東京散歩(東京都庭園美術館)


渋谷のBunkamuraで「スコットランド国立美術館展」を開
催していた。これも楽しみだったが、「きょうは天気もいいし、
先に白金の庭園美術館に寄ってみようよ」と、ともちゃんが
提案した。
ちょうど「華麗なるマイセン磁器」展をやっている。

12月の10日で師走の真ん中だが、ちょっとのんびり東京
の散策もいい。

庭園美術館は戦前まで旧朝香宮(あさかのみや)邸だった。
昭和8年(1933年)、フランス人のデザイナーによって設計
され、アール・デコ様式を今に伝えている。
美術館としてはほんとに雰囲気がいい。
正面玄関には三越のライオンのような狛犬(?)が2匹、左
右に置かれている。美術館の中も素晴らしいが、内部はいっ
さい撮影禁止になっていた。

「華麗なるマイセン磁器」展には198点が出品されているが、
これは宇都宮の住職夫人、伊東直子さんが収集したものら
しい。

柿右衛門の影響などが見て取れる18世紀のシノワズリーか
らロココ、アール・ヌーボーなど実に華麗だし、これが個人の
収集品だというから、びっくりする。

伊東さんが亡くなった後、栃木県に寄贈されたという。

美術館を出て、庭園にまわる。クレマチスのような紫色
の花が咲いている。外回りもこの美術館はしゃれている。
丸い円柱、四角の柱が、ヨーロッパ風と和風がこん然と
一体になって建造物の美しさを醸し出している。

12月に入ってからの急な冷え込みと強風で色づきが進み、
紅葉の盛りには1週間遅かった。
あと1週間早かったらどんなにみごとだったのだろう。

それでも庭園の池の周りを散策すると、爽やかな冷気と
まぶしい陽の光がカエデの葉にあたり、名残の紅葉が実に
鮮やかだ。

池のほとりに茶室があった。障子が開け放たれ、そこの
ガラス戸に赤いカエデが映っていた。
向こう側にカエデがあるのではなく、こちら側のカエデが
ガラスに映っているのだ。

美術館の正門のイチョウが風もないのにはらはら散り急い
でいた。ドウダンツツジの上に分厚くイチョウが降り積んで
黄色いじゅうたんかテーブルクロスのようになっていた。

庭園の白いベンチで外国人の夫婦が英字新聞をのんびり読んで
いた。ぼくらもベンチで太陽を浴びる。きょうはほんとに良い天気
だ。見上げると、青空が広がって、緑の木々と、黄色いイチョウと
のコントラストが鮮やかだ。

庭園を出て白金台をぶらぶらする。
シロガネーゼですっかり有名になったプラチナ通りは並木の
イチョウが散って、クリスマスの雰囲気だった。
           (2005年12月10日)


戻る