(渡辺式迅速養分テスト法を主にし、京大法をもとに補足)
塩化バリウムによって硫酸バリウムの沈殿を発生させ、比濁度によって半定量する。
※ 半定量:含量を○○mgのように確定するのではなく、数段階の指標に当てはめる事で肉眼で判定できるようにしたもの。
【試薬】
【操作】
・酸性域では安定だが、pH10 以上では誤差を生じる。
試薬添加量は、1/2〜4倍まで影響がない。
・土壌ECが異常に高い場合、誤差を生じて多量に検出されることがある(以下を参照)。
・硫酸酸性には極めて安定だが、塩酸や塩化物イオンの存在で溶解度を増すため、比濁度が減少する(→塩素の診断)。
・CO2 とも反応して炭酸バリウムの沈殿を生じる(濾液の煮沸によって追い出す事が出来る)
・SO32-,CO32-,PO43-,CrO42- とも化合するが、塩酸酸性では再溶解するので、予め2〜3%の塩酸酸性にしてから検定する。
(検液中の HCl が、0.02〜0.1N である事。多すぎると BaCl2 が溶解する)
【判定】
| 1:5水抽出液 | |||||
| 呈色度 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| (新聞の文字) | よく読める | 読みにくい | 見えるが読めない | 模様に見える | 見えない |
| テスト液中濃度 | 50ppm | 100 | 200 | 500 | 1,000 |
| 乾土1kg換算 | 250mg (ppm) |
500 | 1,000 | 2,500 | 5,000 |
| 土壌溶液中濃度 | 750ppm | 1,500 | 3,000 | 7,500 | 25,000 |
| 診断 | 正常 | ← 異常 → | |||
水耕培地での通常濃度は 50〜400ppm で、土壌抽出液の正常域もこれに準じる。
葉中含量は部位と時期によって大きく変わるが、稲の収穫期に 0.15%以下は不足。ミカンでは 0.13%以下で不足と診断する。
チッ素欠乏との見分けが難しいので、化学分析が出来ない時は硫安と尿素に分けて使用し、回復の具合で判断する。
硫安・硫加・過石などを使って追肥する。
硫酸根肥料の多用が原因である事が多く、畑地では土壌が酸性化する。水田では硫化水素となって根腐れを起こす。
ぜいたく吸収するため、余分にあると余分に吸収して病気への抵抗性が低下する。
イネ:いもち病の病斑部にはイオウが多い。根腐れの程度とイオウ含量は正相関が高い。
干拓地では土中に多量のイオウ分があり、好気的条件下で硫酸となって異常に吸収される。
葉が黒褐色になって、葉先が枯死し、全体の枯死へと進む。
【硫化水素による被害】
田植え直後の苗に付いた根が腐り、一段上の節から新根が出る。その後に再び腐ってさらに一段上の節から発根することもある。
生育が進ん出から受けた被害は回復せず、伸長不良、下葉の赤枯れ、ずり込みイモチの発生となる。
硫酸根肥料の使用中止
石灰の散布により流亡を促進させる。
水田で硫化水素の害がある時は、上記のほか、足形水灌漑(沓形灌漑/足跡の窪みにだけ水が溜まる程度に保つ)・間断灌漑などによって嫌気化を防ぐ。
ひび割れるまで中干ししてから水入れする事を2〜3回繰り返して流亡を促進する。
有機物を入れない(酸素消費を抑える)
暗渠・明渠を設け、排水をよくして酸素を取り込む。
レンコン栽培では、硫化鉄などによって肌が黒色化したものを漂白して出荷していたが、「無漂白」品の需要に合わせ、光合成細菌によるレンコン田の酸化(→硫化物が発生しない)が実用化されている。
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