朝・・微睡みの中・・

窓辺のジャスミンの香りが優しく私をゆり起こしてくれる。

片手にモーニングティーの我が愛妻。ショパンの雨垂れのサウンド。

優雅で気品ある朝。

むむっ・・・あ・ま・だ・れ? バシャバシャ ビシャビシャ??

バキィ 痛て〜〜〜〜〜

三男のウルトラマンティガキックで目を覚ました私。

急ぎ窓の外を見る。 雨・・雨・・雨。

「南予OLM」に早くも暗雲がたちこめる。

どうしよう?中止の決定早い方がいいよな?う〜〜ん。

時間は待ち合わせの3時に近づく。

外は相変わらずの雨。天気予報を聞くと今日明日の降水確率100%。

終わったな・・・もう言い訳は言うまい。

PM3時少し前 SHUさん 毛利さんがやってきた。

「ど・ど・どうします?」との心配声の私に

「防波堤あたりで コッパを狙いつつ黒鯛を狙います。」

とキッパリ答えるSHUさん。

「まあ 合羽もあるし何とかなるんじゃない・」

と落ちついて答える毛利さん。 やっぱりこの人達はヘビー級の釣りバカだ。

早速 会社の仕事は早退(私もヘビー級だ)し撒き餌と刺し餌を購入。

最近、私のHGにすべく通っている防波堤に向かって発進。

10分ほど走って到着すると、珍しく先客が・・

一つの防波堤に計6人なので問題はないのだか、ポイントの曲がりと 先端の

両方が取られているのが痛い。

しかたなく防波堤の中程の場所に陣取り、撒き餌を作りつつ海面をのぞき見る。

そこには普段の様子と全く違った濁った海面。

やはり長雨がこんな所にも影響してるんだなと思う。

防波堤の外海に向かって釣るには上の段から釣らねばならず、SHUさんと私は

早速竿を出そうと潮の流れを見ているのだが、毛利さんが上がって来ない。

なんで?と振り向くと 毛利さんは見るとぴょ〜〜ん ぴょ〜〜んと飛んでは

ズリズリと元の場所に落ちていく。

なんせ黒鯛倶楽部の玉春日、押しは強いがジャンプは弱い。

ここで航希は片膝を付き、毛利さんのシモベとなったのだが、これが次の日の

大爆発の位置関係に微妙に影響するとは知る由もなかった。

少し小雨の間に 撒き餌を潮上に撒き3人で竿を出す。

フカセ用の玉浮きが面白いように沈んで行くが、刺し餌はほとんど5秒と持た

ず 餌取りの嵐。そんな中 型は小さいが コッパ キュウセン 磯ベラ メバル

 ホゴ カマ ス ネンブツダイ ???の魚。全く五目釣りならぬ八目釣り。

「さあこれから撒き餌も効いたし型を狙うぞ〜」と高らかに宣言した途端に

雨が凄くなってきた。こりゃ〜いかんと車に退避、様子を見る。

しかしながら止みそうもない。

「どうしよっか?」「これからいいのに」「雨も冷たくないんじゃない?」

誰も止めようとは言わない。

「え〜〜〜い やっちゃおう」ズブ寝れになりながら竿出す、

釣りバカ3人に幸あれ。

場所は焼鳥屋に移り、もう一人の釣りバカ クラゲさんの話題になる。

明日はいよいよOLM本番、船で出陣の予定。免許のあるクラゲさんが来られな

けれ ば話にならないが、なにしろこの雨、おまけに明日の降水確率100%

是非来てとは言えないよな〜と話しているが、皆の心の中には悪魔が・・・

クラゲさんから移動電話に連絡が入った。

 クラゲ「あ〜 もしもし 航希さん 明日どうすの?」シンパイソウ

 航希 「勿論やります。今日のずぶぬれ釣行でもう恐い物はありません。」

 毛利 「クラゲさん 無理しないで絶対きてね。」

 SHU 「竿買ったからね。ふねようの・・」

