野営焚火宴会集団

について

 「ヤリ隊」はいかにしてできあがったか。

 その年(1989年)の秋、突如発作的にキャンプへ行こうという話が持ち上がった。

 「やっぱりネェ、これからはキャンプだよ。アウトドアしかないよ。」とまずウチダがオレ(ウエノ)のところへ電話をかけてきた。早い話がもう一人の仲間であるセキという男とこの前「たまにはどこかへ繰り出すか。」という話をしていたら、いつの間にか「それならオレたちもあのシーナマコト氏の『怪しい探検隊』のように野外で正しい焚火生活をしようじゃないか。」となってしまったのである。

 「そこでまあ、ものは相談なんだけどオレもセキもキャンプについてとシロウトなので、アウトドアに詳しいウエノに隊長になってもらいたいのだよ。」とウチダは言った。

 それから話は急速に進展していった。まず、決めなければならないのは隊の名前である。隊といっても、まあいつも集まっている連中がただ場所を野外に変えて飲むだけだから、そんなに形式ばることはないのだが、やはり隊の名前というものがなければカッコがつかない。

 「単刀直入に『ヤリ隊』というのはどーだろうか?」と次の打ち合わせの席でいきなりウチダが言った。もちろん、それは何でもかんでもヤリタイという積極性と好奇心を表現したものなのだが、ウチダを見る限り、どうしてももう少し違う何ともロコツなイメージしか浮かんでこない。

 「う〜ん、『ヤリ隊』というのはちょっとねぇ…。」隊長を引き受ける以上、やはり世間体を気にしてオレが渋っていると、突然ウチダは怒りだし、「それじゃ、他にイイのがあんのかよ、ケッ!」とビールの泡を飛ばしつつ開き直った。

 「言っておくが、『ヤリ隊』なんてまだイイ方だぜ。セキのヤツなんて『肉隊』がイイなんて言ってるんだからな!」

 オレも隊長としてそこまで品を落としたくなかったので、仕方なくその場は『ヤリ隊』でヤリ過ごすことにした。

(ヤリ隊公式機関誌「たきびすと」創刊号より)