香港の超極上品


返還前の年の香港に行ったときの事だ。

買い物にまったく興味のない僕は、夜の歓楽街には必ずいるはずだと思い売人を探してウロウロしてみたがそれらしい奴は見当たらなかった。

偽物ブランド売りに聞いてみてその場所に行ってみてもやはりそれらしい男はいなかった。

あきらめかけてブラブラ歩いているとまたビルの前の路上で偽物ブランド品を売っている若い男を見つけた。

やはり蛇の道は蛇、そうゆうことをしている人間は必ずルートを知っていると思いこんどは近寄りしばらくその男と世間話をしていた。

しばらく話をしてると突然奴は日本人の女2人組みを発見してすっ飛んで行って話をして交渉し始めた。

女達の方は英語があんまりしゃべれないし、男の日本語もたどたどしい。

僕が割って入って通訳をしてやったが残念な事に交渉は決別してしまった。

しかしそれに気をよくした男は仲間意識が芽生えてしまったのか、かなり心を開いて話を続けた。

奴の名は「タイ」、タイはこの辺の路上でもう4〜5年も偽物ブランド品を売っているという。

長年の交渉商売の割には日本語が下手だったがそんな事はいわず本題を切り出した。

「実はマリファナが欲しいんだけどどこで買うか知らないか」と聞くと、「それなら上にあるから待っていろ」と言う。

上、と言うのは一応そのビルの一室を倉庫代わりに借りているらしい。

5分ほどしてから降りてきてホンのちょっとのクサを持ってきた。

値段は正確には忘れたがこの時は香港にしてはかなり高いと思った。

3〜4gくらいで10000円くらい払ったと思う、いやそれ以上だったような気もする。

金を払って帰ろうと思いお礼を言うとタイは「俺はこの辺でずっと商売をしているから香港に来たらまた来てくれ。My Friend!」と言った。

マイフレンドの割には高いな〜と思ったが他にルートがないからしょうがない。

しかしこのたった3〜4gのクサが僕が今まで経験した中で恐らく超極上の最強の物だった。

きっと本当に友達価格だったんだろう。

最初はそんな事とは知らずもったいない使い方をした。

そのときNYで流行っていたと言う(確認はしてないが)太巻きの葉巻の皮を使ってクサを巻くという、皮が厚いので一見タイスティックのように太いがブヨブヨの不恰好なジョイントを作って吸ってみた。

後から気がついたが普通のジョイントで一服で十分効くのに、その時はその太巻きを3,4服したもんだから一気に飛んで具合が悪くなった。

これはもったいないと思い太巻き以外のクサをタバコの箱に入れて日本に持って帰った。

日本では普通にジョイントを作ってしばらくは十分楽しめた。

やはり一服で十分、いや十分以上で普段は結構飛んでても車の運転は平気な僕だが、このクサは一服で車の運転が怖くなった。

今までに手にした事のない大量のTHCを含んだこのクサではっきり言って帰って来てから気が付いた、あの値段は安い。

買い物嫌いの僕は二度と香港には来るものかと思っていたが気が変わった。

香港に行ったらまたタイに会いに行こう。