPETボトルを指で押すと、パンパンに膨れるのが判ります。これを振ると急激に圧力が下がって凹み易くなるのを感じる事が出来ます。)
・クエン酸の代わりに酒石酸を使うと、ブドウ風の酸味になります。乳酸を使って脱脂粉乳を煮溶かすとカルピス風になります。

【汎用処方】
・砂糖 200g、サッカリン 1g、クエン酸 70g を、
 700ml の容器(オリゴ糖シロップ1kgの空き容器)に溶かして原液にする。
・500ml のペットボトル(炭酸飲料用に限る)に、原液 40ml を採ってから冷水で満たす。
・漏斗などを使用して小さじ 1/2(約2〜2.5g) の重曹を入れ、蓋をする。
 重曹の投入から泡が吹き出すまでの時間は温度で変わり、5℃ なら約 10 秒の余裕がるあるが、20℃では約 3 秒で、重曹を入れ終わる前に噴き出してしまう事もある。