箱に入ったミカンジュースを肩に担ぎ、

少し急な坂を下りて行くと結構キテイル人達の姿が見えた。

「ちわ〜 航希といいま〜〜す」

「ど〜もど〜も」「ちわ」

「ど〜もど〜も」「ちわ」

初めて遭う人達といかにも日本人らしい挨拶の嵐。

そんな中やけに後光が射している北忠さんを見つけた。

「北忠のダンナ 堂の浦どうでした?」

「まあまあです」ニヤリ 

「げっ ゲットですか? クーラー見せてちょ」

{神戸北忠}の名の入ったクーラーを開けると、魚を発見。

  で・でかい!

しかしミョ〜に黒い!これグレちゃいますの?

と言おうとしてハタとサングラスしてたのに気が付いた。<

なるほどスキンヘッドもまともに見れた訳だ。

40CMクラスを含む 計4匹の黒鯛を目にして

・・・・明日はやったるで〜〜・・・

  間もなく毛利さんもやってきた。

各会議室自慢の魚を捌いていく。

その中でも我が黒鯛倶楽部のチヌは格別の存在感である。

それになんと北忠の旦那はプロ級の包丁さばきで

バッタバッタと刺身を造っていく。

流石ドスの名手!

地元のMKさんはモイカに凝ってる噂どおりモイカを捌いている。

辺りがやや薄暗くなった時 本職のシェフ・・ペコペコさんが登場し

やおら料理に迫力と気品が加わった。

**まあ今日は初めて遭った人達と親睦を深めつつ酒を飲み交わし

  静かにそして深く、釣りについて語り合おうではないか**

「ざ〜〜で ぐうど〜〜」

「うま〜〜い」

「ぷは〜〜っ」

「がっはは・・・」

「でっ ひぃっひぃ」

・・・静かに深く・・・・・は??

**まあ多少のざわめきはしかたあるまい。 航希の家族だけでも今日の幸せを神に感謝し安らかな時を過ごそう

と〜〜〜ちゃん 肉・肉・・にく〜〜」

「この味噌汁うめ〜〜〜」

「クワガタおった〜〜 

パンツの中入れたらチンチン噛まれた〜」

「やっぱ花火は打ち上げよ!」

「おわ〜〜落下傘花火!」

「ぶりぶり〜ぶりぶり〜オケツ・オケツ」

(意味不明)

やすらかなときが・・ガラガラと・・音をたてて・・

**まあ こ・このくらいはジガタアルマイ。明日にそなえて

  静かに眠ろう**

「お〜い航希さん 飲まんかい!」

「酒じゃ酒じゃ どぶろくもあるで・・」

「がお〜〜〜」

「ブドウがきたで〜〜」

もう会議室の垣根はない。

渓流も海も対象魚も釣法も・・・魚釣りが好き!自然が好き!

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  朝起きると 雨だった。

  紫陽花の音階のような色が濡れたアスファルトに反射する。

     静かなる時。

 ざわめきの思い出を 高知の空気と一緒に吸い込んで

  さあ帰ろうか。

    「と〜〜ちゃん 釣りは何時するん?」

     「・・・・・・・・」