皆さんはトラック運転手の間で語り継がれる恐怖の道路をご存じでしょうか?
私がこの世にも奇妙な話を聞いたのは、関西行きへのフェリーの中でした。
いつもなら、フェリーの中で風呂上がりに軽くビールを飲んで、そのまま爆睡
してしまう私ですが、その日は奇妙な胸騒ぎを覚えドライバー室でテレビを見
ていました。
すると突然、後ろからトントンと肩をたたかれ振り向くと、そこには依然同じ
職場だったNがいました。お互い久しぶりの対面だったので、おうおう!と気
合いを込め握手し、それからビールと共にいろいろと近況を話し始めました。
Nの話によると、今勤めている運送会社は経費節減の為、最近では長距離でも
高速道路を通らず一般道を走っているとの事で、新潟、秋田辺りに行くときは
2日掛かりになり、時に寝不足で神経もやられるとこぼしていました。
そんな話の中、Nは最近どうも奇妙な道を見つけたと語りだしました。
その道は名古屋から松本へ抜ける国道19号線を走りる途中にあり、いつもなら
そのまま19号線沿いを真っ直ぐ走るのだが、ある日偶然に中津川を通り過
ぎ落合から馬籠宿、妻籠宿へと続く近道を地図で見つけ通ったらしいのですが
その道が世にも恐ろしい体験の始まりだったと言いました。
ココからは彼のその時の言葉で語って貰いましょう。
「おらぁよ、そんときはなにげ〜なく 横道にそれたんじゃ。するとどうじゃ〜
走れど走れど山道ばかり・・一日中走っても走っても山道ばかり・・日は暮れるし
こりゃ狐にだまされたかなぁ〜とおもちょった。こんなおどろおどろしい道は
いやじゃ 二度と行きたくない!そんな不思議な道じゃった」
Nは不思議な顔を斜めに傾け思い出すのも嫌と言った口調なのです。
私はぞぞぞぞと悪寒を感じながら聞き返しました。
「なんでじゃ?怖わぁあああああああああああああ」
Nはそこでニヤリと笑いキッパリとこう言いました。
「おりゃよ、きゅうなかやまどう を走っとったんじゃ」
と言いながら、そこにあったメモ用紙に「1日中山道」と書きました。
ゴゴゴゴゴゴ〜〜〜ッ
私は、無言でその場から離れて寝支度始めました。