不定期
八田利也通信

4/1
アメリカの人口は、7800万人という 大団塊を誇るベビーブマーが、7秒に1人の割合で50代に突入している。 社会評論家の間で、ニューヤッピーと呼ばれる50歳プラスが、人口の3分の1を 占めるようになった。しかもこの3分の1は、アメリカ富裕層の4分の3をコントロールし、 年間購買力1兆7壱千億ドルという恐るべき消費者になっている。 とくに、高額の旅行商品の80%、高級車の48%、トラックを含む新車の41%、 処方箋薬の77%、OTC薬の61%がこのグループによって購買されている という。 しかし、コマーシャルや広告の中で表現される高齢者のイメージは 「1950年代」とあまり変わらない。例えば 孫にプレゼントしている祖父母、病気に苦しんでいる高齢者などネガティブなイメージが強い。2020年に50歳プラスが人口の36%になることが 予測されているアメリカにとっては「大きなマイナス要因である」と国際長寿センターの ロバート・バトラー博士は言う。 考えてみると、歴史に残るコマーシャルの中には、高齢者から笑いを引き出しているものも 少なくない。ウェンディーズの「ビーフはどこ?」などだ。 だが、変わっているが愛すべき老人が醸しだすユーモアと、年をとっていることを 嘲笑するのでは、大きな隔たりがある。 バージニア州のマーチン広告会社CEOのマイク・ヒューズ氏は 「怠惰なクリエィティブに成長を迫ること、経験と英知を持った熟年クリエーティブを もっと広告界に導入することで、この問題解決の一助にしたい」と考えている。どんな商品、サービスにもエイジレスの要素は必ずある。それをいち早く見つけ、あらゆる 年の消費者に訴えかける広告をつくり得たマーケッターが、結局、勝者になるのだろう」と ミネアポリスのカーマイケル社のリンチ社長は語る。
4/9
日本の高度成長時代のキーワードは、「カー」「クーラー」「カラーテレビ」の3Cと言われた。で、2003年のユビキタス情報社会では、何がキーワードなんだろう。 ある人に言わせると、「コミュニケーション」「コンテンツ」「コントロール」の3Cであると言う。ちなみに、ブロードバンドで成功するのは「スポーツ」「セックス(アダルト)」「シネマ」「スタディー」「ストック(投資)」の5Sと言われる。 いつでも何処でも情報を取り出せるはずなのに、CやらSやらいっぱいキーワードがある。自分にとって必要な情報はどれなのかしらんと悩んでいる自分の姿は、まさにフリーズ状態だ。
4/11
発足した日本郵政公社は、郵便事業のコストを「二割」削減できると表明している。トヨタ自動車元常務を副総裁に迎え、トヨタ方式を応用して業務の効率化を推進する方針だそうだ。だが、親方日の丸の官業にはムダがいくらでもある。トヨタ方式の効果をうんぬんするまでもない。最近、日本道路関係四公団が策定した高速道路建設費の削減計画がまとまった。これで四兆円も建設費が浮くというから話がでかい。 だだし、民間企業の効率化、合理化とはだいぶ違う。例えば、高速道路の非常電話が何と一台257万円もしていたのだ。見直したら42万円弱でできることが分かったという。今までが異常に高すぎただけではないのか。問題は、今後コスト削減を持続できるかどうかだ。民間企業にとっても、終わり無き経営合理化は容易なことではないのだからさ。
4/16
いまや情報技術(IT)は企業活動に欠かせないインフラになった。だが、その副作用を懸念する経営者もいる。セコムの飯田亮最高顧問は「一日のうち、一定時間を電子メール禁止にしようかと考える」と話す。すぐそばの同僚に、わざわざメールを利用する社員がいるという。黙々とキーボードをたたき続けているす姿を見ているうちに、対人関係が希薄になっているのではと不安になったそうだ。 大和証券の原社長も、「相手と顔を付け合わせて話をするのと、メールのやりとりではニュアンスの伝わり方が違う」と指摘する。メールでは相手の表情や声色を読みとれず、必然的に情報の濃度がさがる。ある広告コンテストの入賞作品に「メールでは、毛糸のマフラーは送れない」というのがあったが、直接のコミュニケーションを避けるためにメールをを多用しているのだとすれば、ITの導入ってなんだろうと思う。そして、意志疎通の中身も変わってしまうのだろうか?そういえば新橋の焼鳥屋で一杯という会話も耳にしなくなった。検証すべき時期にきているのかしらん。
4/18
最近2つの希望退職募集があった。マツダが2年前、早期退職優遇制度の活用で従業員の希望退職を募集した。受付と同時に1200人の枠があっという間に埋まったそうだ。要因としては従来の退職金に月給の48ヶ月分を上乗せする優遇処置が退職者殺到の原因だった。もうひとつは四大銀行グループA行が今年ひっそり実施した。同様に優遇制度を導入し、五百人の退職者を募った。年齢や役職での格差があり公表はしていないが、五十歳部長級では約九千万円とマツダの倍近い金額になったのだという。それでも初日の応募者はわずか三十人。そして数日間の期限内でも枠は埋まらず、強引な肩たたきでやっと三百人が退職した。 製造業と銀行の給与水準は格段に違う。中高年の銀行マンに再就職の口がない厳しい状況は理解できる。しかし、この銀行経営者も社員も膨大な公的資金で支えられていることを忘れている。温情主義ならぬ倫理観の欠如をみると、金融再生の自助努力など信じられない気がするのは私だけだろうか。

                                                     TOPへ

メールは八田利也まで