2008/8/20
ダニは昆虫類とは異なる「頭足類」に属する節足動物で、昆虫の体(成虫の場合)が「頭・胸・腹」という3つの部位に分かれて胸部から6本の脚と2〜4枚の羽が出ているいるのに対して、頭足類は頭と腹の2つからなり、頭部から8本の脚が出ている「クモ」の仲間。
このため、殺虫剤の有効範囲が昆虫類とダニ類に跨るものは少なく、農薬による防除ではダニ専用の「殺ダニ剤」が使用される。
「天敵に優しい殺虫剤」と宣伝されているものは殆どが、カブリダニ類に対して感受性が低い農薬で、比較的薬剤の数が多いのは上記の理由によるもの
アブラムシの天敵など他の昆虫類には影響がある事が多いので、備考の補足(小さな字で書いてあることが多い)をよく読んで、天敵の範囲を確認する事。
もちろん、殆どの殺ダニ剤は天敵のダニも殺してしまうので、ハダニの天敵には「優しくない」が、アブラムシの天敵には「きわめて優しい」。
ナミハダニに対して体色が赤いことから「赤ダニ」とも呼ばれるが、天敵の「チリカブリダニ」も体表は真っ赤なので、診断を誤らないように注意が必要(ルーペによる観察が必須)。
リンゴハダニとナミハダニは殺ダニ剤への耐性傾向が違い、新規農薬の発売から数年で効く・効かないがはっきり分かれることが多い。
・防除すべき対象がナミハダニなのに、天敵のチリカブリダニが近くにいたため、リンゴハダニと誤診して農薬の選択を誤る事が多い。
(写真左)リンゴハダニの成虫。背中のトゲの生え際が白くなっているのが特徴。写真は発生初期のもの。
(写真右)越冬卵。これも真っ赤。指で擦ると簡単に落ちる。
多くの作物に寄生する。
(写真左)ナミハダニの成虫。
(写真右)大発生後に殺ダニ剤を散布して2日後(カネマイトフロアブル使用)。晴天だったので縮んで黒い粒に見える。
左の健康な葉と較べると毛茸が脱落し、茶色に変色しているのが判る。これらは葉はダニの加害によって起きた散布前からもので、薬害ではない。
殆どの殺ダニ剤や多くの殺虫剤で死滅する。
「天敵に優しい殺虫剤」と宣伝されているものは殆どが、カブリダニ類に対して感受性が低い農薬で、他の昆虫類(アブラムシの天敵など)にも影響が無いわけでない事が多い(殆どは影響大で、死んでしまう)ので、備考の補足をよく読むこと。