と各人が酔っぱらってる勢いをかって、クラゲさんに絡みやんわりじわじわ

責めたてる。

クラゲさん「ワッカリマシタ!じゃあいきますわ」

ばんざ〜〜〜〜い。(^O^)/ 

それから3人は安心し飲みまくって私の家に・ ・・

・・・・・・・・・家庭内攻防戦・・・・・・・・・

航希 「明日は4時に起きて、クラゲさん迎えに行くからね。」

オカアチャン「本当に明日行くの? ぜっ〜〜たい雨よ。」 と優しいお言葉。

航希 「エッ そうなの?」20回ほど天気予報きいているだが知らぬふり。

オカアチャン「他の人は迷惑なんじゃない」二人の釣りバカぶりを知らぬ発言。

航希 「だってさあ 大分のクラゲさんがど〜〜しても明日南予で釣りしたい んだって」

オカーチャン「じゃ 仕方ないわね」

航希 「そっ 仕方ないの!」

     **ワレレンゴウカンタイショウリス** ニヤリ

さて 一夜明けた7月13日

予定より早めのAM3時半に目覚めると、SHUさんと毛利さんはもう準備万端

TVの衛生放送で天気予報を食い入るように見つめていた。

「愛媛県地方降水確率100%」最新鋭の機材を誇る某気象庁の予想。

外はなるほどドンヨリと曇って、今にも大雨が降りそうだ。

4時すぎ、クラゲさんが待つフェリー乗り場に向かう。

クラゲさんは待合い所の玄関でクーラーにどっかと腰を下ろし待っていた。

早速、以前紹介した近くの釣具屋、通称「オババ釣り具」に向かう。

オババは朝マズメ狙いの客で忙しく、しわがれ声で店を仕切っている。

我々は胴つきの仕掛け、オキアミ 青イソメ ジャミカゴ、氷などを雨を心配

しつつ少し控えめに買う。

貸し船屋に向かう途中、 北忠さんの「海坊主事件」 天王さんの「爆睡釣方」 

本島OLMの思い出 伊達組の活躍ぶり 名古屋組の飲み会の話 などで盛り上がる。

そして誰ともなく「わたし〜バカよね〜 おばかさんよね〜」と歌い出した。

貸し船屋に着いた頃には雨は小降りになり、4人はいそいそと道具を船に積み 込む。

貸し船は思ったより大きくこれなら心配ない。

期待とさらに膨らませ、とも綱をハズしクラゲ船長の出発の合図を待つ。

「さ〜て行きますか〜〜〜〜」

船は滑るように水面を走り、4人の顔には安堵の顔が・・・・

その実クラゲさんの運転を信用してなかったのだ。

mikame1197-2.JPG

5分ほど走ってポイントに到着。

4人が船の片側に座るもんだから、船は大きく傾く。

そこはチームワークの伊豫組。絶妙の呼吸で体制立て直し、難を逃れる。

船を養殖イカダの外側のロープに繋ぎ、仕掛けを作る。

毛利さんと航希は、クラゲさんの高価そうなインナーロットでない、

ダイワでもシマノでもない、ガイドが一つ足りない竿を借りる。

SHUさんはこの日の為に買った、これはホントにすんばらしい舟竿。

餌はイソメ。水深は約30メートル。

錘20号で底まで降ろし、べた底であたりを待つ。

まずクラゲさんにあたり。

クラゲさんは流石に船釣りの経験が豊富で しっかりとした合わせで、ヒット。

上がって来たのは25CMくらいの マダイ。俄然やる気が出るがなかなかヒットしない。

すぐ隣で釣っているおじさんは、コンスタントに釣っては、いかにも腕が違うよ

と言いたげに「ニイッ」と笑う。

しかし我々はそんなことでは怯まない。

「さーって、ビール飲みましょうか。」まだ釣り初めて10分もたってない が

航希とクラゲさんは早くも缶ビール1本2本と空ける。

