1999/12/31
2005/4/1,2006/3/28,2010/10/9,2011/10/25
作物間で含量が異なる
・多いもの:マメ科(大豆、小豆)、菌茸類(シイタケ、マツタケ)
・少ないもの:イネ、ムギ、コンブ、ワカメ
吸収量は土中含量に左右され、増肥によって吸収量が増す。
土壌が酸性化すると可溶化して作物の吸収量は増すが、流亡量も増すので土中含量が著しく減り、この状態が続いた後で酸度矯正(石灰類の投入)が行われると欠乏症を発生しやすい。
欠乏により、節間の伸張が悪くなってロゼット状になる
正常時の体内含量は、30〜100ppm。成長の盛んな新葉や茎の節で含量が高く、1枚の葉では主脈や葉縁部で多い。。
通常の可溶性亜鉛(土中)は 100ppm 以下。
欠乏すると、体内に硝酸態チッ素が蓄積し、生育が悪くなる。タンパク質やデンプンの合成量も低下する。(→モリブデンの欠乏を参照)
IAA(インドール酪酸)の合成に関与する。
酵素の働きを助け、酸化還元反応に関与。
炭酸脱水素酵素など、重要な酵素タンパクの成分。
核酸合成に必要な、RNAポリメラーゼの成分。
(注1)1日当たり必要摂取量とは、食事とサプリメントから摂取する量の合計で、サプリメントとして別途摂取しなければならない量ではありません。
(注2)マカの有効成分は、天然カフェイン。茶やコーヒーの効用でもあるカフェインの覚醒効果は、約2週間連用すると脳が慣れて失われるが、大量摂取による偏頭痛などの副作用は継続する。
(注3)先に挙げた一般的な効用の他、亜鉛の補給によって性欲減退、勃起力の低下が改善されるといわれる事もあるが、公式なデータがなく、表示すれば薬事法違反となる。
(注4)女性向け性風俗の従業員は亜鉛サプリメントを服用するのが常識化している(らしい)。
【味覚障害】
亜鉛の欠乏が原因となるものが5割を占める。
このうち、偏食によるものが3割。亜鉛の吸収を抑える副作用を持つ高血圧の薬などでで起こるものが2割といわれている。
ともに亜鉛摂取量を増やすのが有効だが、投薬が原因の場合は薬の種類を変えるだけで済む事が多い。
残り5割は食べかすなどが原因で繁殖する「舌苔(ぜったい)」が表面を覆っているものや、心因性が占める。(週刊ポスト2007/?/? 健康相談コラムから抜粋)
【シュウ酸】
ホウレンソウなどの「シュウ酸」を多く含む食品は、体内の亜鉛を排出する事が知られている。
発端は、アメリカン・コミックの「ポパイ」で宣伝されたホウレンソウが勢力剤としても聞くのかどうかを確かめた実験で、4週間にわたって大量に摂取させたところ、体内亜鉛が 5% 減少したと云うもの。
シュウ酸は里芋などにも多く含まれており、何れも精力の付く食品と信じられて来たところが面白い。(出所不明:たぶん、雑学本)
【試薬の調製】※仕上がりが100ml になるよう変更してあります。
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※ 上の試薬調整で、中途半端な数字が出てくるのは、以下の標準処方によるもの(だと思う^^;)。 参考・ホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝溶液(丸善・理科年表より) 処方:0.1mol・dm-3 ホウ酸と 0.1mol・dm-3 塩化カリウムを含む溶液 50ml に、 0.1mol・dm-3 水酸化ナトリウム溶液 (X)ml を加え、水で 100ml に希釈したものは以下の pH となる。
※ 0.1mol・dm-3 塩化カリウム溶液・・・KCl 7.455g を溶かして 1dm3 にしたもの。 |
【操作法】
pH5.2 の10%酢酸ナトリウムで抽出する。(水での抽出率は1/10程度なので、過剰域しか診断できない)
【判定】
| 水抽出液 | |||||
| 呈色度 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| テスト液中濃度 | 0.25ppm | 0.5 | 1 | 2.5 | 5 |
| 診断 | 多い | ← 過剰 → | |||
| 10%酢酸ナトリウム抽出液 | |||||
| 呈色度 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| テスト液中濃度 | 0.25ppm | 0.5 | 1 | 2.5 | 5 |
| 診断 | 適 | やや多い | 多い | 過剰 | |
| 換算値(単純計算による参考値) | |||||
| 乾土1kg当り | 1.25mg (ppm) | 2.5 | 5 | 12.5 | 25 |
| 土壌溶液中濃度 | 3.75ppm | 7.5 | 15 | 37.5 | 75 |
※ 乾土1kg当り含量は、5倍希釈抽出を前提とした単純計算値。
土壌溶液中濃度は、水分含量を1/3と想定したもの。
水抽出では、僅かにブランクより濃い程度でも可溶性亜鉛が異常に多い事を示す
体内では再移動しやすいが、やや遅い為、欠乏症状は必ず新葉に現れてから旧葉に拡大する。
最も特徴的な障害は、IAA(インドール酪酸)の合成阻害でロゼット化、小葉化、奇形化が起こる。
【主な欠乏症状】
枝・茎の節間が詰まり、葉が密生し小葉でロゼット状となる。(代表的症状)
欠乏が進むと、葉が小さく黄色になり、実止まりや肥大が悪くなる。
地下部は細根が冒され、養水分の吸収が悪くなる。
葉脈の間に明瞭な黄色の斑入が出来て、葉脈に残った緑色と強いコントラストを作る。(カンキツ類のトラ斑、肋骨症状)
※ 葉の斑入はマンガンの欠乏症と区別できない事が多いので、誤診に注意!
