わしらのメジャーデビュー騒動記

ホームページ・オーナーなら誰しも、多くの人に自分のページを見てもらいたいと思うもの。

みなさん、「Yahoo!」への登録など、日々アクセスアップに苦心している方も多いのではなかろうか?

そんなある日、わが「たきびすと」の掲示板に神のお告げにも似た一件の書き込みがあった。

いつものように何気なくHPの掲示板を覗いてみると、珍しく何やらゴチョゴチョと書いてある。

「ん?なになに・・・?」

風呂上がりのビール片手に「プハーッ!」とやりながら読んでいくうち、驚いて思わずビールを吹き出し走そうになってしまった。

何と、それはあるインターネット関連雑誌からのメッセージだったのである。

「今度、うちでアンタんとこのホームページ紹介したいんで、よろしく!」

もちろん実際はもっと丁寧に書かれていたのだが、おおむねそのような内容だった。

雑誌の名は「Webガイド」。つい最近創刊されたようで、発行元はあの天下に名高い(株)アスキーである。

「ゲッ、えらいこっちゃ!」

思い返せば、このホームページもいたって極私的な内輪ネタながら、風の噂で広まって少しずつファンを増やし、今日までやってきた。

HP検索サイトやメールマガジンにもいろいろとお世話になったが、今まではこちらから「お願いする」立場であった。

それが、今回は違う!

向こうから「お願いされて」しまったのだ!

 

次の日、さっそく近所の本屋で問題の雑誌「Webガイド」というのがどんなものか探してみた。

最近やたら増殖中のパソコン関連雑誌群の中から、ようやく目的の一冊を見つけだす。

創刊号の表紙は、今をときめくグラビアアイドルの「酒井若菜」。

「うむ・・・。この雑誌は、とてもイイ雑誌だ。」

表紙を見ただけでおじさん、迷わず確信する。

 ちなみに「ヤリ隊2000年度上半期・現場監督が勝手に選んだアイドルbest3」では、

 1位 釈 由美子

 2位 酒井 若菜

 3位 優香

 となっている。「たきびすと」ファンなら順位の差こそあれ誰しも異論はなかろう。

  話を戻して、雑誌をパラパラめくってみると、たくさんのホームページの写真とともに紹介文がズラッと並んでいる。

 巻末の来月号予告欄を見てみると、次号の特集が「スゴイ人たちが作ったホームページ・常識を超えたナントカカントカ・・・」などと書いてある。

 もしかして、スゴイ人たちって、わしらのこと? 常識を超えたって「たきびすと」のこと?

 何てお目が高いんだ!アスキーという会社は!

もちろん、この日からアスキーの会社の方角に足を向けて寝なかったのは言うまでもない。

「たきびすと」が雑誌で紹介される!

 「信じてイイんですね。本当に信じちゃってイイんですね!」

 これまで多くの心ある人々に支えられてきたHP「たきびすと」も今、改めて本格的に全国デビューを果たす時が来た。

 あの椎名誠氏の「東ケト会」が伝説となった今、その意志を継承し、日本全国に星の数ほどあると言われている極私的焚き火偏愛集団の頂点にわが「ヤリ隊」の名が燦然と輝く時がついに来たのだ。

「ウフッ、ウフッ、ウフウフウフ、ウワッハッハーッ!」

 ここが本屋の中であることも忘れ、心の底から沸き上がる笑いを抑えることができなかった次第である。

 

そして2000年8月29日、いよいよ運命の日がやってきた。問題の「Webガイド」第2号発売の日だ。

 その日は朝から落ち着かなかった。もしかしたら、アクセスが殺到し、カウンターが爆発しているんじゃなかろうか、などといらぬ心配をしながら午前中を過ごし、昼休みになったら急いで近くの本屋に飛び込んだ。

 「・・・あった!」

 第2号の表紙は「片瀬那奈」。

 「う〜ん、知らんなぁ。」

 ヤリ隊アイドルチェックリストに入っていないが、この際そんなことはどうでもイイ。

 はやる気持ちを抑えながらページをくくる。

 「たきびすと、たきびすと、たきびすと・・・。」

 なかなか見つからない。おかしい。何かの手違いで、「ショッピング」や「ファッション」なんてジャンルに紛れ込んでいるかもしれないと思い、二度三度と初めからページをめくり直す。しかし無い。どうしても見つからない。

 まさか、ふだん見馴れている自分の作ったホームページを見落とすこともあるまいと思い、大きく深呼吸をし、ふと視線をズラすと、何と雑誌の下のページの辺りの欄外に8ポイントぐらいの小さな小さな文字で何やらコショコショ書いてある。いわゆる「ハミダシ」記事というやつだ。

 「ま、まさか・・・。」

 急いで、そのハミダシ部分に目を懲らし、もう一度ページをくくってみる。

「まさか、まさか、まさか・・・!」

 

 85ページまできたところで、私の指の動きはピタッ!と止まり、しばらくしてそれはワナワナという震えに変わっていった。

 そこには紹介と呼ぶにはあまりにも小さな消え入りそうな文字でこう書かれてあった。

 「知る人ぞ知るホームページ〜たきびすと

ビールと焚き火をこよなく愛する中年野営宴会集団「ヤリ隊」の公式ページ。独自のアウトドアスタイルがユニークで、写真がかなりおもしろい。」

 確かに雑誌に掲載され、アスキーの人のメッセージにウソ偽りはなかった。ただ、こんな微かな紹介記事がはたして何人の目に止まるだろうか?

 過大な期待を勝手にしたこちらがすべて悪いのだが、ああ、それにしても・・・。あぁ、あぁ・・・。

「ヤリ隊」の全国制覇の道はまだまだ遠い。だが、この話にはまだまだ続きがあるのだ。

 

(写真:「くよくよするなよ。」とドナルド氏に慰められる現場監督)