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八田利也通信 |
| 5/26 1960年代初め、米航空宇宙局(NASA)は月から持ち帰る岩石を調べる高性能装置の開発作業を公募した。ある米企業が応募し、国家資金を得て開発に成功した。同社は後にこの装置を民政向けに商品化、成長の糸口をつかんだ。同じ頃日本の大手電機メーカーが独自で同様の装置を開発し、商品化した。だが、80年代、日米貿易摩擦を背景にバイ・アメリカン政策が推し進められた結果、米企業に市場を奪われ撤退した。先端計測技術器の現状を話し合うシンポジウムが日本学術会議で開かれ、大阪工業大学の清水隆一教授がこんな話を披露した。新技術と産業を育てた国家戦略と見捨てた戦略がここにある。 日本政府は数年来、科学技術研究費を増加させたが、かなりの部分が外国製計測・分析器の購入に充てられたことを心配する声が大学や企業の間に広がっている。「最先端の科学研究に不可欠な装置を海外に依存するのはまずい」という主張の一方、「最高の装置を使わなければ一流の研究はできない」との見方も強い。今後世界と戦える国産機器に育成が重要課題なのではないだろうかしらん? |