2001年わしらの旅−ヤリ隊に未来はあるのか?

メンバー(左から) セキ事務局長、詩人ヤマカワ、シゲちゃん、

ウチダ隊長、ヤリ隊レディース、スポーツマンやす

キヨッシー、現場監督


2000年12月16日(土)、ヤリ隊のミレニアム総会が開催された。

その日の夕方、隊長はじめヤリ隊の古参隊員たちが小田急線本厚木駅に集合した。

年の瀬も迫り、夜の街はクリスマス気分。駅前広場ではこれから忘年会へという一般市民で賑わっている。

そんな中で,一種の宗教団体なのだろうか。数人の男たちが「宇宙人はここにいます!」という怪しげな横断幕を掲げている。路上に並べられた怪しいステリーサークルの写真。

「ん?ナンダナンダ?」一応、わしらも探検隊なのだから、こういった怪しいモノはきっちり確認しておかなければならない。

「ふーん、ミステリーサークルねぇ。」

「こんなものよりセキの肛門をアップで撮った方が、よほどミステリーサークルだぞ。」

「宇宙人はここにいます!って書いてあるが、一体どこにいるんだ?」

「なんなら、宇宙人としてウチのタカミザワを一時間ほど貸してやってもいいぞ。」

 わしらが勝手なことを言っているので、向こうの連中も「なんかタチの悪いのが来たな。」といった感じで困惑気味である。

ま、いつまでもこんなところで油を売っていても仕方がないので、とりあえずわしらは総会の宴席へ急ぐのだった。

 

会場に着くと、さっそく隊長の音頭による乾杯の儀、そして料理をつまみながら近況報告となった。

まずはヤマカワ。彼は最近アコースティックギターを始め、また座右の書である「萩原朔太郎全詩集」の深夜朗読を再開したらしい。ま、ギターはいいけど朔太郎の怪しげな詩を明かり一つの暗い部屋で喜々として読んでいるヤマカワというこの男を、回りの家族ははたしてどういう目で見ているのだろうか?まったくよくわからない。

続いてセキ。今年の彼はヤリ隊登山部を旗揚げし活躍したが、やはり仕事上での悩みは尽きない。この男は実は某大手自転車メーカーの営業マンなのだが、昨今の激しい企業競争の中、いろいろと他メーカーに苦戦を強いられているようだ。

「やはり○○○自転車工業という堅い社名が良くないよなぁ。横文字でカッコよくしないと。」(セキ)

「ふむ。巨人の星でいえば、伴自動車工業ということになるな。やはりライバルの花形モータースのようにしないと。」(ウエノ)

「そーなると、セキのところで作っている自転車はチュータ・ストロングということになるな。ミツル・ハナガタ2000GTのようにしないとダメだ。」(隊長)

「また昔のマンガ・ネタが始まった。オマエら、勝手にやってろよ。」なぜかスネてしまうセキであった。

 次はキヨッシー高見沢。彼は最近また見合いをしたらしいが、そういった話を持ってくる人がいるというだけでもまだ世の中捨てたものではないなあと思う。

「で、相手と会って実際どういう話をするのよ、キミの場合?」(隊長)

「はぁ、この前は二人で江ノ島へ行きましたが、会話はしませんでした。」(キヨッシー)

「それでも一言ぐらいは何か言っただろう。」(隊長)

「もしかしたら、そろそろ帰りましょうか、ぐらいは言ったかもしれません。」(キヨッシー)

寡黙といえば高倉健のようでかっこいいが、彼の寡黙さはへたすると不気味と思われてしまう。まぁ、彼にとっては「お見合い」も「釣り」も一種のゲームにすぎない。要はキャッチ&リリース。どんなにいい女性でもひとまず会って(キャッチ)、その日のうちに別れる(リリースする)ことが鉄則なのである。

そんなわけで近況報告は続いたが、全体的に見て今年(2000年)のヤリ隊の活動は低迷を極めた。気がつけば、わしらも厄年が近づくお年頃。さすがに野外での天幕合宿が身体にコタえる年齢であるが、それにしてもこの一年間みんなで焚き火をしなかった事実は深く反省しなければなるまい。

 たしかに昨年総会時の報告にあったように、ある者は十二指腸を煩い、ある者はそろそろ発毛剤の必要性を感じ始め、またある者は「痔」という時限爆弾を抱え、そしてまたある者は「痛風」の原因となる謎の物体「プリン体」と日夜闘っているという厳しい現状はあるにしても、来るべき21世紀に向けてわしらは再び立ち上がらなければならない。ドン!(机を叩く音)

 そんな中でウチダ隊長から21世紀の隊の基本方針が発表された。それは

1 ヤリ隊ダンスユニット「オドリ隊」の結成−野外舞踏という新たな試みに挑む!

2 ヤリ隊登山部を「ノボリ隊」と改称。ヤリが岳登頂に向け、今後も精力的に活動を続ける。

3 焚き火の復活−原点としての天幕合宿を考える。

といったものだ。

隊長の熱い決心に隊員たちの顔にも再び光が射し始めた。喜んだヤマカワが突然ジャグリングを始めると、それに応えるように隊長自ら新技「南京玉スダレ」を披露した。

                ジャグるヤマカワ

↑秘書を従え長期政権の抱負を語るウチダ隊長

 

総会屋の乱入もなくヤリ隊の2000年暮れの総会は無事終了。二件目のカラオケ・ボックスに移った頃にはまたいつものように阿鼻叫喚的状況となった。

シゲちゃんの「月月火水木金金」に始まり、奥村チヨ、西城秀樹、「おれたちアパッチ野球軍」、世良公則とツイスト、「リンゴの唄」、「日本人は胃腸が弱い」、「帰ってきたウルトラマンのテーマ」、森山良子、J・レノン、イエモン、陽水、「宇宙戦艦ヤマトのテーマ」、サザン、花*花・・・。

懐メロ、ロック、ニューミュージック、70年代歌謡曲にアニメソング、邦楽・洋楽何でもかかってきなさい!

時代、ジャンルを超越したこのレパートリーの広さから見ても、ヤリ隊がいかに20世紀を疾走してきたかが窺えるだろう。ほとんど息継ぎなしのカラオケ・バトルロイヤルであった。

「ハアハア、まだ少し歌い足りないが、今日のところはこの辺でカンベンしてやる。ゼエゼエ・・・。」

 そう捨てゼリフを吐きながら、おじさんたちはまた新たな決意を胸に帰途についたのだった。

まぁ、この調子では21世紀になってもヤリ隊はまったく変わりそうにないなぁ。