葉柄や葉脈間に褐色の小斑点が多数出来る。通常、旧葉に現れるが、生育旺盛時には新葉からも出始める。(トマト、キュウリ、カブ、サトウダイコンに多いタイプ)
斑点が目立たず、下位葉全体にクロロシスを生じる事もある。
外観に異常がなくても、亜鉛の施肥によって生育が促進される土壌がある。
(事例)兵庫県明石市のコカブ:0.1N 塩酸可溶亜鉛が 10ppm の土壌を、25〜50ppm にして著しく増収
【欠乏の起きやすい条件】
栽培技術の進歩に伴って収量が増し、田畑から持ち出される量が増える一方、堆きゅう肥などの投入量が減り、供給量が減った。
また、集約化・作目変更などで耕起回数が増えて、流亡が促進された。
従来は、砂質土やアルカリ性土壌に多く見られたが、土中含量の減少により、酸性土壌でも発生し始めた。
リン酸の多肥により、拮抗作用で亜鉛の吸収が抑制される。
石灰類の多投により、土壌pHが高くなると、亜鉛の吸収が抑えられる。
水田転換園では酸性度が低いため、アルカリ性肥料の害が出やすい。
(肥料の分類で化学的・生理的にアルカリ性でなくても、還元環境でアルカリ性になるものにも注意)
ミカンでは、硫酸亜鉛加用石灰硫黄合剤が使われていたが、新薬に替って使われなくなった。
日照の強い年に多く、南傾斜面で欠乏が出易い。
還元化で硫化水素が発生すると、硫化亜鉛になって不溶化する。
おもな欠乏地帯
新梢の節間が詰まって、若葉が小さくなり、鮮明な黄斑が出来る。
二次伸張で出る葉は細く、枝がロゼット状になる。
花・果梗(軸)が短くなる。
春先の発芽時に起こる一時的なホウ素の欠乏でも花梗が短くなることがあるが、花弁や雄芯の退化を伴い、遅咲のものや側花では回復して正常な長さになるのに対して、亜鉛は再移動しやすい要素なので、ほぼ樹全体の花・果梗が短くなる。
果実は縦方向の伸長が抑制されて上から押しつぶしたような果形になるが、食味への影響は無いのに対して、ホウ素欠乏では底部(蕚窪付近)が逆三角形の尻すぼみ果となり果肉が硬く渋みが残り易い。
ホウ素の欠乏と同様に、霜害や樹勢の低下等と誤診される事があり、安易に「NPK」を増肥すると症状が重くなる。
(ただし、化成肥料などの増肥で症状が重くなる事は、重要な診断の材料になるので、聞取り調査では留意する事。
一般に、種明かしを先にすると事実を隠す事が多いので、「増肥してみましたか?」といった質問にする事。)
古い教科書の類には、青森産と長野産のリンゴの果形の違い(青森産の方が縦長になる)が幼果期の気温差によるものだと説明されている事があるが、青森ではボルドー液に薬害防止の目的で硫酸亜鉛が加用されていたためと云うのが真相だと思う(by もりお)。
ボルドー液を使用した時に残る石灰の白い汚れが嫌われたため、ボルドー液の使用が激減したため、亜鉛の投入量も減り果形の違いは無くなりつつあるが、温暖化のせいにする事で根強い勢力を保っている。【参照:「亜鉛ボルドー液」】
古くから報告例があり、葉中含量が 20ppm 以下になると症状が出る。
新葉に現れる肋骨状の鮮明な黄白色斑を「ハンヨウ病」または「トラ葉」と呼ぶ。
古い葉にも斑入が出るが不鮮明で、マンガン欠乏症との区別が付きにくい。
果実肥大期頃に出る若葉の幅が狭く、節間が詰まる。
次第に黄色の斑入になり、下葉から落葉する。
新葉の葉身基部に白化が起きた後、中肋まで白化し、さらに下位葉に褐色斑点を生じる。
小葉。葉脈間の黄化。葉が内側に巻き込む。
