初稿:1999/01/01 最終:2008/2/5
●お台所バージョン
化学の実験では色素を採るのにいろんなものを使いますが、ローコストに徹して水道水での煮汁にしました.
以下の2件は,講談社発行の雑誌「Quark」で紹介された方法を試した記録。
・黒豆の砂糖煮(固形物)では変化がなかった・・・たぶん、煮汁だけが有効。
・収穫後に時間が経ち、夏越しした古い豆(1年以上経過)も,煮汁に色が出なくなる
(要するに,やったけど失敗に終わりましたとさ)
どちらも,コーヒーの紙フィルターに染み込ませて,リトマス試験紙のようにして使うと良いそうです。
文房具の「吸い取り紙」だと、短冊形で切り分けるのに便利な上、適度な厚みがあります。
理化学用の「ろ紙」を使う場合は、必ず「定性用」を使用して下さい。「定量用」は紙自体が強酸性です。
出来上がりの煮汁が薄い時は,煮詰め直すか、いったん乾かした後でまた浸すのを繰り返すと濃くなります.
元の色と変化後の色が同じではつまらないので,リトマス試験紙のように酸性チェック用とアルカリ性用の2種類を作りたい所ですが,色素がアルカリに弱くて分解してしまうらしく,巧く行きませんでした.
このせいで、リトマスゴケのような特殊な植物が材料に使われ続けているんでしょうな。
−−以下は,一ツ橋出版発行の「食品成分表・4訂準拠」に併載された調理実験から.
(感想・補足) 酸性にしたときの紅色は安定しているが、アルカリ性にしたときの青色は時間が経つと退色する。
焼きミョウバンは、漬物にするとき古クギを一緒に入れるのと同じ効果がある(古クギを使うと、鉄が溶け出して変化するまで数時間が必要)
これは、重金属イオン(この場合は鉄)と安定した錯塩を作るためで、このように、酸やアルカリとだけの反応が見られる訳ではない事に注意。
土壌のような複雑な混合物を扱う時には様々な知識が要ります。
(未確認情報)
サツマイモの品種で「紫芋」の色素はリトマスゴケ(苔)と同じ色素・・・だそうです。(ちなみに、ここで登場したのは全て「アントシアニン」と呼ばれる植物色素です。)
【感度】市販されている試験紙類を含め、どんな種類のものでも,試験紙にすると感度は,約10分の1に落ちます.
実験:コップなどに入れた水にサインペンの先を浸してやっと判別できる程度の薄い色水を作った後、紙に浸込ませたものを観察しましょう。
・・・色は判別できなくなります。
【指示薬自体の酸度】pH試験紙の場合、浸込ませてある薬品自体(リトマス色素など)が酸またはアルカリの性質を持った物質で、保存中の品質を安定させるために種類ごとに適したpHに調整されています。
このため、試験紙の示す色は、「調べたい液体」と、「試験紙に浸込ませてある指示薬」を混ぜたときのpHを示します。
多勢に無勢の理屈で、多肥栽培されている畑の土や作物は比較的巧く測定できますが、痩せた畑だと誤差が大きくなります。
また、測定精度の高い(測定範囲が狭い)ものより、広域対応の混合指示薬(ユニバーサルタイプ)の方が誤差が少なくなる場合があります。
市販のpH試験紙では標準変色表が付いていて,色調とpHの値が載っていますが,この値はJISで定められた「標準緩衝液」に浸した時の色具合という説明が付いていて、色見本ごとについた値もpH値ではなくて「参考値」と呼ばれます.
市販のpH試験紙に添付された説明書でも,使用環境に合わせて,電気式のpHメーターで補正して使うように書かれていますが、モノによって・・・特にメチルレッドでは差が大きくて、高校以上の理科の実験で行う滴定(ポタポタ液体を加えて色の変わる量を求めるというやつ)の場合,pHの数字で 1.0 以上、実際の土壌分析では 2.0 近くもずれてしまうことがあります.
ただし、補正という操作は,試験紙を使って読み取った値と、本に書いてある数字を比較するときや、他の方法で測った値同士を較べるときだけ必要になるもので、「同じ方法で」得たデータを「同時に」較べるのであれば,不要になります.
いずれにしても、同じ場所(自分の畑)で、同じ方法(試験紙/測定器)で得た数字が、変化していった時に作物の生育がどう変わったかを観察して、良かった時の状態を維持するために使うのが正しい活用法です。
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