もう子供の遠足と一緒だ。

少しだらけたカッコで竿を持っていると、クラゲさんが、

「航希さん当たってますよ」

と言ってくれた。2〜3回撒いて合わせると軽い。

「いませんよ」と拗ねた口振りで言うと突然手応え。

「おおおっ いるいる。やったぜ」グリグリリールを巻く。

上がって来たのは、思いもしなかった38CMのアマ鯛。

全くのビギナーズラックにも関わらず 「よしよし これでひょっとしたら竿頭かな」

と心の中で微笑む。

続いて毛利さんとが、マダイを釣ってしばし休息。

そしていよいよSHUさんの竿に強烈な当たりが・・

「いいで〜 これはいいで〜」SHUさん本人よりも航希達が期待の眼差し。

「タモの用意」「よっしゃ〜」

しかし・・・・・上がってきたのはクネクネ類の魚。

しばしの重い雰囲気の後、大爆笑。

フッと沖を見ると島影が見えない。

「これは大雨が来ますよ。合羽着てた方が良いですよ。」航希は地元民の 感と経験

からアドバイス。小雨の為脱いでいた合羽で皆が完全防備。

その5分後・・・雲はますます早く動き、燦々と真夏の太陽が・・??

「ウワチィー 何じゃこりゃ? サウナじゃねえぞ」

「うわ〜地元の人の言うことは聞いてはいけません」

「天気予報はなんじゃったんだ〜」

隣のおじさんはとうとうビーチパラソルを持ち出した。

時間は早くも昼近くになって、あたりが無くなった。

クラゲさんはビール飲んで先ほどから爆睡してるし、 航希はビールが無くなって

口寂しいし、そろそろ潮時かな?

と誰もが思い始めたその時 「なんか来ました。」のんびりとした調子で毛利さんが

ジジィっと 軽くリールを巻く。

SHUさんと航希は疲れ眼でそちらを見る。

まさにその瞬間。

ド〜〜〜〜〜〜ンとした締め込み。爆発。

「お・お・お・・・・・・・おおきい」

毛利さんが立ち上がる。

とても座ったままでやり取り出来る締め込みではない。

船がゆれる。クラゲさんがただならぬ雰囲気に気づき目を覚ます。

「なんじゃこりゃ〜」「うお〜すっげ〜」

「毛利さんライン切れる〜」「竿おれる〜」

もう船の上はパニック。周りのボートの人も皆が注目。

今まで見たこともないような強烈な締め込みが、次から次に。

毛利さんは体一杯使った竿裁きで何とか凌ぐが、なんせハリスは2号の

メバル用胴つき仕掛け。これはハリス切れが心配だ。

まさにこれがマダイなら60〜70CMは固い。黒鯛なら・・・??

皆が固唾を飲み見守る。

ジワジワと上がって来た。と言うより毛利さんのパワーで引き抜いていく。

「タモ・・タモ・・」やっと正気に戻り航希がタモの用意。

ヌラ〜ッと海面に姿を現したのは黒い魚・。クロタイ??

いや違う。「石鯛じゃ〜〜〜」「でけっ〜〜〜」

航希は失敗したら腹切りの覚悟でタモを差し出す。

「入った〜〜〜」「やった〜〜」

この瞬間より・・・・毛利さんは死んだ。

SHUさんは1Mと離れて無かった自分の竿を悔しそうに見つめる。

航希は隣のおっちゃんに どうだ!! と言わんばかりに「ニイィ」 と笑い返す。

ゆっくりと港に引き返す船の中には、満足感と次への期待感が同居してる。

「老人と海」のラストシーンが頭をよぎった・・・・

mikame1997-1.JPG

      釣果・・石鯛*1(56CM)  アマ鯛*1(38CM )
    マダイ*8(23CM〜29CM) あなご?*1
    ホゴ*1(20CM) 

戻る