驚ける事は星の数ほど
今年の夏休み。
おそらく学生生活の中で最後の休みになるのではないか?
そんな事を考えながら夏休みに入り、数日がたった日曜日の事。
珍しく、弟の幸太はなにやら準備をすると颯爽と家を出て行った。
好奇心旺盛な兄の僕と、友人の啓彰は後をつける。
最初はおもしろ半分(暇つぶし)だったのだ。


幸太はショッピング街にやってくると早速ブティックへと入っていった。
言い忘れていたが幸太は兄弟の中でも1番のおしゃれ好きで
とくに服装はおもにモード系のものが多い。
どうやら活発的に動く幸太にとって紳士的に振舞える格好が好きな様だ。
幸太は店内に入ると、まず店内の涼しさに癒された。
生き返ったような顔になる。
外はもう本当に夏の暑さなのである。
そんな外に出ていた者にとっては、この涼しさは格別であろう。
僕らが格別に感じる様に。
冷風を嗜んだ後に幸太は早速店内を歩き始めた。
さっきから涼しげな感じの服ばかりを見る幸太。
どうやら幸太は夏のための服を新調しにきたようだ。
でもなかなかいい服は見つからないみたいで
色々と見て回っていった。
ブティックに入ってから数分がたった頃。
幸太は自分の好みの夏服を見つけたようで、
それをカウンターへと持っていっていた。

??
目を疑った。カウンターに持っていっただけで買わないではないか!
しかも、こっそり自分のポートバックにしまいこんでいる。
そして、何も無かった様な顔をして店から出る。

「ありがとうございましたー」

「いや、買ってないから」
唐突に突っ込んでしまう。

店員の言葉を背に受けながら幸太は満足な顔で店を出て行った。
幸太は外に出てしまうと一目散に次の目的地へと歩き始めた。


驚いた事にその行為は一店舗だけでは済まなかった。
最初の店から始まり、十店舗ぐらい回ったのではないか?
1つのカバンに服が入り切らなくなると、デパートのロッカーの中にしまうか
新しい鞄を盗み、それに突っ込む。
その繰り返しである。
寝起きで後をつけて来たのはいいのだが、こんな場面をみてしまうとは・・・。
現在も夢の中の様である。
この様な行為の量が凄まじく驚く程である。
コインロッカーが四つあってもまだ足りないくらいである。

一仕事終えた為か中央公園のベンチでのんびりとアイスを舐めていたりする。
幸太は朝からの作業に大変疲れたらしく、座り込んでゆったりとしている。
「!?」
ふと、何か思いついたかの様な顔をして走り出した。

この上、一体どこに行かなければならないのだろう。

追いついた頃、幸太はゲームセンターで苦戦をしていた。
UFOキャッチャーのぬいぐるみが掴めないようだ。
幸太はなかなかの諦めがつかない性分で
一度こういうクレーンゲームにお金を使い始めると
とれるまで決して諦めないのだ。
千円、二千円・・・そのぬいぐるみを買った方が安いのではないか?っとおもうぐらい
お金を使ってしまっている。
なにを決心したのか、幸太は薄笑いを浮かべ両替機へと向かっていった。

・・・両替機を壊す気か?
ここから先は見ない方が良いと思い、啓彰と二人でカラオケに向かった。


ちなみに、カラオケが終わり家についた頃・・・。
笑顔で、ソファに寝転がっている幸太がいた。

「何か良い事あったのか?」

俺が聞くと

「いや、何も無い暇な一日だったよ。」

色々、言ってやろうと思ったが、きっと人違いだったのだろう。

その時、ニュースでは近所のゲームセンターの両替機が壊され大金が盗まれた。
そんな事が流れていた。

他にも驚く事は色々あったけど今回はこれぐらいで。