フライキャスティングの飛距離
最近フライフィッシングは全く初めてだという人達とマス釣りに行った。
川に着いてから、
ウェーダーの着方から始めて
フライの説明、フライの結び方、キャスティングの説明。
キャスティングは教えた基本を忠実に守っているので、全くの初心者にしては
まあまあのキャスティングができるようになった。使ったロッドは#4、#5と#6。
ドライフライのエルクへァーカディス#12でドライフライの練習。
しかしドラッグが直ぐにかかるのでなかなかマスは釣れない。
本人たちは真剣に釣ろうとしているが、釣れるプレゼンではない。
黙ってしばらくそのままキャスティングの練習をしてもらった。
釣れないとやはり面白くない様子。
しばらくして#14ヘァーズイァービーズヘッドにフライを取り替えてニンフフィッシング。
マーカーを付けての浮き釣りニンフスタイル。
キャスティングも変わるため少し練習。
しばらくすると初めてのマスを釣りあげた歓声が聞こえた。
やれやれこれで自分も釣る時間ができた。
と思った。
初心者なのでドロッパー無しのシングルフライ。
それでも次々にリーダーにフライが絡むトラブル。
近くでもマスが釣れたので、フライを遠くに飛ばすともっと釣れると思ったらしく
ロッドを振る速さがだんだん上がっている。
バックキャストでロッドティップが完全に地面を向いて
大きく腕を動かしている。フライは初めよりだんだん飛ばなくなり、リーダーに
絡む。フライが無くなる。木に引っ掛ける。
それでもかなりのマスを釣り上げて楽しいうちに一日が終わった。
キャスティングの飛距離は本当に必要なのだろうか。
マスのいる川では多くの場合水の流れがあり、流れを利用することで
ポイントまでの距離をカバーできる。キャスティングで立つ位置を選ぶ、
そして歩いて近づくことでかなり解決できることが多い。
しかし歩いたり、流れを利用できない場所もある。たとえば湖、海。
それでもボートやカヌーなどの方法でポイントに近づくことができる。
近づく方法はともかく、魚にどこまで近寄れるかが大切。
キャスティングは釣りたい魚にフライを見てもらうために必要。
釣りたい魚がいる場所に正確にキャスト、そのため飛距離が必要であれば
当然キャスティングの飛距離はある程度必要になる。
ブラインドフィッシングとサイトフィッシングの違いで飛距離の大切さは違う。
ブラインドフィッシングは魚がいそうな場所を探してそこへフライをキャストするが、
静かに場所に近づけば魚はなかなか逃げない。
サイトフィッシングは魚そのものにフライをキャストする。
海でのフライフィッシングはいそうな場所を探してフライをキャストすることもあるが、
たいていは魚を見つけてからキャストすることが多い。
サイトフィッシングは魚もこちらを見つけやすい。あまり近づけない。
代表格はターポン、ボーンフィッシュ。
ターポンは比較的小さな入り江にもいるため
必要な飛距離は川と変わらない場合もある。
実際フロリダのエバーグレードの公園内の運河ではカヌーでも釣ることができる。
この場所のターポンはマスと同じようにライズする。ライズで魚の位置が分かるので
その近くにキャストするとターポンはフライに飛びついてくる。
しかし同じターポンでもメキシコ湾に入ると難しなる。
ライズは無く、サイトフィッシングになる。
群れて回遊しているターポン。ボートであまり近づくと直ぐに逃げてしまう。
そこで50フフィートから80フィートのキャスティングが必要。
しかも正確にキャストし、群れを驚かせないように静かにプレゼンする必要がある。
ボーンフィッシュはもっと難しい釣りとなる。
ターポンより小さく水底の色にごまかされて見つけにくい。
それでも見つけたらボートをポールで動かしゆっくりと近づく。
ある距離に近づくとボートを止め、そこからキャスティングする。
50フィート以上のキャスティングが求められる。
そして風、何故か海では向かい風へのキャストが多い。
風のためキャスティングができずガイドと口論になったことがある。
ガイドはこれ以上近づくと魚が逃げる。
ここからキャストしろと譲らない。
時期が冬場のフロリダだった条件の悪さもあるが、
何度試しても魚にははるか届かない。
そのうちボーンフィッシュはどこかに消えていった。
ターポンの時も同じことがあった。同じガイドである。
(このガイドには何度もお世話になっている)
前と同じことを言うので、「見本を見せてくれ」と言うと
見事に向かい風の中80フィート近くキャストして見せてくれた。脱帽。
彼が教えてくれたコツは手首のリストの返しを使うことであった。
その教えのおかげで風のなかでも多少飛距離が伸びた。
飛距離をカバーする別の方法の紹介。
違法でなければ、チャミングして魚を自分の飛距離に寄せる方法である。
海の場合だが、ボートを潮の流れのある浅瀬に泊める。エビを細かく切って
潮の流れに乗せて流す。そのうちに魚が寄ってくる。
流れるエビの身の中にフライをキャストする。
これもフライキャスティングの飛距離をカバーする方法である。