2002〜2003年に起こった農薬絡みの不正使用事件と、これに対応した農薬取締法の改訂に伴う行政指導により、肥料・農薬として登録された資材以外の葉面散布を禁止する指導が行われています。(なぜか、土表への散布は自由)
法的には、肥料取締法によって肥料として登録を受けていない資材を肥料として販売することが禁止されているだけで、使用の規制はありませんが、マスコミで報道された場合、「無登録の資材を使用した農産物」という表現になって、小売店から排除される可能性があり、出荷団体を通じて販売した場合、全品の回収・廃棄にともなう巨額の損害賠償に応じる必要が発生します。
日本薬局方、食品添加物、JIS(試薬特級〜2級)など、監督官庁の異なるものは、規格も異なるため・・・と云うのが建て前ですが、たとえ肥料よりも不純物が少ないもの(厳しい規格)であっても、肥料・農薬としての登録が無い資材は、使用しないのが賢明です。
たとえば、・・・葉面散布用のカルシウム剤は、全ての有機肥料と同様に都道府県知事宛に届け出るだけで「特殊肥料」の登録が得られます。
特殊肥料とは、用途が特殊な肥料という意味ではなく、指定された「種類」に一致すれば、成分の保証も検査も必要なく、ただ届け出るだけという「特殊」な扱いの肥料です。
しかしながら、登録・未登録の差は、農産物出荷のときに大きな違いが生じるので、製品の表示をよく見て使用して下さい。
肥料としての登録のない物を販売すると肥料取締法により罰せられますので、肥料店・農協等で購入したものであればたいてい大丈夫なはずですが、(くどいですが、)稀に肥料として使ってはいけない旨の書かれた製品が別の袋に小分け販売された事例もあるので、必ず包装の表示を確認しましょう。(肥料には全ての包装に表示が義務付けられています)
通常、使用が禁止されていないけれども、使用法が決められていないものについては、「自己責任においてご使用下さい」と云う表現になっていますが、自己責任とは、今までの様に「はいはい、全部私が悪いんですよ」と開き直ればおしまいというものではなく、未知の不具合が発見されたとき「損害賠償等の責任が個人に帰属する」と云う意味です。
出荷組合などを通じて販売した場合、自己責任の範囲はその組合から出荷したもの全て(他の組合員の出荷したもの)に及ぶので、組合などの指導はどんなに理不尽に思えるものであっても厳守して下さい。
食品添加物に指定された製品の場合、口に入れて良い物だからと安易に考えがちですが、食品添加物は全て、なんらかの使用方法が定められています。
ホルモン剤(植物成長調整剤)には、処理済のものを判別する為の食紅(赤い食用色素)がオマケで付いることがあります。
過去に、出荷されたキュウリに付いた花殻に残った色素が話題になったとき、消費者団体から指摘された農水省は、「食品添加物の適用外使用として取り締まる」と回答しています。
「適用外使用」云々というのは、要するに農薬同様、法令などに基づいて「届け出」て「許可」された目的・方法以外に使ってはいけないと云う意味です。
この食用色素は農家が別途購入して添加したものではなく、製品に添付されていたものですが、届け出た農薬の表示成分欄に記載されていない・・・というのが取り締まりの根拠になるようです。
余談:
(1)配置薬の業者が1日1本までと書かれたドリンク剤を「一度に2〜3本飲むと効く」と説明して置いていきましたが、後日やってきたとき(別の人)には「私は3本飲んでいる」に変わっていました。
このように、体験を語るのは自由ですが、薦めるのは法に触れる恐れがあるのだそうです。
おそらくセールスのマニュアルに、そう書いてあるのでしょうね。
(2)健康食品のように、医薬品の認可を受けずに「○○に効果がある」と書けば違法になりますが、よく見かける売り場のPOP(販促表示)に書いて近くに置くのは違法になりません。文言も「高血圧の気になる方に!」など「効果がある」という文言を入れなければ許されるそうです。
(3)先の食紅のように、「輪ゴム」添付はオマケ付販売の扱いでセーフ(何に使うかは自己責任)ですが、箱の中に入れてしまうのはアウトだそうです。
・・・このように、良心的に解釈した結果を、本来の商品の説明と同一視してはいけない場合があります。
農薬の適用作物が「畑作物」になっている場合、一般には水田作物以外を指しますが、自治体や出荷組合(JAなど)によっては「野菜類」の同義語と解釈され、果樹類に使用した場合、出荷停止などの措置が下されることがあります。
「農薬の適用作物のグループ化」に伴い、適用作物の定義が整備されてきました。
豆類(完熟して乾燥させた状態で出荷するものを指し、枝豆などの未熟な状態で収穫するものを除く)、いも類などは「野菜類」「果樹類」と同列の大分類に属します。
当地では、豆類・いも類も「野菜」に含まれる判断なのだそうですが、地域によっては異なる場合もあるので、必ず確認して下さい。
国の基準よりも厳しい基準で出荷する指導は、
消費者の支持を得ます。
決して逆らってはいけません。
| [もりおのえんげい]トップへ |