内側=葉縁が下から上へ向かって曲がる事で、葉縁の伸長が抑制された結果、葉が開き切らずにコップ状(皿状)になる。
(北海道の蛇紋岩土壌・Niによる拮抗現象)葉身に黄色の縦縞が入り、葉が巻き込む。
【応急処置】
【施肥】(畑全面に散布)
【その他】
通常の茎葉中には 50〜150ppm 含まれる。
亜鉛を多量に含む灌漑水が流入する水田の裏作で、水口付近ほど傾斜的に被害が大きく、甚:500〜800ppm、少:250〜350ppm
(症状の品種間差が大きい)
(症状の品種間差が大きい)
石灰類を投入して土壌の pH を上昇させる(pH7.0 を目標にする)
また、定期的に土壌酸度を測定して適性値を保つ。
(別名)晧礬(こうはん)
ZnSO4・7H2O=287.6
毒物劇物取り締まり法での分類:劇物(無機亜鉛塩類)
(性状) 無水物のほか数種類の水和物が知られているが、一般には七水和物が流通している。市販の7水物は白色結晶。
白色菱形〜柱状血症。転移点39℃。融点100℃。280℃で無水物になる。740℃で分解する。水に溶けやすい(25℃で水100mlに63.4g溶ける)。グリセリンに可溶。
通常は「亜鉛ボルドー」を調整する材料で、農薬として流通している。他に塩酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩などあるが、無機亜鉛類は全て劇物に指定されている。
安全の知識
製品の規格(東邦亜鉛株式会社・硫酸亜鉛成分規格より)
ZnSO4・7H2O 98.5%以上
Fe 0.002%以下
Cl 0.08%以下
Mn 0.003%以下
不溶解分 0.02%以下
※東邦亜鉛鰍ナの生産は2006年で終了。
硫酸銅などの水溶性無機銅塩と石灰乳を一定の条件で混合した「ボルドー液」の効果の主体は銅イオンで、石灰は銅イオンの生成を低下させて薬害を抑える目的で配合されている。
銅イオンは、植物や微生物が生産するエチレンの代謝経路を活性化し、増産されたエチレンが酸化されて酸化エチレンとなったものが強力な殺菌力を発揮します。(酸化エチレンは注射器などの医療器具の滅菌にも使用されています)
ボルドー液に、銅よりもイオン化傾向の大きな亜鉛を配合する事で更に薬害を軽減する事が出来、この目的で硫酸亜鉛を加用したものは「亜鉛ボルドー」と呼ばれます。
ところが、青森県以外では硫酸銅(などの水溶性無機銅塩)を使わずに、石灰と硫酸亜鉛だけで調整した「ボルドーもどき」を同じ「亜鉛ボルドー」と呼ぶ事があり、組成や殺菌剤としての効果は全く異なるので注意が必要です。
一般には、鉄釘に防銹のため亜鉛のドブ漬けメッキ(熱で溶かした亜鉛に浸したもの)を施したものを指す。
亜鉛メッキの釘は、クロムメッキに較べて錆び難いので浮き易く、釘として一般的ではない。
果樹では主として「ナシ」で、幹に打ち込んで亜鉛の補給に用いられると記述される事もあるが、金物店で聞いたところ、亜鉛は柔らかすぎて打ち込めず、芯まで亜鉛で出来た釘は市販されていないとの事。
鉄の融点は1536℃、沸点は2863℃なのに対して、亜鉛単体での融点は 419.58℃、沸点が907℃ であることを利用して、火葬用のお棺に使うと燃え残らないらしいが、亜鉛は柔らかいため釘打に熟練を要し、製棺のみで、遺族の行う封棺には鉄釘を用いるのが主流。(近所の元葬儀屋さんに聞いたところ初耳で、製棺も釘打ちが一般的だそうです。)