カナダドライブ

 校の春休みを利用して,カナダまで車で行こうという事になった。予定は、私が住むデンバーからサウスダコタ州のラピットシティーを通り、そのままノースダコタ州を北上して,カナダにはいる。そこからゆっくり,カルガリーまで行きそのままカナディアンロッキーを見て帰ると言う過酷なものである。毎日自分の家の窓から見えるコロラドロッキーとカナディアンロッキーは違うのだろうか。そんな好奇心からこの旅行は始まった。
 ナダまでそのままインターステイトを使って北上すれば2日もあればカナダに入国する事が可能だったのだが,途中サウスダコタ州のマウントラシュモアを見たいということでワイオミング州からインターステイトをそれ,ラピッドシティーで一泊して,ハイウェイを使って北上する事になった。ラピッドシティーから30分くらいのところにマウントラシュモアはある。大した事はなく15分ほどの観光の後に,カナダを目指す事になった。
 ウスダコタ州とノースダコタ州をただひたすら北上する。なにも変わったものはない。見えるものは地平線のみ。多分ラピッドシティーを出て4時間くらいで国境に到着。どきどきしながら,入国審査のため建物に入る。すると人は誰もいない。「ハロー」と言ってみると扉の向こうからゆっくりとカナダの国境警備員が出てきた。私は,引きつった笑顔見せながらパスポートをその人に手渡す。なにやらじろじろ私のパスポートを見ている。多分こんなところに日本人がくるのは珍しいのだろう。その後は早かった。ぽんとカナダのスタンプを押してくれた。私自身は車の中を検査されるのではないかと思っていたのだが、なにもなかった。
 なものである。車で国境を越えるというのは日本に住んでいるとまず経験できないからである。カナダに入ると突然道が汚くなり,でこぼこと穴があいた道を走る事になった。アメリカはマイル,カナダはキロ。私が運転している車のスピードメーターには大きなマイルのメモリと小さなキロのメモリがついているのでいちいち計算しながら走るわけではない。しかしながら、しばらく体が慣れなかった。
 ナダと言えばどうしても針葉樹の生い茂った森と雪のかぶった山を想像しがちだがそんな事はない。私がはじめてカナダで目にした風景は草原と畑だけ。ちょうどノースダコタ州とモンタナ州の真中あたりに位置するサスカチワン州には1つとして森を目にする事はなかった。リジャイナと言うこの州の州都をそのまま通過してスイフトカレントと言う町まで行く事になった。カナダらしいと言えばカナダの国旗とお金くらいかな?そのほかはほぼアメリカと変わらない。
 早くモーテルを出て予定ではカルガリーまで行く予定である。快調に車を走らせる。アルバータ州に入ってすぐにあるメディスンハットと言う町で昼食を取る。昼食前ガレージに車を停めようとしているとなにやら変な音がする。前輪の左のドライブシャフトからの音だとすぐにわかり,お店のウエイトレスの人に車の修理をやっているところを聞く。運良くこのお店の向かいにあるらしい。「カナディアンタイヤ」と言うお店が見える。早速行ってみることにする。お店のカウンターに言ってチェックしてくれと言うと,明日まで予約でいっぱいだという。私は「アメリカからきたのですが」と言うとすぐに見てくれると言ってくれた。2時間くらいたったら終わっているのでそれまでどこかに言って観光でも,と言っても車がないのでどうしようもない。深刻な故障ではない事を祈りながら不安な2時間が過ぎた。2時間後行ってみると,チェックは終わっていたが,なにやら故障らしい。ドライブシャフトがやはりつぶれていると言う。もちろんこの先長いたびになるのでここで修理する事になった。気になる修理の期間は1日,値段はカナダドルで200ドル前後。悪くない。早速してもらう事にする。さらに近くのモーテルまでタクシーを呼んでくれた。ものすごくいい人だ。デンバーではこうはいかない。タクシーの運転手もいい人でここが映画館だのモールだの解説つきで案内してくれた。その後無事モーテルにチェックイン。足止めを食らった。
 早く歩いて修理やまでいってみることにする。修理は昼には終わると言う事なので近くのモールで暇つぶしをする事にした。車に乗ったのは1時を過ぎていた。予定を変更して今日はカナディアンロッキーのなかにある町バンフまで一気に行ってしまおうということになった。カルガリーにつく当たりで今度は私の体の調子が悪くなってきた。今までの長距離運転のせいなのはわかっていた。頭痛と吐き気がする。しかしせっかくカルガリー,観光しないのはそんである。無理を承知でダウンタウンのなかにあるタワーに昇ってみる。すばらしい景色だった。ダウンタウンの高層ビルの向こうにはカナディアンロッキーかきたから南へと繋がっている。よく考えてみるとデンバーとよく似ている。遅い昼食をこのタワーで食べ,そのままバンフまで行く予定であったが、この昼食をカルガリー郊外で全部はいてしまった。これ以上運転するのは危険と察知して運転を交代してもらう。バンフという街の手前にキャンモアと言う町があり,そこで一泊する事にする。この後はあまり記憶がない。気がつけばモーテルでうなっていた。
