1997年6月14日〜6月15日 大倉川釣行
6/13 22:30 同行者、坂本氏の愛車でアパートを出発した。4:30 磐梯吾妻山の登山道に到着。
私達は、シャバ最後の食事であるローソン弁当を味わって、遡行と言うよりも登山の装備を準備する。
これから20`ものザックを背負い5km、約3時間の山道を歩こうと出発した。
20分程歩くと、早くもへばってしまい休憩となった。今回が、初めての一泊釣行である我々は、この時ザックの
重さによる激しい体力の消耗に驚き、バテバテになりながらも、まだ見ぬ桃源郷への期待でいっぱいであった。
歩き出して1時間20分程で歩きやすい木道は終わり、いよいよ荒廃ぎみの登山道になる。涸沢を2本渡り、
出発してからちょうど3時間30分で大倉川のビバーク地、本日のテン場に到着した。
まずツェルトを設営し、枝を利用してタープを張った。今夜泊まる城としては、最高のロケーションである。
四方を山に囲まれた草原の中に、ポツンと我々の寝床がある。
小休止の後、釣りの用意をする。テン場のすぐ下流で大倉川は二俣になっており、我々は本流筋であると思われる
右俣に入渓した。(当時の我々は、初めて訪れるにも関わらず、大雑把な道路地図のコピーしか持たずに入渓していた。)
坂本氏に先行してもらい、私は後を釣り上がる。
坂本氏はすぐに6寸ほどの岩魚を釣り上げて、そこから先は私が先行することにしたが、なかなか釣れない。
「魚はいるはずだが…」300m程釣り上がり、やっと1尾釣ることができた。
中々釣れないにも関わらず、落ち込み下の瀞には数多くの魚影が見られた。ただサイズは小さい。
魚は多いが、先に人間の気配を察知し逃げられてしまう。何とかチビを退屈しない程度に釣り上げながら先へ進む。
一投目から落ち込み下のポイントを息もせずに狙って、サイズアップを試みるも7寸止まり。
とりあえず今夜の食料を調達しなければならないのでチビでもキープしてしまった。
その後も交互に釣り上がって行き、13:30頃昼食にした。
おにぎりSetとビールを腹に流し込んで、さらに釣り上がると渓相がそれらしくなり、魚からの反応はかなり
良くなってきたがバラシも多くなった。
8寸クラスをバラした時にハリを交換したところその後は快調になり、順調に数をのばしていった。
坂本氏は、やはりベテランの意地を見せ、私の倍近く魚を釣ったのではないであろうか。
結局サイズの良いものとハリを飲まれたものを5尾づつキープして、テン場まで約1時間かけて戻ってきたが、
じっくり釣り過ぎたらしく、たいして距離は稼げていなかった。
テン場に着き、すぐ薪を集めて焚き火の準備をした。この時17:00位であったと思う。
火が軌道に乗るまで小1時間を要したが、最高の火が出来上がった。塩焼き用の岩魚を焚き火にセットして、
火の番を坂本氏に頼み、夕マズメを狙って刺し身用岩魚の調達にでかけた。
魚の反応は、すこぶる良く、すぐ釣れるのだが最大で6寸となんとも小さい。すべてリリースして、テン場に戻った。
塩焼きは坂本氏が見ていてくれたおかげで最高のものが完成していた。出来立てをガツガツ頬張って、
「おー激うま!」焚き火で焼いた塩焼きは少しスモークがかかっており、今までガスグリルのものしか食べた
ことがなかった私は感動してしまった。最高の味である。
1尾骨酒にしたが、これも激良しである。
周りはすっかり暗くなり、深山幽谷とでもいうのか大自然の中、我々の焚き火の炎と星だけが輝いている。
こんな体験は初めてで、本当に来て良かったと思える。今この地には、我々だけしか居ないのだと思うと
何か込み上げてくるものがある。浪漫の様なものを感じてしまうのだ。
この夜、酒を飲み交わしながら(と言っても坂本氏は下戸だが)もっともっと色々な所へビバーク釣行に行こうと
何度も約束した。更に、レトルトカレーを食べて満足&満腹になったところでシュラフに潜り込んだ。
夜中、あまりの寒さで目が覚め、カッパを着込んだが、まだ寒むかった。
朝は暑くて目が覚めた。今日も午前中釣りをするつもりであったが、昨日の疲れが残っておりやらないことにした。
釣りには満足していたこともある。目覚めの紅茶を飲み、レトルトの飯をたべてゆっくり一服した。
ツェルトをかたづけ、下山の準備をし、この素晴らしい自然に感謝しながらこの地を後にした。
帰路の登山道は、ハイカーが多く、出会う度に挨拶して疲れてしまった。比較的急峻な登り道は、
最初30分に1回の休憩が、15分、5分とだんだん短くなり、とうとう大休止することになった。
タバコを吹かし、水をガブのみして復活させる。結局、車までは3時間30分もかかってしまい、
ヘトヘトになってしまった。
帰り道、岳温泉の湯治場で300円也の温泉に入り、疲れと汚れを洗い流した。飯を食べ、
無事我が家へ到着したのは22:00頃であった。
初のビバーク釣行は、大成功を修めた。山に泊まることも、焚き火で岩魚を焼いて食べることも、
そして水音を聞きながら焚き火の横で星をながめることも初めての我々は、すごい感動を味わうことができた。
この釣行が後々の私に、どれほど大きな影響を与えることになるのか、この時はまだ知る由もなかった…