おカーチャンの 「温泉でも行きたいわねー」
の乾いた一言でぶっ飛んだ
3日に悪友多数を呼んで、新年会を我が家で行う予定で電話をかけまくって
いる時の一言だったで、交換条件として飲まざるをえなかったのだ
4日はすこぶる良い天気で、釣りにいけなかったのは悔しかったが
ボーリングやスケート場で子供たちの歓喜の顔を見ていたら自然と心はなごんでいった
そして優雅に時間は流れるハズだった・・・。
「とうちゃん、釣りのゲームあるぞ」
突然の長男の挑戦的な声が、男の静寂のひとときを奪い去った
禁欲生活から解き放たれた囚人のように興味津々声のした方に近づいていくと
そこには確かに大画面のモニター 椅子 そして釣竿とリールがある
噂には聴いたことがあったが、実際に目の前にするのは初めてだった
どうやら船でのルアーフイッシングの疑似体験のようだ
1回200円
面白そうだが結構人がいるのに、大の大人がするのはカッコ悪い
しかし私は電脳釣り師。今日は飢えた狼。好奇心がムクムク。
「やってやる・・俺をなめんじゃねえぞ」
ヒリヒロと知らない間に席についた
やり方は解らないが釣りである。我本職 出来ないハズはない。
200円の料金を入れ「レディ・ゴー」
瞬く間にヒット。
「うりゃ〜 どりゃ〜〜〜〜〜」
竿を2回ほど振って大きく合わせゴリ巻きに巻いていく。
ガンガン竿には手応えがある。
目をつぶって見るとより本物の引きのようだ。
画面からは「ガンバレ 巻いて巻いて」などと声援も聞こえる。
「ふふふっ 心配しなさんな。私の正体は黒鯛釣り師よ」
難なくゲット
一度も失敗する事もなく3匹をつり上げてゲームセット。
「たわいないことよ」
男は勝利を確信した。
CENTER終わりに釣果の計測があり 3匹合計で 11KG。
黒鯛釣り師の心の中は満足であった。釣果の獲物を高貴な顔つきで見ていた。
今日一日良い日だったと感謝していた。
が・・・・・・・・
その次に出てきたモニターには
今日の記録 上位
1位 880KG ・・・
2位 820KG ・・・
3位 720KG ・・・
と続いていった。
11KGの私はいったい何位なんだろう?
自信に充ちあふれていた男の顔は、見る間に涙ぐんでいた
「明日があるさ」
そう言い残し 我が子が去って行った・・