 の日の朝は頭痛も吐き気もなくなり気持ちよく朝食を取ることができた。窓の外にはカナディアンロッキーが見える。針葉樹が生い茂っている麓から一気に岩がそそり立っていてそこには雪が載っている。コロラドロッキーとはまた違ったロッキーが目の前にはある。バンフまで1時間半もあれば到着できるのでゆっくりチェックアウトする事にした。カナディアンロッキーの中を走り,国立公園のゲートでお金を払い,バンフに到着。なにやら軽井沢のようなところである。いかにも観光地といって趣でアメリカの国立公園とは全然違うと私は感じた。街の中心近くにある高そうなモーテルにチェックインする。本当に高かった。シーズンオフとはいえカナダドルで105ドルもした。アメリカドルに換算すれば70ドル前後,さほど高くない事に後で気づいたのだが。大抵は昼を過ぎないとチェックインできないのだが,まだ午前中にもかかわらずチェックインする事ができた。体の調子もいいので,早速バンフの町を歩いて観光する事にする。お土産やさんが沢山並んでいる。一つ目のお店に入ってみるといきなり「今日は」と日本語でお店の人に挨拶された。こっちが戸惑ってしまった。多分ワーキングホリデーでこちらにきて働いている日本人であろう。この後一通り街を歩いてみたが,日本語がいっぱい、日本人がいっぱい。シーズンともなると日本人が沢山ここに訪れるのだろう。しばらくジャンクフードばかり食っていたのでおなかの調子がよくないということで,日本食のお店で狐そばを食べた。(ここは信州か?)しかしこのおかげでおなかの調子もよくなった。
 ぞりをしたいと思ったので案内所で聴きパンフレットをもらいモーテルから電話をかけてみた。一人85ドルもするらしい。無理である。あきらめて,きれいな景色が見えるらしいという、レイクルイズというところまで行ってみることにする。
しかしそこに向かっている途中から雪が振り出しついた時は真っ白。なにも見えなかった。あきらめて帰り、後はバンフでお土産を買ってこの日は終わる。
 当ならばもう一日使ってゆっくりトレッキングをする予定だったのだが、途中の車の故障と私の故障の為このまま帰路につく事になった。ものすごく残念である。しかしトレッキングといっても、まだ雪は多く、本格的には無理なのはわかっていたのだが。今日は、このままカナダを出てモンタナ州のヘレナという町まで一気に帰る事になった。バンフを出て、しばらくカルガリーを目指していると大雪が降りだし、道は真っ白なにも見えなくなる。それでも80キロぐらいで走っていた。そんなに怖い事はない。カルガリーを過ぎたあたりで、雪はやんで太陽が出てきた。そのままモンタナ州に入ればいいものを、カナダ川からグレイシャーナショナルパークに入ろうと言うことになった。またロッキーに向かってくるまを走らせる。雲行きが悪い。思ったとおりまた雪が降り始めた。カナダ川の国立公園の入り口には誰もいなくそのままはいることができたが、そのままアメリカに入ることはそこからは無理らしいのでひき返す。

 メリカに入る前にはもちろん国境を越えなければならない。カナダには行った時と同じように、車を停めてパスポートを持ってくるまを出ると、人が出てきた。いかにもアメリカ人といった感じのおじさんが、適当にパスポートを見ただけで終わった。こんなものでいいのかと思ってしまう。無事アメリカに入って、車を走らせる。やっぱりマイルはいい。快調に70マイルで走る。グレイシャーナショナルパークの外をなめるように走りつづける。今はこのグレイシャーナショナルパークは閉鎖していてトレッキングは不可能だと考え、そのままへレナに向かう。途中また雪が降り出したが、差ほどきつくなくそのまま快調に車を飛ばす。ヘレナについたのは既に夜の8時を過ぎていたが、モーテルはあいていて、すんなりいった。
 の後は、ワイオミング州を通ってそのままデンバーまで一気に帰る事になった。無事自分のアパートに帰ってきたのは夜の11時を回っていた。今回の旅行でコロラドロッキーからカナディアンロッキーまですべてを自分の目で見たことになる。ロッキー山脈の大きさは日本よりもちろん大きい。地図では知っていたが、実際車で走ってよくわかった。ロッキー縦断旅行みたいなたびであった。

2000年3月

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